岐阜県、春日煎茶の仕入れ

[2012.06.15] Written By

昨日、春日に出張し、緑茶の仕入れをしてきました。春日は大垣から北上します。長野からですと、車で2時間半、ドライブにもちょうど良い距離です。
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今年はシーズン前の雨が少なかったことから、お茶の出来が良かったです。ミネラルとポリフェノールが豊富で味の濃いお茶に仕上がっておりました。また、昨年と比べると、製茶技術、茶摘み技術も向上しており、雑味のないスッキリとした香りに仕上がっておりました。
味が濃く、中国、台湾、インドで高品質と言われるようなお茶を作るためには、茶園管理がとても重要です。窒素肥料を全く与えず、また、お茶摘みが終わったら出来るだけ早い時期に、極浅く枝刈りを行うことが理想です。
枝刈りとは、お茶の木の高さを揃えることで、機械によるお茶摘みをやり易くするのが目的です。ただ、枝刈りの一番大切な目的は、枝の形成です。味の濃いミネラルの豊富なお茶を作るためには、出来るだけ高い位置で枝刈りをすることで、爪楊枝のような極細の枝が出来ます。逆に深く枝を切ると、その語勢いよく芽が出てくるために、太い枝と大きく、ごわごわした茶葉が出来ます。このようなお茶は味が薄く、余韻がありません。
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現在は黄色の葉と緑の葉の割合が3:7くらいです。これが将来7:3になってくると品質が劇的に上がります。

このような栽培法は宇治茶の生産地域でも見られ、逆に静岡では殆ど見られません。春日のお茶は京都の影響を強く受けているように思います。
極めて細い枝が揃ってくると、お茶の成長はとても遅くなり、茶葉のサイズも小さくなり、そして葉の色が黄色くなります。このようなお茶は触ると、茎が丈夫で、弾力があり、茶葉を構成する細胞が小さく密であるため、揉んでも茶葉が折れません。お茶を淹れた際には、茶葉は素早く膨らみ、まるで摘みたての葉のような質感に戻ります。
逆に、窒素肥料を多く与え、深く剪定して育てたお茶の場合、成長が早すぎるために細胞のサイズが大きくなり、その結果、水分が少なく、揉んだときに細胞壁が折れるため、お茶を淹れた際に茶葉の戻りが悪く、茶葉のシワが何時までも目立ちます。日本にあるお茶の殆どがこの方法で作られております。
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喉越しが強くて美味しいお茶は、右のように黄色い葉をしております。
私のお茶は春日の特定の農家からのみ、購入しております。今回は今後のお茶の栽培方針についても、時間をかけて話し合うことが出来ました。私が理想とするような黄色く・小さな茶葉、極細の枝になるような作りかた、そして窒素肥料を決して入れない点等、色々な管理項目について茶園で打ち合わせを行いました。
今年のお茶は出来が良いため、異物だけ除去した上で販売しても良いのですが、梅雨の時期と言うこともあるので念には念を入れて、極僅かな火を入れようと思います。今から静岡の製茶会社に送り仕上げを行う予定ですので、多分今月中には発売できそうです。

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