文平窯　清水謙氏

佐渡相川金山でよく知られる佐渡島ですが、金山は金だけでなくミネラル分を多量に含む良質の朱泥も産出することをご存じしょうか？ 佐渡産の朱泥は無名異と呼ばれ、その性質が非常に宜興の朱泥に似ていることから、その昔、宜興の茶壺がとても高価だった時代には、佐渡の無名異土を使用し、宜興の茶壺の写しが制作されておりました。   HOJOでは、この土を還元することで、還元鉄による緑茶にあった味わいとコクを求めました。作家と共に試行錯誤することで、一度赤く焼き上げた朱泥急須を再度蒸し焼きにすることで、表面を還元することに成功しました。広がりのあるボディと、余韻を両立したバランスの良い土です。あらゆる種類のお茶との相性がよいため、非常に使い易い土です。

無名異焼の特徴は、土の性能だけではなく、「生磨き」と呼ばれる技法が未だに用いられていることです。この手法は宜興を起源としますが、急須の表面をへらや石で押しながら磨くことで、土を締め、表面を絹の様になめらかに仕上げます。
この作業は、繰り返し行う必要があり、非常に手間がかかるため、私が知るかぎり、現在では佐渡を残すのみとなり、他の急須産地では行われておりません。
HOJOでは天然土100%の土にこだわっております。清水 謙氏との試行錯誤を通じて最適な土を選び、ブレンド比を検討し、また、焼き方を検討することで、お茶に対して最適な素材にこだわりました。HOJOで紹介する朱泥急須は清水謙氏の定番商品とは全く異なる仕様の土、及び焼き方にて作られております。

作家の伝統工芸技術と私のお茶へのこだわりが融合することで、他では入手できない特別仕様の急須をお届けいたします。

1日に数個しか仕上げられない伝統の生磨き手法

 

私達の店舗でも後手の茶壺は常に人気があります。
もっと沢山の種類を紹介出来ればよいのですが、作家が仕上げることの出来る量には限界があります。
なぜなら、表面がツルツルの急須は全て手作業による「生磨き」が行われているからです。生磨きとは、轆轤引きが終わった急須を一定期間乾燥した後、手作業により表面を押し、土を締めてゆきます。
一度締め終わった急須は乾燥し、再び生磨きが行われます。これにより土の密度が上がり、引き締まったソリッドな仕上がりになります。生磨きゆえに、持ち手や注ぎ口が、まるで木の枝が生えているかのように自然に仕上がります。
この手作業による生磨き工程は中国の宜興から伝わりました。中国宜興の茶壺（急須）同じく生磨きで仕上げが行われます。現在、日本国内で手作業による生磨きを昔のままのやり方でやっているのは私が知る限り佐渡島だけです。
以下、清水謙氏に生磨きの実演をして貰いましたのでご覧ください。使用している土は「野坂」です。

清水謙氏　轆轤実演

HOJOでは、高い性能を求め特注にて茶器の制作を行っております。

無名異焼の詳細はこちら＞＞

 

HOJOではお「茶を美味しく飲む」為の茶器選びをしております。
一般的にデザインや作家の名前が先行しがちな茶器選びですが、HOJOでは、茶器のお茶に対する性能に着目し、土の選定、焼き方に至るまで、各作家とのコラボレーションにより、オリジナルの茶器を制作販売しております。HOJOの茶器は、その独特のセレクションと素材の性能ゆえに、ヨーロッパをを初め海外にも多くの利用者がおります。

良い素材から作られた茶器は、鉄イオンを初めとする、ミネラルイオンをお茶や水の中へと放出することで水の品質そのものを変えます。実際に比較すると、ガラスや白磁の急須で淹れたお茶とは比にならない厚みのある味となります。

「美味しく感じられる」、｢豊かな味」とは何かというと、「喉韻」或いは「回甘」と呼ばれる感覚を指します。
良い素材の茶器は、お茶の味や水をより豊で、奥深く、円やかな味に変えます。お茶の場合、香りがよりシャープに感じられ、お茶のボディが強まり、香りと甘みが喉の周りに何時までも残ります。

 

このような変化は体験されてない方にはなかなか信じられないかと思います。但し、実際に試飲をして頂くとその差は非常に顕著であり、実際に体験された多くのお客様が驚き、興奮されます。
私達の舌には味蕾細胞と言って味を感じる細胞があります。実は、舌だけではなく、味を感じることの出来る細胞は喉にもあります。
この喉に位置する細胞は、味の種類を感じ取るのではなく、味の質、つまり、味の奥深さ、ミネラルによる後味を感じ取ります。
優れた素材で作られた急須は、水をさっと通すだけで、その味を変化し、美味しくしますが、この「美味しい」とは、喉にある味覚細胞が反応することを意味します。

