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お茶の発酵と熟成: お茶専門店HOJO

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お茶の発酵と熟成

お茶の発酵と熟成いうテーマについてより掘り下げて解説したいと思います。

 

1.発酵

 

まず「発酵」の定義ですが、微生物変換のうち人にとって有益な物を、発酵と呼び、逆に無益なものは腐敗と呼ばれます。実は発酵も腐敗も科学的には全く同じ現象を指しております。
ただ近年、微生物を使わなくても、微生物から抽出した「酵素」を使って作られた食品も広義で発酵食品と呼ばれます。

お茶の発酵には微生物は全く関与しておらず、お茶に含まれる酵素が関与しております。
唯一の例外は、プーアル熟茶をはじめとする黒茶と呼ばれるグループに含まれる一部のお茶です。(黒茶でもプーアル生茶などのように微生物発酵を伴わないお茶もあります。)これらのお茶は微生物の発酵により生産されます。

お茶の発酵に関与する酵素は、ポリフェノール酸化酵素(ポリフェノールオキシダーゼ)と呼ばれます。
この酵素はカテキンをはじめとするポリフェノールを酸化する酵素です。通常、酵素とポリフェノールは別々に存在しますが、切ったり、傷を付けた場合、両者が混ざり発酵が促進されます。
リンゴにや他の植物にも類似の酵素が含まれます。リンゴを切って放置すると茶色くなるのも、バナナの皮をむいて放置しておくと茶色に変色するのも同じ原理です。
ちなみに、切ったリンゴやバナナが茶色くなるのは、人間にとって有益な反応ではありません。この為、これは発酵とは呼びません。敢えて呼ぶなら、酸化劣化、腐敗、劣化が適切です。

ポリフェノールですが、酸化する前は無色の水溶性の物質で、水に溶けやすく、香りがしません。
この物質が発酵などにより酸化すると、ポリフェノールからポリキノンへと変化し、揮発性が高い物質を生成します。
揮発性が高くなることで、独特の香りが形成されます。

実際、酵素が無くても、お茶の成分であるポリフェノールは酸化します。
ただし、ただ放置した場合、酸化は無秩序に進むため、良い香りは生まれず、その代わりに劣化臭(酸化臭)が形成されます。
酸化反応はAがBになると言った単純な反応ではなく、反応が連続的に繰り返されます。不安定になった物質は次ぎ次と酸化反応を繰り返すために自動酸化と呼ばれます。
まるで水が滝を流れ落ちるかのように、どんどん反応が進み、最終的には黒色の物体、つまり「土」に限りなく近い状態なります。

酵素による発酵でも管理しなかった場合、無秩序な酸化が生じます。例えば生の茶葉を手で磨り潰して放置したからと言って美味しい紅茶にはなりません。
高水分、空気、高温下では、酸化反応はどんどん繰り返され、腐った草のような、発酵と言うよりも腐敗に近い状態、つまり酸化劣化をします。

素晴らしい香りを作り出すためには、茶葉を特定の管理条件下に置くことで、酸化を制御することが求められます。
つまり、紅茶や烏龍茶の良い香りを作り出すためには、発酵そのものが重要ではなく、発酵によって目的通りの物質を生み出すための「制御」が重要となります。
特定の酸化反応のみを許し、その他の酸化反応は止める事で、花や果物のような魅力的な香りを生み出すのが「制御」です。

勿論、お茶の製造工程に「制御工程」などと呼ばれる工程はありません。
この制御に当たる工程は、「萎凋」と呼ばれます。多くのお茶関連書籍では、萎凋とは水分を減らし揉みやすくすると書かれております。
この記述自体は間違いではありませんが、それはスーパーで売られているような安いお茶の場合です。

 

本来の萎凋の目的は、私が知る限り3つあります。

1.水分を減らす事で酵素の反応を遅くする。
2.1と同時に茶葉を攪拌することでじわりじわりと酵素反応を進める。
3.脱水ストレスにより分解酵素を活性化する

水分が減り、酵素が反応しにくくなっている状態では、酸化反応がゆっくりと秩序正しく進むため、香りをコントロールしやすく、求める香りが発生した時点で火を入れて反応を止めることが出来ます。
「たくわん」の製造をイメージしてみてください。たくわんも徐々に水分を失うことで徐々に酵素反応が進みます。もし、濡れた状態で、高温多湿の環境下に置いた場合、たくわんではなく腐った大根になるでしょう。
3の現象ですが、丁度、熟してない果物を室内に置いておくと追熟し、熟す現象と似ていると思われます。例えば、青いパイナップルやバナナを数日放置することで、食べ頃へと変化します。これら果物も、風通しの良いところに置くことが重要です。
もし高温多湿にところの放置した場合、熟す前に腐敗が進行することでしょう。

