文山包種茶を発売しました。文山包種茶は台湾茶を代表するお茶の1つで、茶葉は緩く揉まれ、極めて軽く発酵をすることで甘い花のような香りがするお茶です。多くの専門家は、烏龍茶は生産が最も難しいお茶と評します。それは烏龍茶の酸化度(発酵度)が10-80-%と広く、酸化度の制御がが非常に難しい事に起因します。文山包種茶はその中でも、特に発酵が軽いお茶の1つです。この為、始めて飲む人に、緑茶と勘違いされることもしばしばあります。文山包種茶は非常に強い花の香りと、仄かに緑茶的な香りを伴い、甘く、爽やかな味が特徴です。

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近年非常に多い青海苔のような香りの文山包種茶

文山包種茶と言えば、花や柑橘系の果物のような香りがトレードマークとして知られております。近年、多くの文山包種茶を飲むと青海苔のような香りがすることがあります。事実、台湾の産地で仕入れを行っていても多くの文山包種茶は青海苔のようなやや青臭い香りがします。生産者の多くは、これが文山包種茶の香りだと言い張りますが、私の記憶では昔は多くの文山包種茶が本当に花の香りがしておりました。なぜこのような変化が生じたかという点ですが、乾燥後に熱いまま包装してしまう等、冷却が不十分な為と考えております。本来、お茶は加熱した後は空気を送って冷却する必要があります。熱い状態の茶葉は蒸気を発生するため、茶葉表面が結露し、茶葉は酸化します。文山包種茶が酸化すると、まさに青海苔のような香りがします。近年は海苔の香りがする文山包種茶が非常に多く、私が満足できる香りのお茶は非常に少ないと感じております。そこで、HOJOでは自社にて低温でのベイキングを行うことで、文山包種茶本来の花の香りを再度引き出し、尚かつ、結露しないように即冷却しております。昔ながらの、花のような香りの文山包種茶を是非お楽しみください。

文山包種茶の歴史

文山包種茶は100年以上の歴史を有します。また、台湾の文山地区は最初に烏龍品種の茶樹が植えられた地域と言われております。包種茶の名称は最初、福建省の安渓や福州で用いられておりました。包種という名称の由来は、お茶の包装方法に起因します。1820年頃、安渓のお茶は武夷山の烏龍茶の作り方を模倣して作られておりました。ただ、当時安渓で作られた烏龍茶は、福州へと送られ、そこで花の香りを吸わせ、フレーバー烏龍茶として売られておりました。このお茶は、紙に包まれ、長方形の箱状のパッケージで販売されていたことから、包種茶と呼ばれておりました。中国語で包種は「パッケージの種類」という意味合いがあります。1873年には台湾の文山地区で烏龍茶が作られるようになりました。当時、世界経済は芳しくなかったことから、お茶市場も景気が悪く、加え、台湾茶の値段が高かった事から、台湾の貿易商人は台湾製の烏龍茶を買おうとせず、その結果、大量の売れ残りの在庫が積み上がりました。この状況を打破するため、台湾の生産者は当時、売れ残った烏龍茶を福建省へと送ることで花による着香を行い、そのお茶はフレーバー茶として東南アジアにて販売されました。安渓産の包種茶と同じく、台湾のフレーバー烏龍茶も紙で包まれていたことから、包種茶という名称で呼ばれました。1881年になると、福建省から茶師を台湾へと招聘し、台湾国内にて、フレーバー茶が生産され、同じく東南アジアで販売されてました。1885年以降、更に、包種茶の品質や加工方法を改善するための研究努力が行われました。その結果、微発酵技術が開発され、自然な甘い花の香りを引き出すことに成功しました。現在は紙の袋に初摘まれておりませんが、当時の名称を踏襲し、今も包種茶(文山包種茶)と呼ばれております。