使いやすさですが、私が特に重要視するのは、水が流れる速度です。
早く流れれば流れる程良い急須と定義しております。但し、本ページで販売する急須は全て手作りゆえ、流速には製品による個体差があります。
水の流れ具合に関して非常に気にされるお客様、或いは、より詳細な情報が必要なお客様には追加情報や写真をメールにてお送りいたします。遠慮無くお申し付けください。

上記の品質基準を満たすため弊店では各作家にお願いし、HOJO専用の土の選定、ブレンド方法、焼き方、デザインを指定した上で制作して頂いております。
急須づくりのプロである作家さんと頻繁に打ち合わせを行うことで、私自身も含め、お茶好きの人に喜ばれる急須、道具として優れた急須を開発出来る様に努力しております。

無名異焼の詳細はこちら＞＞

以下、現在在庫にあるモデルです。各モデルは1個しか有りません。完全手作りですので、2つと同じデザインは入手できません。

無名異　還元焼急須

 

還元焼成とは酸素不足の状態で不完全燃焼している状態を指します。 蒸し焼き、不完全燃焼なども、同様の意味です。不完全燃焼している炎は酸素不足から、茶器のミネラルを還元します。 元々黄色〜赤色をしている無名異の赤土には20-30％の酸化鉄が含まれておりますが、これらが還元されることで、黒い還元鉄へと変化します。 佐茶器全般に言えることとして、還元焼きをした場合、味が非常に円やかになる傾向があります。 尚、本シ渡無名異焼では、酸化焼成による赤い色の急須が一般的であり、還元焼成は殆ど見られませんでした。 但し、茶リーズは使用する土、焼成温度、還元焼成による焼き方等を特別注文にて制作して頂いており、他では入手が出来ないオリジナルの作品です。

以下、佐渡島に眠る天然赤土の採掘現場

無名異還元焼き横手急須

XMR232 清水謙　無名異還元焼急須　90ml　紙箱入り　11,500円(税込み） 売り切れ		XMR233 清水謙　無名異還元焼急須　100ml　紙箱入り　11,500円(税込み） 売り切れ
XMR234 清水謙　無名異還元焼急須　250ml　紙箱入り　12,400円(税込み） 売り切れ		XMR235 清水謙　無名異還元焼急須　90ml　紙箱入り　11,500円(税込み） 売り切れ

無名異還元焼き 生磨き急須(茶壺）

XMR206 清水謙　無名異還元焼急須　180ml　紙箱入り　16,500円(税込み） 売り切れ		XMR207 清水謙　無名異還元焼急須　130ml　紙箱入り　16,500円(税込み） 売り切れ
XMR208 清水謙　無名異還元焼急須　180ml　紙箱入り　16,500円(税込み） 売り切れ		XMR209 清水謙　無名異還元焼急須　120ml　紙箱入り　16,500円(税込み） 売り切れ
XMR210 清水謙　無名異還元焼急須　260ml　紙箱入り　16,500円(税込み） 売り切れ		XMR211 清水謙　無名異還元焼急須　120ml　紙箱入り　16,500円(税込み） 売り切れ
XMR212 清水謙　無名異還元焼急須　160ml　紙箱入り　16,500円(税込み） 売り切れ		XMR213 清水謙　無名異還元焼急須　190ml　紙箱入り　16,500円(税込み） 売り切れ
XMR214 清水謙　無名異還元焼急須　230ml　紙箱入り　16,500円(税込み） 売り切れ		XMR230 清水謙　無名異還元焼急須　230ml　紙箱入り　16,500円(税込み） 売り切れ

宝瓶を使ったお茶の淹れ方を紹介したビデオです。再生マークをクリックしてみてください。 画面サイズは拡大できますので見やすい大きさに調節してご覧ください。

 

宝瓶を使った鳳凰単叢烏龍茶の淹れ方		宝瓶を使った煎茶の淹れ方
宝瓶を使った台湾烏龍茶の淹れ方

無名異土　還元焼き　

XMR200 清水謙　無名異還元焼宝瓶　100ml　紙箱入り　15,300円(税込み） 売り切れ		XMR201 清水謙　無名異還元焼宝瓶　140ml　紙箱入り　15,300円(税込み） 売り切れ
XMR204 清水謙　無名異還元焼宝瓶　100ml　紙箱入り　15,300円(税込み） 売り切れ		XMR205 清水謙　無名異還元焼宝瓶　140ml　紙箱入り　15,300円(税込み） 売り切れ
XMR231 清水謙　無名異還元焼宝瓶　120ml　紙箱入り　15,300円(税込み） 売り切れ

湯冷まし・茶海

湯冷ましとしても、茶海としても使えるようなデザインです。コーヒーのミルク入れとして使うと、ミルクのコクが増し、美味しくなります。

XB804 清水謙　無名異還元焼　湯冷まし・茶海（生磨き）　250ml　紙箱入り　12,000円(税込み） 売り切れ		XB805 清水謙　無名異還元焼　湯冷まし・茶海（生磨き）　250ml　紙箱入り　12,000円(税込み） 売り切れ