発酵茶の製造で最も重要なのは他でもない萎凋です。紅茶は烏龍茶の生産は萎凋に始まり萎凋に終わると言っても過言ではありません。
萎凋には何百通りというやり方があり、それぞれ独自の方法で酸化を制御することで、様々な方法でポリフェノールを酸化します。生産者にとって紅茶や烏龍茶の最も重要な発酵工程は、他でもない萎凋を指します。製造工程書などに書かれている「発酵」工程は、高級な紅茶や烏龍茶を作る場合には「仕上げ」に過ぎません。つまり、烏龍茶や紅茶作りにおける萎凋とは、本当の意味での「発酵工程」に相当します。
発酵茶を作る上で重要なのは、「萎凋を制御することでポリフェノールの酸化をデザインし、理想的な段階になった時点で熱を加えて止める。」ことです。発酵度の高い低いは萎凋を行う時間で調節するのが一般的です。これにより、花のような香り、フルーツの香り、更には乾燥フルーツのような香りまで生み出すことができます。

 

2. 熟成

 

お茶の場合、酵素が既に失活していても、無酸素状態で保存した場合、まるで発酵のように素晴らしい香りが生成します。
このように酵素が関与しないけれど人にとって有益な反応は、「熟成」と呼びます。因みに、熟成の反対、つまり、人にとって無益な酸化反応は劣化と呼びます。

酵素がないのに、どのような反応が起きているのか疑問を持たれることと思います。
実は脱酸素剤で酸素を100%除去した状態でも、お茶は酸化します。
化学では酸化には3つの定義があります。化学の話になると眠くなるかも知れませんが、そんなに難しいことではないので是非引き続き読んでください。

 

酸化の定義

1.酸素を受け取る
2.水素を受け渡す
3.電子を受け取る

 

上記3つの反応は全て酸化と呼ばれます。2と3のように、物質が酸化するためには必ずしも酸素は必要ありません。
但し、酸素が無い環境下では限られた酸化反応しか起こりません。空気中に放置するのと異なり、無酸素条件下で保存した場合、ポリフェノールはタンニンにはならず、香りに寄与するような物質へと変わります。
この様な原理から、無酸素下で茶葉を数年寝かした場合、まるで高度な萎凋と発酵を行ったお茶のように良い香りが生じます。
台湾では、烏龍茶を無酸素状態で数年寝かすことがあります。花のような香りが特徴の台湾烏龍ですが、無酸素かで数年寝かすと、まるで桃か完熟マンゴのような凄まじく魅力的香りへと変化します。
桃の香りのする梨山茶はないかとお客様から質問されることがありますが、その様な香りの梨山茶を作るには2つの方法があります。1つ目は、萎凋と攪拌を極めて長く行う方法、もう1つは脱酸素下で数年間、常温放置することです。
プーアル茶は熟成させて飲まれるお茶の代表格です。プーアル茶の場合、緊圧と言って、カチカチに固められます。この緊圧工程は、茶葉の中に含まれる空気を加圧により追い出すことを目的としております。この為、プーアル茶の熟成を上手に行う為には、塊のまま保存することが重要となります。勿論、空気に触れている表面は酸化します。上手に熟成されたプーアル茶の場合、表面の茶葉の香りと塊内部の茶葉と異なります。但し、最近のはやりでプーアル茶の緊圧は比較的ゆるめに行われます。カチカチに緊圧すると、「崩せない」とクレームが出るためと聞きます。ゆるく緊圧されたプーアル茶の場合、内部に空気が残っているため、理想的な熟成は期待できません。ゆえにHOJOでは敢えて脱酸素剤を封入することで、無酸素状態を作り出しております。
日本の緑茶でも、アミノ酸の少ないタイプの緑茶は、無酸素状態で数年間常温保存した場合、まるでフルーツのような香りへと変化します。ポリフェノールが豊富でアミノ酸が少ない、月ヶ瀬在来、春日在来などは熟成して飲んでも大変美味しいお茶です。

酵素がある無いに関係無く、酸化の仕方を制御することで、特定の香りを作り出し、ある段階に達した時点でで酸化を意図的に止めること、それがお茶作りの基礎と言えます。

 

以下、各お茶作りでポリフェノールをどう制御しているか、代表的なお茶について解説します。

 

日本茶の場合

 

緑茶の場合、熱を加えることで酵素を失活させます。
酵素が失活しているため、それ以上酵素が関与する酸化は起こりません。
但し、酵素が失活した後も酵素が関与しない酸化は起こります。例えば、深蒸し茶の場合、過度に熱を加えることでポリフェノールの酸化を促進します。
概して質の低いお茶が原料として用いられることの多い深蒸し茶の場合、深く蒸すことで強い個性を形成し、質はさておき個性を売りとしております。
また、同様に日本茶の火入れ工程では、熱を加えることで意図的に酸化を促し、香りを生成させます。質が低い原料ほど火が強く入れられ、個性を高める努力が行われます。


