中国の安渓を訪問しお茶の仕入を行いました。今回は鉄観音の仕上げ方法の打ち合わせと茶園、工場の訪問が主な目的でした。

武夷山、安渓、台湾と烏龍茶が伝播

安渓は厦門の北部に位置する県で、鳳凰鎮と武夷山とならぶ中国の3大烏龍茶生産地の1つです。1706年に崇安県令王梓によって書かれた「茶説」によると、「武夷山の烏龍茶の人気の高まりに伴い、安渓で武夷山の烏龍茶の製法が模倣されている」ことが記載されております。ただ、安渓ではただ模倣したのではなく、包揉(茶葉を粒状に揉捻する方法)のようなオリジナルの加工法の開発、また、鉄観音種のような安渓特有の品種を生み出したり、安渓のお茶は独自の進化を遂げ、現在では中国国内外でも非常に人気のある烏龍茶の産地です。安渓はまた、東南アジアに展開する華僑の故郷の1つでもあり、また、台湾人の多くが安渓出身者を先祖に持ちます。歴史的に、安渓のお茶作りの伝統は閩南民族の移民と共に台湾へと伝播し、それが現在の台湾烏龍茶の基礎となっております。

量を購入する約束と引き替えに低農薬管理を依頼

鉄観音の名称は日本でも非常によく知られており、お茶好きでなくとも名前は知っていると思います。鉄観音はもともとお茶の品種名です。ただ、現在、中国で「鉄観音」というと、鉄観音種を用いて作られる安渓式の烏龍茶を指します。鉄観音は品種特性ゆえに、他品種と同じ条件で栽培された場合、より味に深み(余韻)があり、濃厚な香りが感じられます。当然、鉄観音は日本だけでなく中国でも非常に人気があるお茶で、中でも高級な鉄観音の殆どが中国国内で消費されているのが現状です。中国国内向けが主要な市場と言うこともあり安渓で生産される鉄観音の多くは農薬の管理が緩く、実際に分析を行うと高頻度で日本の規準を上回る農薬が検出されます。中国市場での人気が高い高品質な鉄観音を日本の規準に合うように作ってもらうには、生産者にとってもメリットが無くてはなりません。そこで、私が昨年安渓を訪問した際、まとまった量を購入する事を約束する代わりに、トレーサビリティーを有する超低農薬管理方式を導入するように生産者と交渉しました。日本の農薬基準を満たすお茶を生産して貰うことで本格的に鉄観音の輸入を始めたいと願い、生産者を説得したのでした。

3種類の鉄観音の仕入が決定

今回、3種類のお茶が購買候補とて内定しました。それぞれ、重焙、軽焙、清香タイプ(鉄観音 蘭韻)として販売する予定です。清香タイプに関しては、以前も仕入れていたのですが、生産者がが焙煎を行ったお茶のみに特化してしまったために、代わりとなる品質を探しておりました。今回内定した3種類のお茶の内、最も品質と値段が高いのは清香型の蘭韻になります。その他の2種類のお茶については清香タイプよりも安価なお茶なのですがとても満足の行く品質でした。3種類のサンプルは取り急ぎ、台北のSGSのラボへと送付し、それぞれ457種類の農薬を分析しました。農薬の分析は値段が非常に高い為、HOJOでは国際的にも信頼性の高いドイツ系ラボのSGS台湾法人にて分析を行っております。結果、3つ全てが日本の基準を満たしておりました。農薬はゼロではありませんが、検出値は低く、日本が定める基準を満たしていることから安全と判断し仕入をすることにしました。お茶が入荷するのは1ヶ月くらい先の予定です。

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