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知ってますか?発酵食品とお茶の発酵の違い

[2021.08.22] Written By

紅茶や烏龍茶は「発酵茶」と表記されますが、実際のところ、発酵食品なのでしょうか?
本コラムでは、お茶と一般的な発酵食品の違いについて詳しく説明したいと思います。

一般的な発酵食品とは

一般に発酵食品といえば、生産に微生物が関与している食品を指します。
例えば、お酒、味噌、醤油、チーズ、フナ寿司、納豆、ヨーグルトなどが代表的な発酵食品です。

発酵食品の生産において、微生物は食品成分を摂取して増殖し、同時に食品成分を微生物由来の酵素によって違う形の有機化合物へと変換します。
つまり、発酵食品の「発酵」とは微生物由来の酵素を利用した、食品の成分の酵素的な化学変化(変換)を指します。

お茶の発酵

お茶も広義では発酵食品と呼ばれますが、紅茶や烏龍茶等の「発酵」には微生物は一切関与しません。この意味で、上記発酵食品とお茶の発酵は異なります。
お茶における発酵の場合、茶葉に含まれる酵素(酸化酵素)によって、茶葉に含まれるポリフェノールが酸化します。
元々、お茶の酵素とポリフェノールは細胞内に別々に格納されているのですが、揉む作業によって、細胞が傷つけられ、酵素とポリフェノールが混ざり合うことで反応が起こります。
お茶における発酵は植物自身が含有する酵素と成分(ポリフェノール)の酵素的な酸化反応です。

まとめると、一般的な発酵食品の発酵は微生物由来の酵素による、お茶の場合は自らの有する酵素反応による成分変換です。
発酵の「酵」の字は酵素の「酵」なので、お茶の場合、酵素を利用しているという点では発酵なのかもしれませんが、いわゆる発酵食品とは大分異なります。

お茶と同じタイプの酵素反応を必要とする食品

お茶とまったく同じタイプの酵素反応は他にも多くあります。
例えば、ニンニクやタマネギの辛み成分の形成や匂いの生成もまったく同じメカニズムです。ネギ科の植物の独特に匂いは「切る」事で細胞が破壊され、酵素と基質が混ざり合うことで生じます。

ワサビをすりおろすと、辛みが形成されますが、これも紅茶の酵素発酵とまったく同じ類の酵素反応です。
ワサビの細胞内にミロシナーゼという酵素とシニグリン配糖体という成分があります。摺り下ろすことで細胞が壊れ、両者が混ざることで辛み成分のアリルイソチオシアネートが形成されます。
実はワサビはそのままかじっても甘苦いだけです。

緑色の胡椒の実が黒く変色しブラックペパーになるのも同様、また、林檎やバナナを切っておいておくと茶色く変色するのも同じ仕組みです。

これらの食品で起きている反応自体は「お茶の発酵」とまったく同じですが、ネギ科植物もワサビも発酵食品とは呼ばれません。
そんなわけで、お茶が発酵食品と呼ばれるのは食品の中で極めて例外なのです。

例外的に微生物発酵で作られるお茶

但し、お茶でもプーアル熟茶や黒茶の一部は、一般的な発酵食品と同じく、微生物由来が発酵に関与します。



例えば、プーアル熟茶の場合、放線菌をはじめとする細菌類や真菌等の微生物発酵で作られます。熟茶の原料となるプーアル生茶は生産する際に、殺青(加熱工程)されることで、酵素は失活しております。
熟茶特有の味香りを形成には茶葉由来の酵素はまったく関与せず、微生物発酵による、微生物由来の酵素が関わっているのです。

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