巨熊に遭遇

[2010.06.09] Posted By

昨日、私の人生最高クラスの恐怖を体験しました。
夕食の前、1時間ほどあったので、散歩をかねて、山奥の渓流にふらりと行くことにしました。
私の家は山の裾に位置しており、車で10分も走れば容易に山奥へ行けます。
実は先日、堰堤の上のプールに巨大なイワナがいるのを発見しました。ただ、そこのイワナは私が投入した餌には見向きもせず悠々と泳いでいたので、今回は、その更に源流部を調査しようと考えておりました。
幸い、林道が山奥まで続いており、歩かずとも、かなり源流部まで行くことが出来ます。
その周辺の川は幅も狭く、本当にチョロチョロと小川が流れているだけです。ただ、イワナに限っては、その様な小川でも30cmオーバーの大物がいることもあるため、「提灯釣り」と言って渓流竿に1m位の超短い仕掛けをくくりつけ川に沿って上流へと向かいました。
夕食の前と言うこともあり、時間は5時半を回っており、辺りは薄暗くなり始めておりました。魚はこのくらいの時間が一番釣れるのですが、同時に野生動物が活性化する時間帯でもあり、人里離れた山奥なだけに注意深く周りを見渡しながら歩きました。
私が山奥に入る場合、通常は熊よけの鈴や爆竹、ロケット花火などを常時携帯しております。但し、今回はほんの短時間しか釣りをする気がなかったため、迂闊にも非携帯でした。
川を数十メートル上ったところに堰堤があり、小さな滝壺がありました。ある程度期待して、そこに糸を垂れたのですが、何のあたりもありませんでした。それより上は、堰堤になっており、その上に行くには堰堤横のスロープを迂回して、登らねばなりません。
堰堤横を登ろうとしたとき、足跡があることに気がつきました。
そのときは、魚のことばかり考えていたため、先駆者の足跡と考えており、「こんな所まで釣り人が来ているとは?!」と驚きつつ、更に観察を続けました。
堰堤までよじ登り、その奥がどうなっているのか見届けようと思ったので、その坂を上り堰堤上に立ちました。
堰堤は下から見るとコンクリートの壁ですが、登るとその上には砂が大量に堆積しており、堰堤と地面との差は1m程度でした。
堰堤上に立つと、その直ぐ脇にとても新しい足跡がある事に気がつきました。
足跡は、丸く、そして大きなサイズでした。
鹿やイノシシと異なり、かなり大きかったので、注意深く、その先、山奥に続く上流部を観察しました。
川の状況、水量、人の入った状況、熊等を注意深く観察しました。
とりあえず安全を確認したので、下に降りようと思い、降りる場所を探そうと辺りを見回したその時です!
ふと下を見ると、私の直ぐ脇に巨熊がいるではないですか!直ぐ脇の茂みから此方に向かって歩いてくるところで、息づかいまでが聞こえるほどに至近距離でした。。
距離にして3-5m位しかなく、文字通り「灯台元暗し」でした。あまりに熊が近すぎて、先ほどは全く気がつきませんでした。
しかも、今回遭遇した熊はとても大きく、目算で1.5m位はありました。大きな冷蔵庫くらいはあり、これほど大きなツキノワグマは剥製も含め見たことがありませんでした。
自然の中で見る熊は、とてもどう猛に見え、また、毛並みが妙につやつやしておりました。
私は熊と遭遇したときの対応マニュアルは何度も読んだことがあり、逃げたら駄目と言うことも知っておりましたが、今回の熊はあまりに大きすぎ、しかも、今回は何の武器も持っておりません。持っているのは、全く役に立たない釣り竿だけでした。
幸い熊は私に気がついておりません。堰堤横は滝になっているため、私の音も熊の音もかき消されていたのです。
私もいきなり堰堤上に登ったため、一気に、超至近距離に入ってしまい、熊も気がつかなかったようです。
とっさに、逃げねばと思いました。
堰堤は2-3mありましたが、一気にジャンプし、熊と反対側に飛び降り、そのまま一目散に逃げました。
逃げている最中、足がもつれ、何度も転けました。自分の体が自分の体じゃないように、言うことを聞きませんでした。何というか、ロボットを運転しているような感覚でした。
そのときは景色が白黒になり、音も聞こえず、転けてもぶつかっても痛みすら感じませんでした。脳が危機管理モードに切り替わっており、関係のないシグナルを全てカットしてしまったのでしょう。
転ぶごとに、熊に襲われたと錯覚し、更にパニックになり、更に転びました。この恐怖は体感しないと分かりません。
熊と遭遇した場所は車から100mも離れておりませんでした。車についても未だ安心できず、何時熊が来ても不思議ではない状況で心臓が飛び出さんばかりの勢いで鼓動をしておりました。
なんとか、車に入り、ようやく安心しました。
が...何かが違います。なんか景色がよく見えないというか。
気がついたら、眼鏡が吹っ飛んでおりました。
仕方がなく、今日の朝、再び現場に眼鏡を探しに行きました。
今日は、ロケット花火を大量に持参し、行く前に、さんざん音を鳴らした後に入山しました。
無事に眼鏡は見つかり一件落着となりましたが、昨日の転倒で、顔を含め至る所に軽傷を負い、散々な目に遭いました。
もはや、トラウマ状態になり、山に当分近づけそうにありません。
今後、山に行くことがあれば、剣鉈と熊撃退スプレーは必需品だと思いました。私の釣りから「源流釣り」というメニューが消えました。
それにしても、私一人で良かったと思います。今回熊に遭遇した場所は、簡単なトレッキングコースも近くにあり、子供達と何度も遊びに来ている場所でした。
以下、翌日の昼間に落とした眼鏡を拾いに行った際に撮影した写真です。2度目に行ったときは、流石に怖く、ロケット花火やら爆竹を大量に鳴らしつつ山へ入りました。
bear2.jpg
この周辺はトレッキングコースになっており、道も整備されております。写真は車から小川までの50mほどの遊歩道です。
bear1.jpg
奥に見えるのが堰堤とその人工滝です。この写真に映っているところを一直線に駆け抜けました。
bear.jpg
この堰堤の上に熊がおりました。何時までも下で釣りをしていたら熊が上から覗き込んでいたかもしれません。
bear3.jpg
この堰堤の左側を上に登ったところで熊と遭遇しました。このスロープにも足跡がありました。

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