珍キャメロン物語 6話

[2007.06.04] Posted By

Baharatの茶園にて、18歳がどうしても見たかったものが有りました。

それは、東方美人やダージリン2ndフラッシュのマスカテルフレーバーを作り出す真の主役、緑のウンカでした。
緑色をしているウンカは、英語では俗語としてGreen Flyと呼ばれます。18歳は、これまで何度も話しに聞いていた、グリーンフライをどうしても自分の目で見てみたかったのです。
グリーンフライは国にあまり関係なく、実は何処の茶園にもおります。但し、消毒を重点的に行っている茶園には殆どおりません。その為、グリーンフライを見つけようと思ったら、地面に草が生え茂り、あまり木の勢いが良くない場所を探さねばなりません。
グリーンフライの場合、非常にシャイなのに加え、動きが細やかで早いため、動きの遅い18歳にはなかなか見つけられませんでした。それでも、茶園を歩き回り、探す事5分、遂に念願のグリーンフライを見つけるこつを掴んだようです。
併せ、グリーンフライに吸われ、色が黄色く変色した茶葉も教えてあげました。実はキャメロンハイランドであってもお茶の育て方によっては、グリーンフライを大量発生させ、ダーリジン雇う褒美人のようなマスカテルフレーバー(蜜香)を作り出す事も可能なのです。ただ現実的には、そのような取り組みは行われていないし、仮に行われたとしても、「売る事が出来ない」為、淘汰されてしまうでしょう。
因みに、キャメロンハイランドのお茶の品質はどうなのでしょう?
私は以下のように考察しております。
マレーシアのような熱帯雨林地域にある茶園の場合、標高が高くても昼夜の温度差があまりありません。この点はダージリンや台湾の高山茶の生育環境と大きく異なります。
昼夜の温度差は、お茶に限らず、野菜・果物を美味しくするために欠かす事の出来ない要素です。
何故かというと、
昼間お日様の光を吸収した植物は沢山のエネルギー及び、様々な物質を作り出します。
夜が非常に寒い場合、植物は殆ど活動しません。昼間につくられた物質の数々は、そのまま温存され、それが日々繰り返される事で非常に濃い味・強い香りが形成されるのです。
夜が温かい場合は?
温かければ植物も活発に活動します。生物学で言う「呼吸」です。
この結果、昼間に作られたエネルギーや物質はどんどん消費され、植物はより大きく伸びます。
が、その結果として、甘みが少なく、味が薄くなります。
同様の現象が、お茶だけでなくキャメロンハイランド製の果物にも見られます。
昼夜の温度差が少ないキャメロン産のイチゴやオレンジは今一甘みや香りに欠けます。
次に、品種管理に関してです。
お茶には色んな品種があります。
りんごに「ふじ」、「王林」、「紅玉」、「津軽」、「ジョナゴールド」等々のような様々な品種が有るように、お茶にも色んな品種があります。異なる品種は、異なる味・香りがします。
このため、高品質のお茶を作り出す茶園では、品種を厳格に管理しております。
ところが、キャメロンハイランドの場合、品種は管理されておりません。アッサム種や中国系の品種(烏龍種等)が混在しており、収穫はまとめて行われ、工場内で自然的に混合されます。このため、品質には大きなばらつきがあります。
3つ目に、作り方に関してです。
紅茶を作る上で一番大切なプロセスは「萎凋」、英語でWitheringと呼ばれる工程です。風を送り、茶葉をしおれさせる事で、茶葉内の酵素を活性化し、甘い香りと味を作り出します。
ダージリンでは「萎凋を制する者は、お茶作りを制する」と言われているほど萎凋は重要です。
ダージリンティの萎凋は、非常に丁寧に行われ、茶葉は5cm~10cm程度と、非常に薄い層に積まれます。それに対し、キャメロンティの場合、効率化(品質を犠牲にした効率化)を図るため、萎凋漕には茶葉が50cm位の厚みに積まれます。このため、茶葉は萎凋中に蒸れ、ダージリンのような優れた香りは決して作られる事がありません。
更に、加工法ですが、これはイギリス時代に開発された、「セミオーソドックス製法」という方法が用いられております。この方法は量産のための方法です。作り方の詳細に関しては、BOH TEAの工場について書いたついでに説明したいと思います。
結論として、キャメロンティはセイロンティー(スリランカ)と非常に類似しております。作り方、品種の管理、環境、どれも非常にそっくりで、何と労働者もスリランカから輸入しているそうです。
私のような高級茶マニアから見ると非常に低い品質のお茶ですが、レモンティーやミルクティーにはとても適しており、巨大なマーケット需要を満たしております。
続く・・
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ライさんから現場教育を受けている18歳。
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 18歳は途中からグリーンフライ探しに夢中になりました。
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そして遂に見つけました。インドや台湾にいたのと全く同じ種類のウンカでした。
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グリーンフライを見つけた18歳の自信満々のポーズです!
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熱源に薪を使っているため、工場からはもくもくと煙が出ておりました。

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