聞いて吃驚のフクロウの販売術 | お茶の専門店HOJO

店に不思議なデザインのフクロウの急須がありました。萬古焼きなのですが、急須を傾けると小フクロウが穴から飛び出すおかしなデザインが施されておりました。これまで全然売れず、店にずっとあったのですが、最近入社したおばさんの腕で晴れて卒業して行きました。

「何でフクロウなんだ？」
「フクロウは悪い鳥じゃないの？」

と言うお客さんの問いに対し、おばさんは「犬を飼うのは昼間家を守って貰うためです。でも、夜になると犬は寝てしまうでしょう？だからフクロウが必用なのです。フクロウは夜寝ないから、犬の代わりにあなたの家を守ってくれますよ」と説明したところ、「なるほど、筋が通っているなあ。そもそも、鳥は皆良い生き物なんだよなあ」とお客さんは納得し、買ってくださったそうです。
私が思うに、お客さんの購買の有無は、商品の対価に対してどれだけ納得の行く大義名分を与えられるかにより決まります。人によっては、製品に対して次々と欠点を見つけ文句を付けてくる場合があります。ただ、何故文句を言うかというと、興味があるからだと思います。興味がない製品は文句どころか見向きもしません。興味があるにもかかわらず、一部納得のいかない部分がある、或いは買うための大義名分が欲しいから、店員に対して文句を言うわけです。

その辺を良く理解し、適切な説明をすることが出来た場合、お客様は買ってくださるわけです。