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高級茶バイヤーがそっと教える非常識なお茶の話 【HOJO代表 北城彰】

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ダージリン オータムナル(Darjeeling)

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ダージリン オータムナル / Darjeeling Autumnal Late Harvest

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オータムナル レイトハーベストとは?

花のような香りと、甘いフルーツの香り・・・HOJOのダージリン オータムナルはこの両方を併せ持ちます。飲み心地は、程良いボディとわずかな渋みを伴い、お茶を飲み込んだ後、口の中には甘い余韻が残ります。春摘み茶にも夏摘み茶にもない、ダージリンらしさが詰まったオータムナルレイトハーベストです。

エステートマネージャー

ダージリンの良さを凝縮した、ヨーロッパで人気の秋摘み茶

ダージリンティと言えば、春摘み茶であるファーストフラッシュ、マスカットの香がする夏摘み茶のセカンドフラッシュがとても有名です。

しかしヨーロッパで一番人気が高いのは他でもない、ダージリンの秋摘み茶、オータムナルなのです。「オータムナルほどダージリンの良さが凝縮されたお茶は無い」と、ダージリンでお茶作り35年のエステートマネージャーは言います。

オータムナルの美味しさの秘密

台湾茶をご存じでしょうか?最も良いお茶は冬茶、つまりダージリンで言うオータムナルに相当します。実際、何処の産地でも言えることですが、最良のお茶は春と秋であると言われております。

ダージリンの場合も秋と春に茶葉は最高の品質になります。ところが春摘み茶の場合、意図的に新鮮なハーブのような品質(微発酵)に仕上げます。その為、茶葉に秘められたフルーティな香りがあまり感じられません。

なぜこのような仕上げ方をするのでしょう?それは消費者の希望なのだそうです。本当は秋摘み茶のようにじっくり発酵する選択肢もありますが、微発酵の方が高く売れるため、そうしないのです。

ヨーロッパで圧倒的な人気を誇る秋摘み茶は、冬間近、熟れに熟れた茶葉をじっくりと発酵することで、茶葉本来のフルーティな香りとこくのある甘い飲み心地を併せ持つ、とてもバランスの良いお茶です。

HOJOのオータムナルが、なぜ特別か?

実は私たちの選んだお茶は、「冬茶」なのです。ダージリンに冬茶があるの?と思われるかと思います。実際、ダージリンには冬茶というカテゴリーはありません。ダージリンティーの場合、工場で生産されたロット番号を見るとDJ何番と書かれておりますが、この番号が遅いロット=冬間近のお茶と言うことになります。

私たちは、ダージリンの冬茶を是非入手したいと考えました。台湾では冬茶と言えば超高級茶です。台湾の高山地帯と非常に気候が似ているダージリンでも冬の低温で育ったお茶は美味しいに違いないと、仮説を立てたからです。

冬に入るとヒマラヤの裾野にある製茶工場は閉鎖され、補修工事期間に入ります。私たちはエステートと密接な連絡を取ることで、11月の最終週、閉鎖直前の工場を訪れることで、非常に貴重な冬茶の入手に成功したのです。気温は5℃前後。この寒い気候のもと、茶葉の成長は極端に遅くなり、香り・栄養・味のどれを取っても濃縮されているのです。

ダージリンの茶園。朝の風景

本当の美味しさを求めたゆえの無農薬茶園

中国・台湾・インド、何処の国へ行っても、最高級品は常に無農薬茶園(オーガニックガーデン)で作られております。中国茶で献上茶と呼ばれるお茶の殆どが無農薬茶園産です。これらは偶然なのでしょうか?

