自然栽培のミャンマー産プーアル熟茶の仕入

[2017.04.16] Posted By

今年の雲南省出張の1つの目的は高品質プーアル熟茶の仕入をすることでした。幸い今年は、お茶の成長が非常に遅く、雲南省入りした直後は時間の余裕に余裕があったため、多くの生産者を訪問し、熟茶の探索を行いました。本日までの滞在期間、非常に満足の行くお茶を2種類仕入れることに成功しました。

プーアル熟茶はプーアル生茶を原料に作られる

プーアル熟茶はプーアル生茶を原料として作られます。生茶は床に堆積され、水分を加えた後、放線菌を中心とする好気性菌、嫌気性菌、真菌が交互に関与することで発酵が行われます。今の時期は、プーアル熟茶の生産者は原料の確保に奔走しており、未だ熟茶の生産は行われておりません。したがって、今の時期に熟茶の仕入を行う場合、前年度に生産したお茶を仕入れるのが普通です。今回仕入れたお茶も2016年さんの熟茶です。

雲南省と国境を接するミャンマー産の茶葉を使ったプーアル熟茶

今回仕入れたお茶の1つは、ミャンマーで作られたプーアル生茶を原料に雲南省で発酵したプーアル熟茶です。このお茶の産地は「果敢」という地域で、雲南省の南西部と国境を接しております。現在は、民族間による激しい内戦が行われており、極めて危険な状況の地域です。このお茶の生産者は雲南省内に工場を有しておりますが、以前からミャンマーの村からお茶を仕入れており、戦闘状態の今でも、陸路を通じてお茶を入手し続けております。

雲南省の国境から2時間程入ったミャンマーの山村:内戦が始まる前の2013年に訪問しました。

自然栽培のお茶が原料

一般にミャンマーの果敢のお茶は自然栽培のお茶が多いこと、また、土壌に鉄分が豊富に含まれていることからお茶原料の品質が非常に高いことで知られております。但し、村の近くなどは、家畜の糞などが肥料として与えられることが多く、その様なお茶は味に渋味が生じす。私が今回お茶を求めた生産者は、自然栽培のお茶原料に対して強いこだわりを持っており、お茶を仕入れるエリアを限定し、高い品質を維持しております。一般にミャンマーで作られたプーアル生茶は加工が非常に乱暴なことが多く、焦げ臭がしたりするのはごく普通です。しかし、プーアル熟茶に加工する原料の場合、焦げ臭は関係ありません。長期間による微生物発酵を行う場合、原料が焦げていてもいなくても、微生物発酵を行うことで、焦げ臭は消滅します。この事から、ミャンマーの各農家で作られたお茶は、熟茶用の原料としては非常に理想的と言えます。

非常に稀少な春茶のみで作られた熟茶

熟茶の場合、一般的に海外市場で流通しているお茶の95%以上は春茶ではありません。この事はプーアル熟茶の生産の仕組みを理解すれば自然と分かります。生産者は春茶、夏茶、秋茶を用い、年間3回の発酵作業を行います。当然、成長の早さから夏茶の入荷量が圧倒的に多く、次に秋茶、そして、春摘みのお茶はごく僅かしかありません。当然、春摘みのプーアル熟茶は突出して品質が高いわけですが、原料は非常に限られており、また、当然値段も高くなります。私がお付き合いしている生産者は年間に200-300トンの熟茶を生産しますが、春茶の生産量は数トンしかありません。生産者の多くは春茶を夏茶と秋茶とブレンドすることで品質と値段を平準化します。これは非常に一般的な仕組みで、多くのプーアル熟茶は春夏秋茶のブレンドで作られております。したがって、既に緊圧された状態の熟茶を中国から仕入れた場合その多くが3シーズンのブレンド茶です。但し、一度春茶から作られた熟茶を飲んでしまうと、その口当たりの柔らかさと、余韻の強さから、3シーズンのブレンド茶では物足らなくなります。私は、必ず春茶を仕入れるようにしており、今回仕入れた熟茶に関しても何れも3月の下旬〜4月の上旬に摘まれたお茶です。

