• ホーム >
  • お茶ビジネスの運営・記録

「小売業における成功とは何か」というテーマに関し、最近いろいろと考えます。
一般的な小売オーナーの心理として、最初の店の売上げが伸び、業績が上がるにつれ、「次の店舗を作りたい」という望みが生じます。
店舗が一つしかない場合、会社を運営するためのコスト(自分の給料、従業員の給料、レンタル、工場経費)は全て1つの店の売り上げにかかっております。
このため店の売上げは殆ど利益として残ることなく、殆どが「経費」として消えていきます。このため、店は何があっても売り続けることが使命となります。
そのような低利益体質でも、何とか利益を貯蓄し、ある程度の資本となったとき、ビジネスの転換期を迎えることとなります。
多くのビジネスマンは「もう一店舗出したら、最初の店が全てのコストを負担してくれる。もう一店舗出すことで、売上げの多くが利益となり、会社は極めて豊かになるだろう」と考えます。
そして、規模拡大をめざし、2店舗目の設立を計画します。
1店舗目で成功したうえで2店舗目を設立するため、「2店舗目の規模はもっと大きくしたい」と思うのが一般的です。
例えば、私の場合、1店舗目は小さな面積の店を選びました。どの程度売れるか不安だったからです。
ただ、一店舗目がうまくいっている現在、2店舗目はその倍、又は3倍の規模にしたいと思うのはごく自然な心理です。
マレーシアの高級マーケットをターゲットとしている私の会社にとって、2店舗目を設立するとなると、当然KLCC(ツインタワーのあるところ)を狙います。
ガーデン店の3倍の店を建設するとなると、初期投資だけで1000万円は確実に必用になります。
こつこつとためた資金は瞬時に消えますが、それと引き替えに2店舗体勢が整います。「有名なショッピングモールに2店舗も自分の店を持っている」という社会的なステイタスは魅力です。
ところが、専門店の場合、店舗数を増やすことがプラスに作用するとは限りません。
2店舗目を開店すると同時に、私を含めシニアスタッフは新店舗に移動します。大きな固定費の塊である新店舗を軌道にのせるため、猛烈に頑張らねばなりません。
すると・・・
1店舗目のレギュラー客も2店舗目に移動します。更に、1店舗目のサービスの質低下も避けられず、売上げが低下することとなります。
それでも2店舗までであれば何とかフォローするのも可能ですが、更にもう一店舗と言うことになると管理の限界を超えます。
以上のパターンで失敗した会社は世の中に山のようにあります。
物凄く繁盛していた中華料理レストランが、チェーン展開したとたん業績が伸び悩み倒産する。マレーシアでは良く聞く話です。
KLにはシンガポール資本の有名な某ケーキ屋さんがあります。KLではとても名前が知れ渡っており、ケーキが美味しいことから私もよく利用しておりました。
最初の1店舗目の業績は目を見張る物があり、瞬く間に2店舗目、更に5店舗目まで開店しました。
ところが、後に開店した3店舗、立地戦略にミスがあり、週末も閑古鳥が飛び回っておりました。
3店舗の固定費は好業績のはずの2店舗にも重くのしかかり、結果的にキャッシュフローすらままならない状況になっていると思われます。
この結果、シンガポールから輸入していたケーキの料金も支払いが滞ったのか、各店舗のケーキラインアップが激減しました。以前と比べると1割くらいのケーキしかありません。
好業績だったはずの2店舗も品数が減り、まさに負のサイクルに突入です。
私は上記の状況を比較的早期に学習する機会に恵まれました。
2007年より、ハタマスの店舗を皮切りに、One Utama、そしてガーデンの店舗を開店したわけですが、自分が次店舗に移動するたびに、これまで業績の良かった店舗の業績が見る見る悪化するのを身をもって体感しました。
業績を回復するために教育をしようとすると、スタッフが辞めてしまう、放置しておくと、更に悪化すると言った極めて悲劇的な状況に瀕し、一時は「スタッフの給料を支払うために会社をやっているのだろうか?」と思ったときもありました。幸い、私の店舗はミニ店舗だったため、容易に閉店をすることが出来、現在ガーデンの店舗に集中することで再び利益体質へ返り咲きました。
以上の経験から、「今後どの様に業績を伸ばすか?」という課題に関し、以下のように思うようになりました。
1)規模拡大ではなく、販売量の拡大
2)固定費を生む投資は極力避け、固定費は最小限に抑える
つまり、「最小の固定費で最大の効果を出す」というテーマに基づき投資計画を練らねばなりません。
お茶のような専門ショップの場合、店舗数が多くある必用はなく、効果的な広告と質の高いサービス及び製品により、絶対的な信頼性を築き上げる方が大切だと思います。
ブランドが有名になれば、社会的な信頼が増し、それに伴い、お客さんの流れ、卸やコーポレートギフトの引き合いも増えてきます。
また、海外ベースのネットショップの構築や海外展示会への出展により、マレーシア・日本国外への販売も可能となります。これらの方法は、「最小の固定費で最大の効果を生むための第一歩です。
お茶屋を高級ショッピングモールに持っている利点は、社会的に成功しているビジネスマンが多く訪れてくれること。そして、一旦うち解けると、皆親身になってビジネスアドバイスをしてくれることです。
ビジネスの成功者は、常に最小の固定費で最大の効果を出す方法を考えております。それに対し、規模拡大を唱える人は皮肉にもサラリーマン系の人が多いようです。

日本茶(緑茶)、中国紅茶、白茶、プーアル熟茶、プーアル生茶、ジャスミン茶、烏龍茶という厳選された茶葉7種のお試しセット

関連記事 RELATED ARTICLES

お茶に関する最新情報を確実にキャッチするには? SOCIAL NETWORK

1,Twitterをフォローする。2,FaceBookで「いいね!」を押す。3,メールマガジンに登録する。という3つの方法で、お茶に関する最新情報をキャッチすることができます。今すぐ下のツイッターフォローボタンや「いいね!」をクリック!