実は、最高レベルの美味しさを実現するためには、「無農薬茶園」は必須条件なのです。良いお茶、つまり美味しいお茶を作り上げるためには、土地は肥えていては駄目なのです。限られた肥料、そして厳しい環境は、茶葉の成長速度を極端に遅くします。遅い成長速度は「美味しさ」、「香り」、「栄養分」が驚くほど濃縮された、美味しい茶葉を作り上げるのです。私たちが無農薬茶園を選んだ真の理由、それは安全性と美味しさの両立です。

紅茶なのに数煎淹れられます

紅茶は一煎しか淹れられないと考えた場合、私たちのお茶は随分高い買い物になることでしょう。

しかし私たちのお茶は最低3煎淹れられます。特に2煎目は1煎目と殆ど変わらない品質を楽しむことが出来ます。一回のお茶の量が3gと考えた場合、ティーカップ一杯あたりのコストは実に50円以下。高級カフェでも出会うことのない、ダージリン冬茶がこのコストで飲めるとしたら、意外に経済的ではありませんか?

晩秋の成熟した茶葉で作ったベストバランスダージリン。
HOJOが選んだ特別なダージリンをいかがですか?

お客様の声

静岡県 I様

ダージリンは喫茶店でもよく見かけますが、いつも物足りなさを感じていました。今回HOJOのダージリンを試してみて、さすがに別格だなと感じました。自分で入れたお茶がお店で飲む物より美味しいのは嬉しいものです。ケーキ、ワッフル等と一緒に味わうとお茶の良さがさらに引き出されました。

ダージリン オータムナルの美味しい飲み方と保存方法

茶葉の量、お湯の温度、淹れ方のコツを丁寧に解説します。

ダージリン オータムナルの美味しい淹れ方はこちら >>

こちらの包装でお届けします (缶 / お試しパック)※ラベルの色は商品により異なります。

HOJO缶の写真 お試しパックの写真
ダージリン(Darjeeling)の紹介目次

ダージリン オータムナル / Darjeeling Autumnal Late Harvest

ダージリンは朝の10時以降になると霧が発生し、日中は霧に包まれています
ダージリンは朝の10時以降になると霧が発生し、日中は霧に包まれています。

ダージリン地方は、2月頃から4月頃の春摘み茶(1st フラッシュ)、5月の終わりから始まる夏摘み茶(2ndフラッシュ)、9月から始まるAutumnal(オータムナル)の3種類のお茶が生産されております。

同じ品種でも収穫時期に応じて様々な味と香りを楽しませてくれるダージリンティー。今回私たちが紹介させていただくのは、ダージリンオータムナルの中でも、11月の終わりに収穫されたダージリン冬茶です。

11月と言えばダージリンのお茶シーズンが終わる直前です。この時期になると、残りの芽ではなく、新しい芽が生えてきます。インドのお茶専門家によると、この晩秋〜冬に生えてくる芽は春摘み茶と同じく甘みが凝縮されているそうです。

晩秋になると雨がほとんど降らず、夜間の温度は5℃前後となります。茶葉にとっては非常に過酷な環境であり、茶葉は厳しい環境の中、普段では見られないような香りを生み出します。

一年の中で最も水分が低いこの時期の茶葉の成分は非常に濃縮されており、春や夏摘み茶では感じられない濃厚な甘い香りが感じられます。

HOJOでは、あえてシーズン最後の寒い時期を選び、最高のダージリン冬茶をインドの現地に行き、有機茶園より買い付けてきました。加え、独自のブレンド技術により、他では味わえない香りと味のバランスのとれたお茶をご提供致します。

優秀なマネージャーにより管理されているエステートは技術的にも品質的にも優れております。
優秀なマネージャーにより管理されているエステートは技術的にも品質的にも優れております。
ミカンの木もお茶の木も同じツバキ科ですので、お茶の産地には常にミカンが見られます。
ミカンの木もお茶の木も同じツバキ科ですので、お茶の産地には常にミカンが見られます。
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1. 歴史と文化

マネージャーのバンガロー
現地の人にとってあこがれの職業であるマネージャーには、会社よりこのように立派なバンガローが支給されます。

ダージリンはイギリスにより開拓されました。標高の高いダージリン地方では他のイギリス植民地国では生育不可能だった中国系の茶品種の栽培が可能でした。それ故、アッサム種にはない柔らかい味と、香りのバランスのとれたダージリン特有のお茶が開発されました。

