前川淳蔵氏作、古琵琶湖土の宝瓶と絞り出しを発売

[2013.11.08] Written By

前川淳蔵氏による古琵琶湖土の宝瓶を発売しました。古琵琶湖土は、伊賀や信楽周辺で採掘された天然土で、常滑市在住の陶芸家である前川氏に土の精製から茶器の製作まで一貫してやっていただいております。湖琵琶湖土は名前の如く、琵琶湖の底に沈殿した土です。数百万年前、伊賀や信楽の周辺は琵琶湖の底でした。当時、琵琶湖は現在の位置ではなく、ちょうど、西名阪国道の周辺、伊賀信楽の辺りにありました。琵琶湖の湖底には、赤土由来の鉄分が沈殿しており、また、貝などをはじめとする生き物由来のカルシウムやカリウムが多く含まれており、茶器として非常にバランスの良い性能を発揮します。湖琵琶湖土の最大の特徴は、お茶のコクだけでなくボディも高める点です。お茶がトロリとして、丸みがあり、ふくよかな味へと変化します。

使いやすさを考えたデザイン

今回発売した宝瓶は、お茶の淹れやすさを色んな観点から追求しました。私はお茶を淹れる際に、茶葉が湯の中に浸かっている時間が短ければ短いほどより新鮮な香りを引き出すことが出来ると信じております。いれかたの流派によっては、お茶を数分間蒸らしたりしますが、この方法ですと新鮮な茶葉は「煮えて」しまいます。理想としては多めの茶葉を用いることで、出来るだけ高温短時間でお茶を淹れることです。この考えに基づくいれ方は中国では昔から有り、工夫式と呼ばれます。
詳しくは、以下のコラムをご参照ください。
https://hojotea.com/jp/posts-897/

3種類の茶器を発売しました。

  1. 平型の宝瓶
  2. 絞り出し 内側段付き
  3. 絞り出し 段なし
絞り出し

絞り出し 内側肩有り

絞り出し

絞り出し 内側肩なし

絞り出しの速い流速の意味

絞り出しと聞くと、玉露や煎茶を低い温度でいれる茶器を連想されませんか?しかし私は、絞り出しは本来、高温でお茶をいれるための道具だと考えております。低い温度でいれるのであれば、急須を用いて蓋無しでいれる方が合理的です。また、低い温度でお茶をいれる場合、お茶を蒸らす時間は概して長くなるため、流速が早くある必要はありません。絞り出しは蓋碗から派生した道具の1つです。絞り出しの最大の特徴は、速い流速でお茶を出すことが出来る点であり、その特長を生かしてこそ絞り出しを使用する意味があります。速い流速は、工夫式にて短時間(数秒の蒸らし時間)でお茶をいれる場合に重要です。蒸らし時間を数秒内に抑えたいにもかかわらず、使用した茶器の流速が遅いために、お茶が出きるのに10秒もかかったのでは、結果的に合計十数秒かけてお茶をいれるのと同じになってしまいます。今回紹介している宝瓶も基本的に同じ考え方にもとづいてお茶をいれることを目的にデザインされました。
古琵琶湖 絞り出し

大きめの茶葉をいれるのに適した形状

開口部が大きいため、工夫式のいれかたで、岩茶、プーアル茶、その他烏龍茶などをいれるのに適しております。また、内部に出っ張りがないため、いれ終わった茶葉のクリーニングも容易です。

宝瓶

宝瓶

いれおわったあとの茶葉が冷めやすい

開口部が広いもう一つのメリットは、お茶をいれた直後、茶葉の温度が冷めやすい点です。工夫式の重要な点は、毎回お茶をいれたら、蓋を完全にとり、熱を放出させて茶葉の温度を下げることです。お茶をいれている間、茶葉の温度を出来るだけ下げないようにする人を見かけますが、これは逆です。お茶を飲んでいる間、茶器に蓋をした場合、茶器内部の温度は高いままで、茶葉は酸化劣化します。この結果、煎が進むにつれ香りの鮮度が失われ、酸化臭がきになります。開口部が広い茶器の場合、表面積が大きいために茶葉の冷却速度が速く、より長時間鮮度を維持することが出来ます。

宝瓶

流速の早さ

宝瓶の場合、より速い流速を実現するために、茶漉しの穴を意図的に大きくしております。湖琵琶湖土は粗土ゆえに粘度が少なく、穴を均等に開けるのは非常に困難な作業でしたが、作家に苦労して頂いた結果、平均的に3mm大の茶漉しを実現しました。

宝瓶

宝瓶 茶漉しの穴の数はモデルによりバラツキがあります。20-25前後

持ちやすさ

平型の茶器は、女性が持ちにくいというデメリットがあります。今回、宝瓶や絞り出しを開発するに辺り、女性の手でも取り扱える直径を強く意識しました。その結果、宝瓶は直径を9cmちょっとに抑えることで、女性でも取り扱えるサイズに仕上げました。また、深さをある程度確保することで直径が小さめでも十分な容積を確保することが出来ました。絞り出しについては8cmプラスのサイズに仕上げており、平型でありながら持ちやすさを両立させております。

絞り出し

絞り出し

宝瓶

宝瓶 平型

 

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