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お茶の値段というものは同じ銘柄でも数百倍の開きがあるのはごく一般的です。例えば、台湾の高山茶で品評会にて高く評価された茶葉などは1kg数十万円で取引されます。ところが、世の中には凄い人もいるもので、豊かな人は品評会で入賞したロットをそのまま全量買い取ってしまい、自宅で1年間飲む事を一種のステイタスとしております。1ロット数十キロになる訳なので、1千万円を超える金額になります。
但し、全ての優れたお茶が品評会に出るわけではありません。品評会で賞を取れば良い値段が付きますが、その農家が作っているお茶の全てが入賞・入選する訳ではありません。また、毎年良いお茶が出来るわけでもありません。その為、入賞クラスの腕の良い農家になると、お茶会社からオファーがあります。つまり、品評会に出さない代わりに、お茶会社が「どのお茶も市場価格より高めの、ある一定の値段で買い取るという契約」を締結するのです。農家で生産されたお茶は、最高級品からダストに至るまで契約先のお茶会社へ売り渡されます。農家にとってはこの方が計画的な生産が出来、また、翌年の生活が保障されるためとても嬉しい話しなのです。勿論、年間を通じ、茶園からは良いお茶も悪いお茶もできます。当然、春冬には良いお茶が、夏場には低品質のおお茶が出来ます。それらの要素を考慮に入れ、値段設定が行われます。つまり、それぞれのグレードのお茶がどの程度の数量、生産されるか事前にシュミレーションすることで価格が計算され、オファーされるのです。ただ、値段交渉は前年度に行われます。実際に作ってみたら、前年度よりも品質が劣る場合もあるし、逆に品質が良い場合もあります。品質が良ければ、お茶会社は嬉しく思い、逆に品質が目標より低い場合、農家では翌年の契約解消の不安に曝されます。
これは台湾の典型的なお茶の委託栽培のシステムですが、他の国々でも類似の仕組みがあります。腕に自信のある職人は、品評会で名を売り、その後、安定的な契約を実現するという点でとても合理的な仕組みです。
時々、お茶の専門店を覗くと、品評会グレード、入賞品と賞する製品を見かけます。勿論、それらは高い品質であることは間違いありませんが、それらがベストとは限りません。上記の契約の仕組みがあることで、実際には、市場に流通しているお茶でもそれ以上に良いお茶が山のようにあると言う事実を理解することが重要です。
次に重要になるのが、買い手側のお茶を評価する能力です。品評会(オークション)で順位や価格がついたお茶の場合、客観的にグレードが評価されているため、買い手が品質評価の能力が無くても、お金さえ出せば、ある程度高い品質を買うことが出来ます。但し、非常に割高な買い物となります。私の場合、極めて高級なお茶を、「少し高いですねえ」と言われる程度の価格で市場に提供するため、オークションを通さず、直接品質を評価する方法を採用しております。その為、自分自身の持つ品質の評価能力はブランドの品質を維持する上で重要な要素です。私がどの様に品質を評価しているか、その方法は随時改善され、変わっております。ただ、徐々に自分の標準的な方法を確立しつつあります。次回はその方法に関し説明します。

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