珍キャメロン物語 7話

[2007.06.05] Posted By

私たち一行はBaharat Teaを後にし、BOH TEAのエステートへと向かいました。

BOH TEAと言えばマレーシアを代表するお茶のメーカーであり、ブランドです。
植民地時代に、キャメロンハイランドの土地を手に入れたラッキーなイギリス人(確かラッセルさん)一族により経営されております。
ただ、現実は、会社組織の隅から隅、上から下までがインド人により占められる、インド人の、インド人による、インド人のための、BOH TEAエステートとなっております。
エステートはBaharat Teaから車で走る事15分程度の距離にあります。Baharat Teaと比べると、100-300mほど標高が高く、茶園が道路沿いに無い分環境は優れていると言えます。
茶葉の状態を見る限りは、農薬や化学肥料を用いた栽培方法が採用されており、その御陰で茶葉はどれも青々としておりました。
BOHの場合も、Baharatと同じく、アッサム種と中国種(烏龍系の品種)、更にその中間種であるクローナル種が茶園内に混在しております。但し、標高が高い為か、中国種の割合がBaharatよりは多いようでした。
因みに、マレーシアの茶園では何処も茶摘みは機械で行われます。手摘みは、殆ど行われておりません。
機械摘みの問題点としては、バリカンと同じく、ある高さ以上に伸びた茶葉は、それが何であろうと刈りとってしまいます。事実工場内を見ると、普通の茶葉に加え、30cm近い枝から、雑草まで混入しております。以前、機械摘みをしているあるお茶工場(キャメロンにて)を見学したところ、10cmくらいの巨大な昆虫が茶葉の上を歩き回っており、度肝を抜かれた事がありました。
前回のブログでも説明しましたとおり、紅茶の製造で最も大切なのは萎凋です。何処だけ丁寧に萎凋を行うかで、紅茶の品質が大きく左右されます。
萎凋をする際、茶葉を薄く並べれば並べるほど、良質の紅茶が出来ます。但し、効率ばかりが優先されるため、マレーシアでは概して萎凋が丁寧に行われておりません。
それでも、BOHの工場では、他の茶園よりは丁寧に萎凋が行われているようでした。
私個人の意見としては、キャメロンハイランドの中ではBOHが最も良質の紅茶を作っております。
この理由として、中国種系の茶葉が最も多く、更に、萎凋が比較的に丁寧(そんなに丁寧ではないが)に行われているためだと推察しております。
キャメロンティとインドの紅茶(ダージリンティやアッサムティ)を比較した場合、大きな違いがあります。
それは、お茶の作り方が全く異なります。
ダージリンティーは萎凋後の茶葉を直接、揉捻装置にて揉みます。。揉まれる事で、茶葉からはジュースが染み出し、酵素と反応する事で発酵が開始されます。揉まれた茶葉は静置式のトレー等に広げられ、十分に発酵されます。
この方法はオーソドックスローリング装置(揉捻機)が用いられる事からオーソドックス製法と呼ばれます。
この方法で出来た茶葉は、OP(オレンジペコ:これは品質ではなく茶葉の形状を示す規格です。)と呼ばれ、茶葉は大きめで、よれたような形をしております。高品質茶は皆この方法で作られます。更に、この方法を用いるためには、茶葉の質が良い事が前提であるため、茶葉は手で摘む必要があります。
これに対し、キャメロンティー、セイロンティー、インドネシアジャワティー、ベトナムティーはどう作られるかというと、セミオーソドックス製法という手法が用いられます。
この方法は、かつて安いお茶を大量生産するために、イギリスが開発した方法です。その殆どがオーソドックス製法で作られるダージリンティーですが、更にコストを下げたいという思惑から、次に開発されたのがセイロンティーでした。セミオーソドックス製法は低コストで大量生産をするのに優れており、セイロンティーの殆どがセミオーソドックス製法です。
セミオーソドックス法の場合、萎凋された茶葉をカッターで細かく切り刻みながら、同時に摩擦を加える事で、揉みくちゃにします。更に、ゆっくり攪拌しつつ、茶葉はコンベヤーを流れ、その間に発酵が行われます。全てが自動化されており、少人数でのオペレーションが可能です。但し、この方法では決して高品質のお茶は作れないと、私は信じております。
最も、BOHの場合、オーソドックス法による製法も一部行っており、この方法で作られたお茶は別のブランドで販売されております。
近年、キャメロン産のお茶だけでは、マーケット重要を満たす事が出来ないそうです。このため、キャメロンティーであっても、その数十パーセントはインドネシア等からの輸入茶葉により構成されていると聞きます。
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茶園から見下ろしたBOHの製茶工場。
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BOHの工場正面です。私たちは遅くに行ったため、工場を出たのは私の車が最後でした。
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BOHでは工場が自由に見学できるようになっております。原料は入荷後、まずこの部屋に運び入れられます。赤色の物体が、茶葉を萎凋するための漕です。下から上に向かって風が吹き上げられ、茶葉は数十時間かけて萎れます。
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真ん中変に見えるのがローターヴェインと呼ばれるカッターとクラッシャーを併せたような装置です。クラッシュされた茶葉は手前のコンベヤーに落ち、ゆっくりと進んでいきます。この間、発酵が行われます。
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ローターヴェインを撮影しました。円柱状の筒の中には、カッターが入っており、茶葉を細かく裁断しつつ、グチャグチャに磨り潰していきます。
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BOHの茶園にて、茶摘みの装置を撮影しました。
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18歳とライさんは実際に近くまで行き、装置の仕組みを観察しておりました。
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上に歯があるのが見えますか?このバリカン状の歯が上に出た茶葉を刈りとっていきます。写真からも分かるとおり、雑草なんかも一緒に刈りとられます。
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マネージャーのバンガローです。茶園運営の仕組みも作りも、典型的なイギリススタイルです。
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茶園を散々歩き回った18歳・・・既に体力切れとなり、帰る頃には完全にばてておりました。

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