ダージリンティーの開発を行うにあたり、イギリスは中国の製茶方法を調べ上げることで、より合理的な近代的製茶方法を開発しました。

軍隊をモデルとする統率された組織と指示系統による、エステート経営手法の導入と、手作業に頼っていた生産方法を機械化することで、良質なお茶を大量生産できるようになりました。

インドがイギリスから独立した後も、イギリス流の組織、及び当時の装置が用いられ、今ではむしろ古くすら感じられる、オーソドックスローリング装置による製茶方法が今も変わらず用いられております。

そのようなインドダージリンのお茶産業も近年になり変わろうとしております。これまで延々とイギリス時代の手法でお茶を生産し続けてきたエステートですが、オリジナルの製茶方法の開発への取り組み、バイオ管理手法を取り入れた有機茶園等、新しいダージリンティーの時代の幕開けが感じられます。

その先駆けとなったのが、有名茶園であるキャッスルトンが開発したマスカテルフレーバーでした。マスカテルフレーバーとはマスカット(ぶどう)のような香りのことです。近年では他のエステートでも同等、或いはそれ以上の品質の開発が実現されており、有機栽培+マスカテルフレーバーがダージリンの夏摘み茶(2nd Flush)の標準になりつつあります。

ビクトリアメモリアル
【ビクトリアメモリアル】 ビクトリア女王の栄華を今に伝えております。
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2. 生産地域

ローグロウンの茶園
ローグロウンの茶園では茶樹は平地に栽培されております。

ダージリンはインドの西部にある、西ベンガル地方のヒマラヤの裾に位置します。ダージリンへはカルカッタ、或いはデリーを経由して飛行機又は電車でアクセスできます。

麓の街シリグリからダージリンまでは車で2-3時間を要します。ダージリンには何十ものティーエステートがありますが、標高で大別すると3種類、ローグロウン(標高が低い)、ミドルグロウン(標高が中位)、ハイグロウン(標高が高い)に分類されます。

高所で生産されるほどお茶には豊富なアミノ酸が含まれ、そのため芳醇で甘い味が楽しめます。標高が高いほど良いというわけではなく、ミドルグロウン以上に位置するエステートであれば、ダージリンを代表出来るだけの銘茶を生産する能力は十分にあるといえます。

この地には谷が多く、美しい清流が流れています
この地には谷が多く、美しい清流が流れています。この水はとても澄んでおり、直接飲めます。
茶園の朝の風景
茶園の朝の風景。この地に日が差すのは霧が発生する前のごく短い時間です。
 
 

ダージリンは非常に標高が高いこと、谷が多く見られ、その間には渓流が流れているため、極めて霧が発生しやすい環境です。朝方天気が良い日などは、ヒマラヤの主峰が見渡せるのですが、10時を回る頃には霧が大量に発生し、午後には辺り一面が霧で覆われてしまいます。この豊富な霧により、太陽の光が遮断され、茶葉には十分な量のアミノ酸が蓄積されます。

HOJOのダージリンティーは全て完全有機栽培の茶葉を使用しております。有機栽培を行うと言うことは、有機無機の問題ではなく、茶園内で肥料の製造から農薬の製造に至るまでの全てを行わねばなりません。

例えば、肥料を外部から購入した場合、たとえその肥料が有機肥料だったとしても、一切の農薬が含まれていないことを証明できない限り使用が許可されません。そのため、肥料は有機栽培ティーエステート内に生育している雑草を刈り取り、それらを堆積、散水することで、腐葉土化し、発酵させてから肥料として用います。

ダージリン8
ハーブ類は定期的に刈り取られます。
 
ダージリン9
防虫剤は茶園で栽培されたハーブから作られます。写真は防虫目的で栽培されているハーブです。

農薬に関しては、一貫したポリシーがとられております。バイオ農園=有機茶園では、害虫が嫌う味のする植物抽出液を散布することで、害虫に去ってもらう努力が行われております。農薬管理された農園と異なり、バイオ農園では、無害な虫には滞在してもらい、害虫には去って頂くというコンセプトなのです。

