ただ検査をすれば良いわけではない中国茶の農薬事情

[2006.09.09] Written By

農薬に関し、どうすることで確実に信用できるお茶が入手出来るのか?これは本当にややこしく、難解な問題でした。

まず、どの業者も必ず言ってくるのが、「うちでは昔から海外に販売しているから心配ないです」という言葉でした。
しかし、海外に輸出している=心配ないではなく、「何故大丈夫なのか」の根拠必要です。
それを更に質問すると、「出荷前にテストをしているから大丈夫」と言います。
どの様な根拠によりテストのターゲットとなる物質を選んだのか、更に、それ以外の物質は使われてないという保証があるのか?という疑問が湧き上がりました。
農薬は液体中では均一に分散します。つまり、1トンの水に一滴の農薬を滴下した場合、どの部分をサンプリングしても均一なレベルの農薬が検出されます。それに対し、固体(粒体)であるお茶はどうでしょう。お茶に一滴の農薬を垂らした場合、当然垂らした場所だけに染みこみます。それ以外の場所からサンプルを抜き取ったところで、農薬は全く検出されません。
お茶の茶園は大小様々な茶園が広がっております。当然農薬の散布の仕方も場所によりばらつきがあります。その為、お茶を「サンプリング」し、農薬のテストをしても確実ではありません。勿論、時間をかけ茶葉を均一に混ぜれば話は別ですが、そんなことは出来ません。
これらの事実を考慮した場合、最終テストだけでは信頼できるに至らないと判断しました。
そこで、代わりに求めたのは、何処で、誰が、何時、どれだけの農薬を使ったか分かる管理システムです。
つまり、自分の農園で使った農薬とその量も管理できず、それでいて最終テストだけに依存している農園に農薬管理は不可能と考えました。
これはいわゆるトレーサビリティーの管理です。トレーサビリティーとはTraceabilityと書きます。最近よく聞く単語ですね。Trace(追跡)、Ability(能力)が合体して出来た単語です。つまり、「追跡できる能力」を意味しております。農薬が何時、誰により、どれだけの量、何処で使用されたか追跡できることが重要です。

その為には現地に頻繁に足を運び、ここの茶園の作り方を観察すること。生産者の考えを理解することが需要です。更に、完全無農薬という確証がない場合は、300品目の同時テストが出来る最新の分析方法にて農薬の分析をする予定です。

鳳凰単叢烏龍の茶園

 

日本茶(緑茶)、中国紅茶、白茶、プーアル熟茶、プーアル生茶、ジャスミン茶、烏龍茶という厳選された茶葉7種のお試しセット

関連記事 RELATED ARTICLES

お茶に関する最新情報を確実にキャッチするには? SOCIAL NETWORK

1,Twitterをフォローする。2,FaceBookで「いいね!」を押す。3,メールマガジンに登録する。という3つの方法で、お茶に関する最新情報をキャッチすることができます。今すぐ下のツイッターフォローボタンや「いいね!」をクリック!

メールマガジン登録で無料サンプルをもらおう!
メールマガジンにご登録いただくと無料のサンプル茶葉のプレゼントや希少商品の先行購入など様々な特典がございます。ソーシャルメディアの購読だけでなく、メールマガジンへのご登録もお忘れなく!

HOJO TEAオンラインショップNEWS一覧を見る

渡辺陶三作:秋津無名異、野坂粗土急須他入荷
佐渡島の無名異焼作家、渡辺陶三氏の茶器が多種類入荷しました。 今回は、特に、秋津無名異酸化焼成と野坂炭化還元の急須・茶壺が多数入荷しました。 https://hojotea.com/categ/teaware.htm 秋 …
長期熟成をした緬境野生茶2014年産を再発売
緬境野生茶 2014(生茶)マレーシア熟成 緬境野生茶 2014は、マレーシアと日本で長期保存をしており、しっかりと熟成が進んだお茶です。 このお茶は数ヶ月間、有酸素で雲南省で保存し、その後無酸素にて追加熟成をしておりま …

最新の記事 NEW ARTICLES

料理から見る雲南の多様性:少数民族・四川料理の交差点
雲南省に長期滞在してお茶を作っているわけですが、雨の日や生産予定の無い日は、近隣の街のホテルに滞在しております。 ホテルに滞在しているときは、外食するのですが、私達にとって、現地での食事はお茶作りと同等に興味があり、非常 …
渡辺陶三作:秋津無名異、野坂粗土急須他入荷
佐渡島の無名異焼作家、渡辺陶三氏の茶器が多種類入荷しました。 今回は、特に、秋津無名異酸化焼成と野坂炭化還元の急須・茶壺が多数入荷しました。 https://hojotea.com/categ/teaware.htm 秋 …
雲南白茶、理想を形にする現地生産
3月25日に雲南省に入り、現在まで白茶の製造に取り組んでいます。 本コラムでは、雲南省における白茶生産の実情や、その品質、管理のあり方についてご紹介します。 何故雲南省で白茶を作るのか 白茶といえば、まず思い浮かぶのは福 …
現地からのレポート:2025年の雲南省のお茶の状況について
3月25日より雲南省に来ております。 こちらには5月まで滞在し、現地でのお茶の生産や流通・品質管理を行います。 本コラムでは、今年2025年のお茶の生育状況、相場観などについてインプレッションを述べたいと思います。 気候 …
長期熟成をした緬境野生茶2014年産を再発売
緬境野生茶 2014(生茶)マレーシア熟成 緬境野生茶 2014は、マレーシアと日本で長期保存をしており、しっかりと熟成が進んだお茶です。 このお茶は数ヶ月間、有酸素で雲南省で保存し、その後無酸素にて追加熟成をしておりま …
自社開発した新製法にて自分たちで仕上げた野生紅を発売
野生紅のロットが2024年産に切り替わりました。 通常であれば特にお知らせすることはありませんが、今回の切り替えには大きな意味があります。 2024年産の野生紅から、私たちが開発した新しい製法を用い、私たち自身の手で作っ …
ミャンマー国境隣接地域産 鎮康古樹熟茶2022 発売
鎮康古樹熟茶2023を発売しました。 普段飲みに適した価格帯のお茶を目指し、非常に僻地の産地から茶葉を仕入れています。 https://hojotea.com/item/d154.htm ミャンマーとの国境を接する鎮康県 …
祁門紅茶の再入荷
暫く品切れになっていた祁門紅茶が入荷しました。 https://hojotea.com/item/b01.htm 祁門紅茶工場産の祁門紅茶 祁門紅茶は安徽省祁門県産の紅茶で、世界的にも知られる銘茶のひとつです。祁門県には …
フルボディの高級熟茶、忙肺古樹熟茶2023 200g餅茶を発売
忙肺古樹熟茶2023を発売しました。当店の熟茶の中でもトップレベルの非常に高品質な熟茶です。 臨滄市永徳県を代表するプアール茶の名産地 忙肺(Mang Fei)は、漢字の意味だけを見ると奇妙な地名ですが、もともと当地の少 …
火地古樹生茶 2022を発売
火地古樹生茶 2022を発売しました。 数年間の熟成を経て、爽やかで透明感のある甘い香りが際立つお茶です。 高山の自然栽培茶園産 火地は私達がお付き合いしている農家が保有する、臨滄市南西部に位置する永德県の標高2100m …

PAGETOP