中国緑茶の場合

 

中国緑茶の特徴は、釜炒りで作られることと、多くが簡易的な萎凋工程を経て作られることです。
ただ、萎凋と言っても本格的な萎凋ではなく、どちらかというと風通しの良い冷暗所にて放置する類の萎凋です。
萎凋の過程で起こる酵素酸化に加え、釜炒りを行っている最中にも酵素発酵(酸化)が起こります。日本茶のように蒸気で数十秒間蒸す方法と異なり、釜炒りの場合数分かけてゆっくりと熱を加えます。この間、酵素は活性化し、酵素反応が起こります。
中国緑茶が花のような独特の香りがするのは、これら2つの発酵が関係しているためです。

 

紅茶の場合

 

紅茶の製造においても最も重要なのは萎凋です。
萎凋と言っても、作り手によって技術レベル、その方法には大きな開きがあります。
低い品質を生産している工場の場合、茶葉を30cmからひどいときは50cmも積み上げ、下からただ風を当てるだけです。紅茶は萎凋されるどころか蒸れ、高温多湿になる事から無秩序な酸化劣化が起こります。
マレーシア、ベトナム、インドネシアで作られる殆どの紅茶、及び、インドスリランカ産の低品質の紅茶はこの方法で作られます。ティーバックになっている紅茶はその殆どがこの方法でしょう。
加え、茶葉を厚く積み上げて萎凋を行った場合、水分は余り減少しません。この為、続いて茶葉を揉み、静置すると、酸化反応が無秩序に生じ、お茶はタンニンだらけの個性のないお茶になります。
ダージリンなどになると、茶葉は数センチと極めて薄く萎凋層に並べられます。この為、茶葉は空気と満遍なく触れることが出来、むら無く萎凋を行うことが出来ます。
ダージリンでも工場によっては、攪拌を加える作り方が採用されております。攪拌による衝撃で、茶葉に部分的に傷を付け、穏やかに発酵を進めます。
中国の高級な紅茶になると、萎凋と穏やかな発酵が同時進すべく、意図的に茶葉を投げたり、攪拌し、茶葉に僅かな傷を付けます。
萎凋が終わった時点で、茶葉の香りは既に形成されており、その後に控える揉み工程と静置発酵は極めて重要度の低い作業となります。

長時間に及ぶ萎凋が終了した茶葉の場合、水分値も低くなっているために、その後に揉捻→静置しても、発酵は限定的となり、水分が多い茶葉のような無秩序な酸化はしません。つまり、高級な紅茶はタンニンが少なく酸化途上のポリフェノール(ポリキノン)が多く含まれます。
中国紅茶でも特に高級な部類になると、更に萎凋時間を長くし、フルーツのような香りを生み出すために、水分を失って乾燥し始めた茶葉を入れ物ごと濡れた布で覆い、水分を戻す作業を行います。
この作業により茶葉は再びしっとりし、再び萎凋を継続することが出来ます。発酵茶は正に萎凋の芸術と言えます。

 

烏龍茶の場合

 

烏龍茶の場合も極めて長い間、萎凋が行われます。
紅茶との違いと言えば、萎凋の後、熱により酵素を失活した後に揉捻(揉む作業)が行われます。つまり、烏龍茶に必要な発酵=萎凋のみと言うことになります。
烏龍茶の萎凋の場合、静置による脱水と、茶葉を竹で出来た笊の表面に落下させることで微少な傷を生じる工程が交互に行われます。茶葉は傷が付いた部分から徐々に発酵します。
更に萎凋の後半になると、竹製のドラムに入れて攪拌する等、茶葉により多くの傷を付けて発酵を促進します。一連の工程を通じ、求める香りが出てきたところで茶葉は加熱され発酵が止められます。
ここでもし発酵を止めず、茶葉を放置したらどうなるのでしょう。既に茶葉の水分はかなり低くなっている為、茶葉は烏龍茶特有の花やフルーツのような香りを維持しつつ、同時に微量のタンニンを形成します。
こうして出来たのが正山小種(ラプサンスーチョン)と呼ばれる紅茶です。実際、超高品質のラプサンスーチョンを飲むと、紅茶なのか烏龍茶なのか判断できないほどに強いフルーツの香りがします。

紅茶の場合は、揉んで、更に発酵を進めた後に、火が入れられます。つまり、揉む工程と、火を入れる工程が、紅茶と烏龍茶とでは逆になります。
但し、鳳凰単叢烏龍や東方美人のような発酵度の極めて高い烏龍茶と、100gが数万円するような高級紅茶になると、どちらも長時間の萎凋を行うという点で類似しております。

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