害虫の嫌がる植物抽出液を作り出すため、茶園の至る所には様々なハーブ類が植えられております。ハーブ類は定期的に刈り取られ、裁断された後、貯水槽に漬け込まれます。2週間ほどで植物は分解され、エキスが水に染み出します。HOJOが購入している茶園では虫に散布するため、大量のレモングラスを道路沿いで栽培しておりました。また、日本のヨモギと同一種の植物が自然に生育しており、ヨモギも虫除けとして用いられておりました。

ダージリン3
道沿いに栽培されているレモングラスも防虫剤として用いられます。
ダージリン
植物を裁断する機械です。裁断された植物は、腐葉土用、或いは、防虫用の原料として使われます。
ダージリン
刈り取った雑草はこのように積み上げ、発酵させます
ダージリン
発酵が十分にすすんで堆肥になった物。
ダージリン
このように積み上げられた堆肥は村のあちこちにあり、子供達の遊び場になっています
ダージリン
樹上にはインコの姿がありました。有機農法のおかげで、失われた生態系が取り戻されています。

ダージリン一帯は長年続けられたお茶の管理栽培により、生態系が壊滅的になり、川や森に沢山いた魚や鳥、昆虫類は劇的に減少したと言われております。ところが、驚くべき事に、バイオ農園に変換することで有機栽培を開始したところ、徐々に昆虫たちが戻り始め、それらを補食する鳥や魚、更に、それらを補食する野生動物たちが沢山戻ってきているそうです。事実、有機茶園の周りには大量の野生のインコが群れており、まるで動物園のような光景でした。

ダージリン
水は下からポンプアップして散水しています。

ダージリンティーはストレス下に置かれることで、より優れた香りと味を生み出すと言われております。このことはダージリンに限らず全てのお茶、更には人間にも言えることです。ティーエステートは至る所にありますが、それぞれの環境・気象条件は大きく異なります。

有名茶園キャッスルトンが美味しいお茶を作り出す一つの理由にはお茶の生育環境が大きく関係しております。キャッスルトン茶園は非常に岩や石が多く、土地は全然肥えておりません。そのため、茶葉は常に水不足にさらされ、その環境ストレスが引き金となり、ダージリンティー特有の甘い香りを生み出すと推察されます。

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3. 栽培品種と摘採

ダージリン地方では2月頃から4月頃まで春摘み茶の収穫が行われます。春摘み茶は水分を豊富に含むことから、萎凋を長め、発酵を軽度に行い、非常に発酵度の低い春摘み茶(1 st Flush)が作られます。

ダージリンでは4月以降から5月にかけ雨期に入ります。この間は良質の茶葉の収穫が出来ず、専門用語でバンジーピリオドと呼ばれております。

この後、6月から夏摘み茶のシーズンが始まります。ダージリンと言えば、夏摘み(2nd Flush)に代表されるマスカテルフレーバーです。シャンパンのようとも言われるこの香りは何故6月に摘まれた夏摘み茶だけに強力に含まれているのでしょうか?

日本ではほとんど知られていない事実ですが、実はダージリンティーのマスカテルフレーバーにも東方美人と同じく「ウンカ」が関係しております。ウンカは雨期が終わると大量発生し、茶葉の汁を吸います、これにより東方美人の茶葉と同じく、黄色に変色し、茶葉は虫の攻撃に対抗するために、人間で言う抗体のような物質を作り出します。これを専門用語ではファイトアレキシンと呼びます。ウンカが吸った茶葉から作り出されるうっとりとするようなフルーツの香りは、テルペノイドに代表されるような揮発性のフィアトアレキシンではないかと推察されます。

ダージリン26
【ウンカ1】 写真の真ん中の枝にしがみついているのがウンカです。地元ではグリーンフライと呼ばれています。
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【ウンカ2】 ウンカはマスカテルフレーバーの原因の一つです。台湾の茶園に生息するウンカと全く同種です。