メールマガジン登録で無料サンプルをもらおう!
メールマガジンにご登録いただくと無料のサンプル茶葉のプレゼントや希少商品の先行購入など様々な特典がございます。ソーシャルメディアの購読だけでなく、メールマガジンへのご登録もお忘れなく!

HOJO TEAオンラインショップNEWS一覧を見る

ジャスミン茶の常識を覆す!プーアル熟茶を使った斬新な味わいの黒ジャスミン茶(黒茉莉茶)
私たちは完成したジャスミン茶を仕入れるのではなく、自分たちで選んだ原料をジャスミン工場に持ち込むことで、オリジナルのジャスミン茶を特注生産しています。これまでにも、プーアル生茶を原料としたプーアルジャスミン茶、古樹銀針( …
中国でもレアな薫香の高級正山小種、奇種伝統式が登場!
正山小種には、松の木を燃やしてお茶の乾燥を行うことで薫香を呈するタイプと、甘く華やかなフルーツ香が特徴のタイプの2系統のお茶があります。それぞれ全く異なる香りがするお茶ですが、一般的にフルーツの香りがする正山小種は高価な …

最新の記事 NEW ARTICLES

ジャスミン茶の常識を覆す!プーアル熟茶を使った斬新な味わいの黒ジャスミン茶(黒茉莉茶)
私たちは完成したジャスミン茶を仕入れるのではなく、自分たちで選んだ原料をジャスミン工場に持ち込むことで、オリジナルのジャスミン茶を特注生産しています。これまでにも、プーアル生茶を原料としたプーアルジャスミン茶、古樹銀針( …
中国でもレアな薫香の高級正山小種、奇種伝統式が登場!
正山小種には、松の木を燃やしてお茶の乾燥を行うことで薫香を呈するタイプと、甘く華やかなフルーツ香が特徴のタイプの2系統のお茶があります。それぞれ全く異なる香りがするお茶ですが、一般的にフルーツの香りがする正山小種は高価な …
プーアル生茶は発酵茶?それとも緑茶?という議論
プーアル茶というと、発酵茶の代表格のように各書籍には書かれております。 プーアル茶は分類的には、黒茶に分類されることから、後発酵茶と定義されている事が一般的です。 しかし、プーアル茶と言ってもプーアル生茶とプーアル熟茶の …
武家寨古樹生茶 2022 秋茶 散茶を発売
  武家寨古樹生茶 散茶 2022の秋摘み茶を発売しました。 https://hojotea.com/item/d116.htm 秋のお茶は、個性がはっきりしており、春茶とはまた違った美味しさがあります。 高山 …
お茶で絶対にやってはいけない2つの保存法
お茶を保存する上で絶対に避けるべき保存方法を2つ紹介します。 冷蔵庫・冷凍庫での保存が劣化に寄与 お茶は冷蔵庫にいれておけば新鮮という印象がありますが、実は冷蔵庫はお茶を急速に劣化する大きな原因の1つです。 冷蔵庫がなぜ …
HOJOのオリジナル茶、プーアルジャスミンパールが入荷
HOJOのオリジナル商品であるプーアルジャスミンパールの新茶が入荷しました。 このお茶はHOJOの商品の中でも、群を抜いて人気のある銘柄ですが、長いこと在庫切れとなっておりました。 未だ試した事の無い人には、是非試して戴 …
知れば納得!お茶摘み時期と品質の関係
お茶のシーズンが始まると、春一番最初に市場に出てくるお茶は非常に高値で取引されます。 日本に限らず、中国緑茶やダージリンでも同じような傾向が観察されます。 お茶愛好家や茶商の中には早摘み=正義と捉える「早摘み原理主義」の …
舘正規氏作の萬古急須と湯飲みを発売
三重県四日市市の無形文化財、舘正規氏の萬古急須と湯飲みが多数入荷しました。 https://hojotea.com/item/banko.htm 萬古急須は、日本茶やプーアル熟茶、ジャスミン茶、各種花茶などと相性が良い土 …
想像以上に奥が深く面白いお茶の焙煎技術
お茶には焙煎という加工法があります。中国茶における焙煎は非常に奥が深いので、少し掘り下げて紹介したいと思います。 尚、焙煎は、中国のお茶業界では烘焙とか、炭焙などの言葉で呼ばれます。 香ばしさを引き出すだけではない焙煎技 …
サツマイモのような甘い香りがする白茶、甜香白牡丹を発売
甜(てんこう)とは甘い香りを指す言葉です。2020年産の白茶を、約2年間無酸素で熟成させ、独特の甘い香りに仕上げました。 雲南省の茶園標高2000mの自然栽培茶産の1芽1葉の茶葉から作られた2019年産の白茶を数年間保存 …

PAGETOP