意外と知らない、美味しいお茶を淹れるための水の知識

[2006.08.08] Written By

お茶を淹れる水選びは、お茶選びと同じくとても重要です。水を選ぶときのポイントは以下の2つです。

1. お茶を美味しく飲める水
2. 安全であること

湯は沸騰しすぎたら本当に美味しくなくなるのか?

一般的にお茶に適している水は「沸騰直後の湯」とあります。多くの説明によると、長時間沸騰した水は美味しくないそうです。
何故なのでしょう?水を煮沸することで、水中に含まれるカルシウムを初めとするミネラルが結晶化します。結晶化すると言うことは、今までイオンとして水に溶けていたミネラルが固体へと変化し、水に溶けられなくなることです。その為、水の硬度が下がり、より軟水になると理解しております。

沸騰し続けたらどうなるのでしょうか?この場合、水は更に蒸発し、水に対するミネラルの割合が増えていきます。加熱により全てのミネラルが結晶になるわけではなく、ミネラルの種類によっては水に溶けた状態で残っております。その為、煮沸を続けることで水が蒸発し、ミネラルが濃縮されます。但し、元の水の総ミネラル含有量が少ない場合、濃縮されたとしてもしれており、むしろ、コクが増して美味しくなる場合もあります。

カルシウムが結晶として析出する理由

「何故カルシウムが結晶になるか?」という疑問をもたれるのではないでしょうか?
カルシウムと言っても、水の中では「炭酸水素カルシウム」で存在します。この物質は加熱されることにより、①炭酸カルシウム、②水、③炭酸に分解されます。

因みに、①の炭酸カルシウム(CaCO3)はドイツ語でKalk(カルク)と言います。そうです!この言葉がカルキの語源なのです。「カルキ臭い」のカルキ炭酸カルシウムを指しているのです。でも、何処でどう間違ったのか、現在ではカルキ=塩素の意味で用いられております。一部のミネラル、特にヨーロッパの硬水は「永久硬水」と呼ばれ「ミネラル」は「炭酸」ではなく「硫酸」と結合しております。これらのミネラルは加熱しても蒸発することはなく、むしろミネラルが濃縮されるため硬度が更に上昇します。

安全な水とは

次に水道水を安全に飲むにはどうするべきか説明いたします。日本の水には大量の塩素が含まれております。一部の塩素は水中の有機成分と反応することで、トリハロメタンを初めとする有機塩素化合物へと変化します。
これらの有機塩素化合物には発ガン性が報告されており、水を飲む前に除去しなければなりません。
沸騰すれば塩素は揮発すると言う説もありますが、塩素化合物は5分程度の沸騰では除去することが出来ません。それどころか、沸騰直後は温度の上昇に伴い塩素の反応性が更に増加し、益々多くの有機塩素化合物が生成されると言われております。
実際、有機塩素化合物を完全に除去するためには、20-30分の煮沸が必要と言われております。ただ、私自身実際のデータを見たことがないので、20-30分の煮沸で本当に塩素が無くなるかどうかについては定かではありません。

毎日、摂取しつづける水なだけに、僅かな有害物質が含まれているだけでも日々の蓄積により体に与える害は計りしれません。現実的に沸騰で塩素化合物を除去するのには無理があります。お茶に限らず、飲料水や料理に使用する水は浄水器で処理したものを用いてください。

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