更に、ダージリンではウンカに加え、もう一種、マスカテルフレーバーに関与している生き物がおります。それは、英語でThripと呼ばれる虫です。この虫は普段はお茶の芽や花をはじめとする柔らかい部分に隠れているのですが、6月のシーズンが到来すると茶園一帯に飛散し、柔らかい茶葉や芽の汁を吸います。この虫に吸われた茶葉からも、ウンカ同様にフルーティーな香りがするのです。

ちなみに、どの虫でも良いわけではなく、この2種類の虫に汁を吸われた茶葉のみが黄色く変色し、マスカット様のフレーバーを生産します。

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【Thrip】柔らかいお茶の芽の間に隠れています。
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【Thrip】花びらをめくると姿を見せます。
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写真中央で花びらの上にThripがいるのが見えます。非常に小さな昆虫です。
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Thripに噛まれた茶葉。黄色く変色しています。

茶園のマネージャーがある話しをしてくれました。彼が若い頃、ある有名茶園を訪れたところ、茶園の一部分に大量のウンカが付いていたそうです。彼がそこを通りかかったところ、まるで果物園にいるかのような強烈なフルーツ香がしたそうです。

尚、秋摘み茶(オータムナル)の場合、ウンカはまばらとなり、マスカテルフレーバーより、ダージリンらしい甘い香りが主流となります。同じオータムナルでも、9-10月に収穫されたお茶と11-12月に収穫されたお茶では性質が異なります。11-12月になるとお茶の木は春のお茶と同じく、新芽を付けます。この性質は非常に新茶の芽と似ております。また、雨が少なく、季節的に大変寒くなるため、茶葉の水分は減少し、また環境によるストレスを受けることで、甘い良質のダージリンティーに特徴的な甘い香りを生み出します。台湾の冬茶と同じく、とても美味しいお茶が出来ます。

お茶の品種ですが、低地のエステートでは大葉のアッサム種が作られます。アッサム種は渋みが強いことから、あまり良質のダージリンティーには向いておりません。標高が1000m以上の茶園となると、アッサムの変異種、アッサムと中国種の中間種に加え、徐々に中国系の茶葉が増えてきます。2000mを超えるようなハイグロウンの茶園ではほとんどが中国種となります。中国種は非常に甘くボディのある飲み心地であることから、春・夏の時期には大変な人気となります。

中間種はクローナルと呼ばれます。クローナルとは、突然変異や品種改良により新しく開発された品種を指します。クローナルは茶葉のサイズ、味共にアッサム種と中国種の中間的な位置づけにあります。中国種と比べると、香りが強く、アッサムほどではないものの、渋みが強めなのが特徴です。

このクローナルですが、秋になると、とても良い香りになります。特に秋が終わりに近づき、寒さや乾燥度が増すことでクローナルからはマスカテルとは異なりますが、フルーティーで甘い香りの成分が蓄積されます。私たちは秋でも特に晩秋の、香りの成分が十分に蓄積されたタイミングを見計らって茶葉の買い付けを行いました。

摘採は全て手で行われます。茶摘みの女性たちは早朝に茶園に行き、午前中には収穫を終えます。

ダージリン
茶園の風景 1
ダージリン
茶園の風景 2
ダージリン
茶摘みに向かう作業者達 1
ダージリン
茶摘みに向かう作業者達 2
ダージリン
【茶摘み】 このような芽を摘みます
 
ダージリン
茶園を結ぶ道路は非常に荒れているため、茶園の見回りに四輪駆動車が活躍します。
ダージリン
【茶摘み】
ダージリン
【茶摘み】
ダージリン
【茶摘み】
ダージリン
【茶摘み】
ダージリン
【茶摘み】
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【茶摘み】作業は全て手作業で行われ、リーダーの指示の元で行動します。
ダージリン48
【茶摘み】
ダージリン49
【茶摘み】
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4. 加工

ダージリン
ビジター、従業員ともに衛生管理に気を配り、このような服装での作業が義務づけられています。

よりクリーンな茶葉を入手するため、HOJOではHACCP・GMP対応の衛生管理が良く行き届いた工場とお付き合いしております。しかし、よく観察すると、日本やヨーロッパの衛生管理基準よりやや管理が甘いように感じられます。但し、ここまでのレベル衛生管理をしているダージリン製茶工場は他ではほとんど見つけることが不可能ではないかと思います。