文山包種茶の生産地域と品種

文山包種茶の主要な生産地域は、台湾の新北市の文山区の坪林郷周辺に分布しております。この地域は比較的台北から近く、標高は600-800m程です。主な品種は青心烏龍であり、深みのある香りが特徴です。栽培品種は青心烏龍です。

文山包種茶の加工詳細

文山包種茶は台湾の烏龍茶の中でも最も発酵度が低いお茶であり、軽めに揉むことで作られます。この事から、多くの人は生産が比較的簡単であると考えがちですが、実際はその逆です。発酵度が低いため、非常に正確に発酵を制御する必要があり、その為には茶葉の形状を均質にする必要があるため、茶摘みの段階から入念な管理が必要になります。

1.茶摘み

文山包種茶の茶摘みは4月の上旬位がシーズンです。通常、1芯2-3葉の茶葉が手で摘まれます。茶摘み中や輸送中に茶葉に傷がつくと、意図せず発酵が始まり、文山包種茶特有の花のような香りを引き出すことが出来ません。したがって、茶葉の取り扱いは非常に慎重に行う必要があります。HOJOでは春茶のみを仕入れております。

2.屋外萎凋

茶葉は薄くシートの上に広げられ、天気の日は10-20分、曇りの日は30-40分の日光萎凋が行われます。この間、茶葉の温度は30-35℃に維持する必要があります。40℃を超えると茶葉が熱によって劣化します。この工程の目的は茶葉の水分を減らし、その後の工程で発酵がしやすい状態にすることです。

3.室内萎凋

理想的な酵素反応に必要な環境は室温23-25℃程度で相対湿度が70-80%です。屋外での日光萎凋を終えた茶葉は、竹のござのうえに広げられ、手作業により茶葉を穏やかに攪拌する作業が行われます。この作業による摩擦等で茶葉の縁には微細な傷がつき、それにより、茶葉に含まれるポリフェノール類と酵素が触れ酸化が始まります。攪拌作業の後、茶葉は竹のシートに静置され、発酵を促進します。一見すると簡単な作業ですが、茶葉を均質に攪拌し、発酵のレベルを正確に制御するのは非常に高い技術を要します。攪拌が強すぎた場合、茶葉の縁は赤く変色し、花の香りが弱まり、同時に渋味を呈します。また、攪拌が弱すぎた場合、茶葉は水分を蒸発しつづけるため、発酵が不十分となり、青臭い香りが際立ちます。攪拌作業は非常に穏やか且つ、効果的に行う必要があり、熟練の技術を必要とします。

4.殺青

お茶が十分に発酵した時点でお茶はステンレス製のドラムにて140-160℃で加熱されます。この工程は茶葉含まれる余分な水分を蒸発させると同時に、熱によって酵素を失活させ、さらに、茶葉を柔らかくする目的があります。茶葉がこげない範囲であれば、出来るだけ高い温度で熱処理するほど、出来上がったお茶は、よりフローラルでノイズのない透明感のある香りになります。温度が低過ぎたり、加熱時間が不十分な場合、残存する酵素が活性化するために、お茶が不透明になり、発酵が進みすぎることで香りが弱く、舌に不快感を伴う渋みが生じます。逆に加熱をし過ぎた場合、茶葉の水分が無くなるため、加熱温度が100℃を超え、その結果焦げが生じたり、茶葉に含まれるお茶の粉が増加します。また同時に熱の影響で香りの弱い お茶になります。

5.揉捻

揉捻は軽めの圧力で行います。揉捻をする事で茶葉をコンパクトにし、同時に細胞に微細な傷をつけ、お茶をいれたときにお茶が抽出されやすくします。

6.乾燥

揉捻が完了した茶葉は乾燥され水分を5%前後に調整されます。乾燥は100-105 degree C で 25-30分の場合や、2段階の乾燥で最初に105-115℃で10分、次いで85-95℃で40-60分などの方法で行われます。処理量によってパラメーターが変化します。

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