福建省の白茶・白毫銀針2013が入荷:あえて毛茶を仕入れました

[2013.05.25] Written By

白茶

本日より、白毫銀針を2013年産を発売しました。2012年産も未だ残っているのですが、白茶は熟成することでマスカットのようなフルーツ系の香りを生み出すため、2012年産は熟成に回すことにしました。さて、今年の白毫銀針ですが明前である3月20日頃に摘まれた1番芽から作られた毛茶(荒茶)を仕入れました。毛茶は普通市場に流通することがありません。その理由を理解していただくためには、白茶の工程を理解していただく必要があります。

白茶の萎凋

白茶は色が白いだけでなく、緑茶とは全く異なる工程により製茶されます。

  1. 萎凋
  2. 乾燥
  3. 火入れ

白茶は発酵茶

白茶は発酵茶のなかまで紅茶や烏龍茶に近いお茶です。風邪通しの良い場所で水分を徐々に蒸発することで、茶葉に含まれる酵素の発酵をうながします。このため、白茶の生産現場に行くと、収穫されたままの茶葉が竹のトレイに並べられており、まるでドライフラワーか乾燥野菜を作っているような光景です。それは見た目だけでなく、作業空間には花のような香りが充満しており、まるで花屋やさんに足を踏み入れたかのような華やかな香りがします。萎凋がおこなわれた白茶ですが発酵が進み、理想とする香りになった時点で茶葉は乾燥機にかけられ、それにより発酵は完全に停止します。この状態を業界では毛茶と呼びます。
白茶の萎凋

毛茶でのみ味わえるふんわり感

じつは毛茶の状態だと、お茶の香りがとてもやわらかく、口に含んだときに、生花のような優しい香と舌触りが感じられます。これは日本茶の荒茶と同じです。日本でも生産者は荒茶の味香りが好きで荒茶を好んで飲みます。火を入れる事で、香ばしさが付与されるために一般受けするかもしれませんが、同時に失うものもあります。火をいれるということは、カテキンなどの成分を酸化することで、揮発性の物質を生成します。ただし、熱による酸化反応で新鮮なお茶独特のふんわりとした香りがきえてしまいます。例は不適切かもしれませんが、ちょうど、蒸したエビと焼いたエビ、蒸したトウモロコシと焼いたトウモロコシ、炊きたてのご飯と焼きおにぎりのような違いです。当然、焼いた方が香りとしては強くなるし、香ばしさがでることで、香りをかいだ瞬間のインパクトはあります。売り手としては、火をいれるという作業をおこなったほうが「売りやすい」でしょう。ただし、蒸した食材の方が「ふんわり感」があります。

白茶の水色

火をいれないほうが白茶らしい理由

私の意見ですが、本来ふんわり感は白茶をの本質的な要素だと思います。白茶は殺青もせず、揉捻もせず、極力熱をかけずにつくられているにもかかわらず、最後に熱を加えると言うことはある意味矛盾しており、せっかくの白茶としての個性が薄れてしまいます。昔は白茶を生産をするのに火入れ工程はなっかったようですが、近年では火をいれずに出荷されることは殆ど有りません。今年は3月の20日過ぎの白茶の生産が開始された直後、タイミング良く福建省の福鼎を訪問したため、工場にお願いして火入れ前のお茶を仕入れることが出来ました。このため今年の白毫銀針と白牡丹は何れも毛茶で仕入れたものです。1番芽から作られた毛茶独特のふんわり感を是非体験してみてください。なお、白牡丹の発売は来週くらいを予定しております。

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