萎凋(いちょう)

ダージリンティーは普通の紅茶と異なり、茶もしくは黒色をしておりません。むしろ、黄色、緑、赤が入り交じっているのが見た目の印象です。味に関しても普通の紅茶とは大きくかけ離れております。味香り共にどちらかというと、烏龍茶に近い性格をしております。

何故、これ程までに特徴的なお茶が出来上がるのか、その理由はダージリン特有の環境及び気象条件が関係していると言われてきました。しかしながら、プロセスをより深く理解することで、それらの諸説は俗説であることが分かります。

ダージリンの特徴的な気候は良質のお茶を作り上げる上で重要な役割を果たしております。しかし、実際にはダージリン地方と台湾の高山茶の生産地域は非常に似ております。では、何がダージリンティーのとても特徴的な性質を作り上げているのでしょうか。

それは萎凋工程です。ダージリンティーの加工で最も重要な工程は萎凋です。萎凋工程を極めれば、加工の70%を理解したと言われるほどです。

ダージリンでは春・夏・秋・晩秋と茶葉の加工法が異なります。この理由として、季節ごとに茶葉の性格、特に水分含量・ポリフェノール含量が変わるため、それぞれの性質に適した加工法が用いられます。

収穫された茶葉は、大きな萎凋槽に薄く並べられ、下から空気を送ります。層の床部分は多孔板となっているためファンにより送り込まれた空気は均一に茶葉に吹き付けられます。

ダージリン
【萎凋1】
 収穫された茶葉は、大きな萎凋槽に薄く並べられ、下から空気を送ります。

このプロセスを萎凋と呼び、茶葉を萎れさせます。他の種類の茶と大きく異なる点として、ダージリンでは非常に長時間の萎凋が行われます。萎凋は24時間前後行われ、最終的に水分を30%まで落とします。当然、原料茶葉に元々含まれる水分量の多少により萎凋時間は調整されます。

他の一般的な紅茶の場合、萎凋でここまで水分を落としません。そのため、茶葉には十分な水分が含まれ、その後の発酵工程の際、酵素発酵に寄与します。それに対し、ダージリンティーの場合、長時間の萎凋中に茶葉内で成分の分解や酸化反応が開始されます。ダージリン特有の甘い香りは長時間の萎凋によるものです。萎凋後の茶葉の水分は非常に低くなっているため、他のお茶と比べあまり発酵が行われず、その結果、赤・黄色・緑の茶葉になるのです。つまり、ダージリンティーは紅茶の製法で作られた半発酵茶、つまり烏龍茶と言えます。

ダージリン
【萎凋2】
 この工程は必ず暗い室内で行われます。
 
ダージリン
【萎凋3】
 萎凋は24時間前後行われ、最終的に水分を30%まで落とします。

揉捻(じゅうねん)

萎凋が完了した茶葉は揉捻装置にかけられます。この装置はオーソドックスローリング装置と呼ばれ、その昔イギリスが開発した画期的な装置です。

工場では一回あたり70kg-100kg程度の茶葉が揉捻装置に投入されます。揉捻装置は2機で1組になっており、最終的に両装置が生産した茶葉はまとめられます。70kgの茶葉はその後の仕上げ加工により水分が減少し、50kg〜60kg程度になります。そのため、50+50=100kgと言うことで、茶園における1ロットは100kgが基本単位となり、この数量がその後の売買の基準となります。

良質のお茶を作りには加工中の熱は大敵です。そのため、揉捻は加圧、無加圧、加圧、無加圧を交互に繰り返します。無加圧状態にすることで熱を発散します。また、一度に投入する量を増やしたり、揉捻装置の回転速度を上げたりした場合、より熱が発生します。従って、良質のお茶を作り上げるには、出来るだけ少量のお茶を投入し、出来るだけおそい回転速度で加工することが必要条件となります。従って、1ロットの数量を確認することは、各茶園の生産するお茶の質を判断する一つの基準となります。