既に餅茶への加工を完了

仕入れたお茶は、先週の内に餅茶へと緊圧を行い、工場にて品質の再確認を行いました、今回仕入れた熟茶357gの餅茶に加工しました。

この先、2週間かけてしっかりと乾燥を行い、その後、ラッピング作業へと進みます。日本への到着は5月下旬〜6月上旬くらいになりそうです。今から到着が待ち遠しいです。

関連記事 RELATED ARTICLES

お茶に関する最新情報を確実にキャッチするには? SOCIAL NETWORK

1,Twitterをフォローする。2,FaceBookで「いいね!」を押す。3,メールマガジンに登録する。という3つの方法で、お茶に関する最新情報をキャッチすることができます。今すぐ下のツイッターフォローボタンや「いいね!」をクリック!

メールマガジン登録で無料サンプルをもらおう!
メールマガジンにご登録いただくと無料のサンプル茶葉のプレゼントや希少商品の先行購入など様々な特典がございます。ソーシャルメディアの購読だけでなく、メールマガジンへのご登録もお忘れなく!
  •                 

HOJO TEAオンラインショップNEWS一覧を見る

甘い香りの熟茶!薄刀山古樹熟茶を発売
雲南省臨滄市の南西部の鎮康県にある薄刀山という山で作られたプーアル熟茶を仕入れました。薄刀山はミャンマー国境に …
800mの茶園産の本山蛇塚煎茶2017入荷
暫く品切れになっておりました本山蛇塚煎茶が入荷しました。今年は雨が少なく、収穫時期が特に遅くなったこともあり、 …

最新の記事 NEW ARTICLES

甘い香りの熟茶!薄刀山古樹熟茶を発売
雲南省臨滄市の南西部の鎮康県にある薄刀山という山で作られたプーアル熟茶を仕入れました。薄刀山はミャンマー国境に …
1年かけ四重火で作られる鳳凰水仙烏龍を特注
老欉の水仙烏龍茶を用いてた非常に興味深いお茶を特注しました。このお茶は4回に及ぶベイキングが必要であり、この作 …
800mの茶園産の本山蛇塚煎茶2017入荷
暫く品切れになっておりました本山蛇塚煎茶が入荷しました。今年は雨が少なく、収穫時期が特に遅くなったこともあり、 …
中国潮州にて鳳凰単叢烏龍茶の仕入2017
今年も鳳凰単叢烏龍の仕入のために潮州経由で鳳凰鎮に1週間ほど滞在してきました。今年のお茶の状況と、仕入れたお茶 …
摘みたてのお茶の香り!月ヶ瀬浅揉み煎茶2017年産を発売
自然栽培茶を原料に特注で作り上げた月ヶ瀬浅揉み煎茶2017年産を発売しました。浅揉み煎茶はお茶を軽く揉むことで …
長期熟成したお茶の開封時にはワインのデカンティングに相当する処理がお勧め
HOJOではお茶の長期熟成をする際には無酸素での保存を推奨しております。ただし、無酸素で長期間熟成したお茶を飲 …
中国緑茶 太平猴魁の新茶2種類入荷
太平猴魁が入荷しました。今年は非常に質が良かったため、通常のグレードに加え、特貢グレードも入手しました。 蘭の …
前川淳蔵作の古琵琶湖急須の新作入荷
前川淳蔵氏作による古琵琶湖急須が入荷しました。 古琵琶湖土は数百万年前に琵琶湖の湖底だった土 古琵琶湖土は信楽 …
奈良月ヶ瀬の紅茶と緑茶がもうすぐ入荷!
先週、奈良県の月ヶ瀬のお茶生産者を訪ねました。この時期はちょうどお茶の収穫シーズンの最中であり、茶園や加工現場 …
渡辺陶三作の無名異焼手作り急須各種入荷
佐渡島の渡辺陶三氏製作の秋津無名異の急須類が各種入荷しました。 秋津無名異 酸化焼成 http://www.h …

PAGETOP