老欉の水仙烏龍茶を用いてた非常に興味深いお茶を特注しました。このお茶は4回に及ぶベイキングが必要であり、この作業には一年を要します。お茶が完成するのは来年の今頃の予定です。

ベイキングによって形成される鳳凰烏龍の花やフルーツの香り

鳳凰単叢烏龍の特徴であり最大の魅力は100℃以下の温度で長時間(12時間や24時間など)ベイキングを行うことです。ベイキングと言うと焙じ茶やコーヒーのローストのような「焦げ」をイメージされると思いますが、上手に作られた鳳凰烏龍の場合、100℃以下の低い温度で加熱をすることでお茶の成分をゆっくりと変化・熟成し、フルーツのような甘い香りを形成します。ただし、炭火を使用したベイキングでは温度管理が非常に難しい為、鳳凰鎮でも割と多くの生産者は100℃以上の高温でベイキングを行っております。このベイキング方法は一般的な武夷烏龍の製法と共通します。100℃以上でベイキングした場合、焦げた香りが生じます。ただし、暫く寝かせることで、熟成により焦げ臭さが目立たなくなり、一般的な武夷烏龍に代表される独特の香りを形成します。希ですが、武夷烏龍でも茶師によっては鳳凰単叢烏龍のように100℃以下でベイキングが行われます。近年は電気乾燥機でベイキングを行う生産者も増えておりますが、電気の場合、香りに透明感が無く、また、味にも雑味があるため、私は炭火でのベイキングを指定した特注のお茶を生産して貰っております。

上の写真は清香型(一重火)の鳳凰単叢烏龍

濃香(二重火)とは?

鳳凰烏龍の場合、ベイキングを短めに行い爽やかな香りに仕上げたお茶を清香、或いは、一重火などと呼ばれます。それに対して、2回ベイキングしたり、24時間と長時間ベイキングしたお茶を濃香、或いは、二重火と呼びます。二重火というと、強く焙煎され、焦げているお茶:例えば、日本の焙じ茶、台湾の烏龍茶の炭焙、安渓の鉄観音をイメージされるのではないでしょうか?しかしながら、高度な技術により100℃以下の炭火でベイキングしたお茶は焦げ臭を全く伴いません。ベイキングを24時間もおこなっているにもかかわらず、お茶は透明感有る濃厚なフルーツの香りへと変化します。繰り返しになりますが、鳳凰単叢烏龍茶の甘いフルーツの香りを引き出すには、100℃以下でのベイキングが重要なのです。

二重火による鳳凰単叢烏龍

汕頭人が好む四重火の超濃厚な水仙烏龍を特注

潮州の隣に汕頭という都市があります。実は、汕頭の人々は昔から極めて長い時間ベイキングを行った重焙鳳凰烏龍を好む傾向があります。これは四重火と呼ばれる非常に手間のかかったベイキングスタイルです。ただし、連続してベイキングをすると、水分が減少しすぎるため、1年かけてベイキングと水分の再吸収を交互に行い、3ヶ月毎に合計4回のベイキングが行われます。汕頭向けに良く出るお茶は水仙烏龍の中でも比較的低いグレードの水仙です。高いグレードの水仙は、一重火か二重火で販売され、潮州市内で販売されるのが一般的です。やや低いグレードの水仙で作られた四重火のお茶ですが、飲んで見ると実にに個性的なお茶です。ビンテージ茶のようなとろ〜りとした食感に加え、濃厚な水仙の香りと、口に広がる甘味が特徴的です。四重火の水仙烏龍が非常に個性的で面白いお茶ゆえ、私は敢えて高いグレードの水仙を用い、100℃以下の四重火にて特注の水仙を製作して貰う事にしました。この超重焙の水仙は仕上げるのに一年かかるため、実際に仕入れられるのは来年の今の時期の予定です。もちろん使用する水仙烏龍は老欉です。今から来年が楽しみです!

近将来、蜜蘭香のような香りが華やかな品種を用いた三重火や四重火も実験してみたいと思ってます。

3重火の鳳凰烏龍

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