ダージリン
【オーソドックスローリング装置】
ダージリン
【揉捻_1】
ダージリン
【揉捻_2】
ダージリン
【揉捻_3】
ダージリン
【揉捻_4】
ダージリン
【揉捻_5】

篩(ふるい)分け

ダージリン
【篩_2】
ダージリン
【篩_1】

揉捻が完了した茶葉は篩にかけられます。篩は茶葉をサイズ毎に分類する役割を担っております。サイズが一番大きい茶葉、2番目に大きい茶葉は、再度揉捻装置へとかけられます。尚、サイズの細かい茶葉は、そのまま発酵へと進められ、最終的にティーバック用の原料となります。発酵に関しこれまで多くの工場では床に静地することで行っておりました。私たちのお付き合いしている工場では、発酵用のステンレス製棚を用いることで衛生管理に細心の注意が払われております。

発酵は数時間行われます。求める香りが得られた時点で、発酵を止めるため次工程の乾燥工程へと進められます。

ダージリン
【篩_3】
 
ダージリン
【発酵棚】 衛生管理に気をつけて、ステンレス製の棚を使用しております。

乾燥

ダージリン
【乾燥機_2】

乾燥工程には2つの目的があります。1つ目は茶葉に含まれる酵素を熱で失活し、発酵を止めることです。乾燥機の温度は高め(110-130℃)に設定されます。経験とデータに基づき、最適のタイミングで乾燥層へ茶葉を投入することで半発酵の状態のダージリンらしい品質が得られます。

2つ目の目的は水分を低下することです。水分を約5%以下に落とすことで保存に耐えられるようにします。

ダージリン
【乾燥機_3】
ダージリン
【乾燥機_1】
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5. 品質の評価方法

乾燥茶葉

色が明るく、茎を多く含まない。白い芽が多く含まれていることも重要な要素です。中国種は全体に色が暗く、また、クローナルは明るい傾向があります。

均一性

全ての茶葉および芽は均一な形状をしております。

異物

茶葉以外の異物、例えば繊維、竹、木片、砂や石を含みません。

水色

明るく、透明で濁っておらずオレンジ色の水色をしております。

味は爽やかで、スムーズ、芳醇で後味にわずかな渋みと甘味が感じられます。

茶殻

ダージリン55
現地でテースティングを行い、最適なロットを選びます。

茶殻は新鮮で、明るく、暗黒色の茶葉を含みません。指で触ると、茶葉は厚みがある物の柔らかく弾力性があります。

最も重要な品質の評価方法として、茶殻から溢れるような香りが感じられるかどうかチェックしてください。良いお茶は、一度淹れた後でも茶殻に強い香りが残っております。一方、低品質の茶葉の場合、一度入れると、茶葉にはほとんど香りが残りません。香りをチェックする際には、湯を完全に切り、茶殻を皿にのせた状態で鼻を茶葉に触れるくらいまで近づけて下さい。淹れた後の茶葉の香りを正確に判断できれば、テースティングの80%は完了したと言えます。茶葉は正直にその品質を表しているのです。

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6. 美味しい飲み方

使用する水

お茶を淹れる水には軟水を使用して下さい。硬水を使用した場合、お茶の味や香りを十分に楽しむことが出来ません。

お湯の温度

湯は直前に沸かしてください。必ず沸騰させることが大切です。5分ほど沸騰させることで、水に含まれるカルシウムや塩素化合物を揮発させてください。沸騰していない水を用いると、カルキ臭く、せっかくのお茶が台無しになってしまいます。尚、あまり長時間沸騰しすぎると、水に含まれるミネラルの濃度が上昇し、硬水に近い性質に変わってしまうため、避けてください。

淹れ方

お茶を淹れる際の容器は、瀬戸物やガラス製が一般的に使用されますが、出来るだけ温度が下がらないタイプ容器、例えば急須が理想的です。ガラスの場合、茶葉の動きや色が観察できるため、楽しさが増します。お茶を淹れる際、まず熱水をポットに注ぎ入れ10秒ほど温めた後、湯を捨てて下さい。この動作により、ポットを温め、温度を下がりにくくします。

