プーアル茶の仕入れ中、雲南省の无量山で遭難の危機に!

[2010.11.25] Posted By
今年雲南省を旅行していた時、プーアル生茶の買い付けで勐庫へ行った帰りの出来事でした。
勐庫は、雲南省の南西部、无量山麓に位置しており、本来であればプーアルの街から車で5-6時間の距離です。
ところが、山間部での相次ぐ渋滞により、そこへ到着するのに2-3日の時間を費やしてしまいました。
当初の予定では勐庫で連泊するはずだったのですが、累積したロスタイムゆえに、日帰りの予定に変更しました。
勐庫の周辺は道という道がダイナマイトで爆破されており、進むことも、戻ることも出来ない状況が至るところで発生しておりました。
この為、出来るだけ早くにこの街を脱出しないことには、再び2-3日間の缶詰状態が予想されます。
そんなわけで手早く商談を終え、バス停に夕方4時には戻ってきました。ところが、バスを探したところ、既に出てしまっており、バスがありません。
これは一大事です!
しかし、中国の場合、バスが出てしまっても様々な移動手段があります。代表的なのは、乗り合いタクシーです。乗り合いタクシーの場合、通常、ドライバーもしくは、エイジェントがバス停でバスに漏れた客を勧誘しております。同じ方面に行くお客さんが複数いた場合、費用を頭数で割ります。従って、最大定員が確保できた場合、値段はバスと殆ど変わらないか、やや高い程度です。そんな乗り合いタクシーですが、悲しいことに他に乗り合わせる人が全くおりませんでした。
24時間以上の猛烈な渋滞が至る所で発生しているために、隣の町に行こうとする人すらおりません。
仕方なく、私達は、乗り合いタクシーを一台チャーターしました。このタクシーの運転手は、ワー族という少数民族でした。タクシーで30分も進むと、いきなり渋滞に巻き込まれました。情報によると、夜中の12時まで動かないと言います。更に、この渋滞を抜けても、次々に別の渋滞があり、隣町に抜けるには最低でも12時間は要すると言われました。
困っていたところ、タクシーの運転手が凄い助言をしてきました。
彼は、地元出身の少数民族と言うこともあり、地元の人しか知らない山道を知っているというのです。
但し、道のコンディションは非常に悪く、「彼としても暫く通った事が無い」そうです。
私達はこの道にかけることにしました。もし上手くいけば、12-20時間の渋滞をバイパスすることが出来るためです。
その道は、どんどん山の方へと向かい、気がつけば雲南省特有の段々畑が眼下に見える、「強烈な崖っぷち」を走っておりました。勿論、道は舗装されておりません。
それでも最初の内は、素晴らしい景色に見とれ、私は写真を撮ったりと、とても喜んでおりました。しかし、状況は次第にエクストリームになっていきました。
気がつけば、対向車が全くありません。しかも、周り数キロを一望できるのですが、私達以外に全く他の車がありません。理由を聞くと、「道が非常に危険であるために誰も通りたがらない」そうです。
辺りは暗くなり、同時に道のコンディションもどんどん悪化の一途をたどり、気が付けば道の状態はどう見ても「河原」のような状態へと変わっていきました。それもそのはず、雨が降ると水が道を流れ、道には50cm位のうねりが出来ておりました。前10mが見えないほどに道はうねっており、もはや道ではありませんでした。気分は「モーグルスキー」でした。
更に進むと、道が田んぼのようにぬかるんでおり、車は激しく横滑りを始めました。ふと窓から横を見ると、眼下には数百メートル下の谷底が見えます。偶にタイヤが道からはみ出し、まるでラリーカーに乗っているようで、もはや、生きた心地がしませんでした。
その様な状態が暫く続いた後、車はタイヤがスリップして前に進めなくなりました。
そこで、運転手が発した言葉は「ここで止まりましょう」でした。止まると言われても、そこは2-3千メートルクラスの山の上、しかも、高山ゆえに温度は3℃位、更に、周りには家もなければ、明かりもありません。更に、戻ることも出来ない状況でした。
私達は、「押します!」と言って車から降り、必死で押しました。まるで田んぼでトラクターを押しているような状況でした。その後、何とか車のタイヤが引っかかり前に動き出しました。このような鬼門は何カ所もあり、それらを何とか超え、数時間後には奇跡的に次の街へ続く道に出ました。
その瞬間、運転手は物凄い大声で、歓声を上げ、ガッツポーズをし、大興奮でした。地元出身の少数民族運転手ですら、自信がなかったようです。
この勇敢で無鉄砲な運転手のお陰で、2日のロスをすることなく次の目的地に進むことが出来ました。
勿論、この運転手には夕食を御馳走し、お礼も差し上げました。運転手は自分のやり遂げた業績とお礼に大喜びでした。
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无量山の山々
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右上に見えるのが今回走った林道です。このような道を数時間走りました。写真からも分かる通り、ちょっとでも脱輪したら、そのまま下までノンストップです。線のように見えているのは、全て段々畑です。段々畑というと、日本独特の農耕様式と思われがちですが、雲南省の段々畑はまるでステッカーのようです。
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