茶葉の量

湯250cc〜350ccに対し、ティースプーン2杯(3g)の茶葉を用いて下さい。但し、この量はあくまで目安です。お好みに応じ、量を調節して下さい。沸騰したての湯を高い位置から勢いよく注ぎ入れることで、茶葉を急須内で上下に運動させてください。これにより、よりよい香りと味が抽出されます。

ダージリン
テイスティング後の茶葉。写真のポットは鑑定用の標準カップです。
茶葉の量
ティースプーンで2杯(3g)
 

蒸らし時間

蒸らす時間は人それぞれですが、一般的には2〜5分が適当です。長く抽出した場合、やや渋みが増します。良質なダージリンティーの場合、1回だけではなく数回お茶を淹れることが出来ます。但し、回数を重ねる内に香りは弱まります。

注意点

尚、急須にお湯を残さないよう、最後の一滴まで注いでください。これは、旨味のあるお茶を最後まで注ぐという目的と二煎目を美味しくするためという目的があります。また、注ぎ終わったら、急須の蓋を開けて、お茶が蒸れることを防止しましょう。

これで、旨味の強い苦味・渋みのバランスのとれたお茶がいただけると思います。

<一言メモ>

ダージリンティーは台湾の東方美人と似ていることでも知られております。東方美人は収穫したその年には飲まれません。1年間熟成をさせることで、東方美人本来の香りと味がつくられます。

この原理をダージリンに応用したらどうなるでしょうか?私たちは独自の実験を重ねております。これまでの実験により、ダージリンティーも1年保存することで、味が劇的に変わる事が分かりました。香りについてもどう変化するのか、現在実験を行っております。

熟成による品質の改善効果が検証できた場合、ダージリンティーの新たな可能性がふくらみます。

常温で放置したからと言って、直ぐに捨ててしまうのではなく、むしろ熟成による「変化」を楽しんでみてみましょう。

茶葉の保存方法

お奨めの保存法

直射日光、高温多湿を避け、冷暗所に保存してください。室温に保管することで、さらなる熟成(非酵素的な酸化)が進み、甘みが増し、香りがより円熟します。尚、お茶の葉は水分が5%前後と非常に乾燥していることから、環境の香りを瞬時に吸収します。そのため、お茶の袋はしっかりと密閉し、缶等の容器に入れた上で、通気の良い場所に保存してください。

尚、熟成の具体例として、紅茶類の場合、熟成が進むにつれ、甘みが顕著に増し、その代わり、香りに関しては徐々に薄れてゆきます。東方美人に代表される、蜜香系のお茶の場合、味も香りも強度が増すと言われております。台湾では長期保存された東方美人は新茶の数倍の値段で取引されることもあります。

特殊な保存法

購入時の品質(熟成しない状態)を出来るだけ維持したい場合は冷蔵庫に保管して下さい。冷凍庫はあまりお勧め致しません。その理由として、冷凍庫の場合、冷蔵庫よりも食品の劣化が起こりやすい為です。冷蔵庫に保管される場合は、完全に密封した上でお茶を保管してください。そうしないと、冷蔵庫から取り出したときに環境中の水分が結露し、お茶が湿気る原因となります。尚、冷蔵庫には他の食品の香りが充満しているため、香りが移りやすく、お茶の品質を損ねるおそれがありますので厳重な注意が必要です。理想は、お茶専用の冷蔵室を用意することです。


因みに、お茶好きでも知られる徳川家康は、静岡の本山茶を瓶に入れ、静岡の涼しい山にて保存したそうです。この保存により、味が円やかになり、美味しくなったと言われております。お茶における保存は、お茶を作るプロセスの一部とお考えください。お客様の保存条件が適切であれば、お茶の味は購入時よりも更に美味しくなります。

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ダージリン オータムナル / Darjeeling Autumnal Late Harvest

袋小 :   30g / 価格 1,300円(税込)

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缶入り:   70g / 価格 2,800円(税込)

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