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意外に知られていないプーアル熟茶の発酵
- [2013.04.08] Written By 北城 彰(Akira Hojo)
現在も雲南省に滞在しておりますが、今回の出張の重要な目的の1つはプーアル熟茶を探すことです。特に、ボディが強く、飲んだときに満足感が得られる熟茶を探しております。これまで熟茶の生産会社を数多くまわり、様々な観点から品質の絞り込みを行いました。熟茶の作り方は意外に知らない人が多いと思いますので、写真を交えて紹介したいと思います。
プーアル熟茶の原料事情
一般的にほとんどのプーアル熟茶は、茶園産の原料から作られます。理由はコストが安いためです。茶園産のお茶は、大量の肥料と共に栽培されるため、コクは期待できません。また、一般的な取り組みとして、春、夏、秋摘み茶がブレンドされます。そうすることで、値段を抑えることができるためです。しかしながら、夏、秋に摘まれたお茶には、ボディ(ふくよかさ)が欠けているため、ブレンドすることで、ボディは弱まります。春摘み茶のみを仕入れることもできますが、非常に貴重で、値段もブレンド茶の倍以上します。にもかかわらず、春摘み茶の人気は高く、予約しないと売り切れてしまうのが実情です。私が興味があるのも春茶です。
プーアル熟茶の一次発酵
生茶に加工されたプーアル茶は、積み上げられ、散水されます。湿った茶葉は、パームの一種の木の皮から作られたシートで覆われます。高湿度ゆえに茶葉は細菌発酵し、その結果、温度が最高60-70℃と非常に高温になります。茶葉は45-50日静置されますが、5-7日おきに再度混合され、水分分布が均一になるように調節されます。
プーアル熟茶の2次発酵
1次発酵が完了した時点で、茶葉は発酵室の床に広げられ、自然乾燥が行われます。5−10日に一度茶葉は攪拌され、水分の分布状態が均一に整えられます。気候にもよりますが、自然乾燥は2-4週間要します。この工程中、カビや酵母が自然に増殖し、香りや、味に寄与します。
土のような劣化臭が発生する原因
大規模な生産を行っている工場などの場合、床面積の不足から、茶葉を厚く積み上げることがあります。厚く積まれた茶葉の場合、水分が内部にトラップされる為に、土のような不快な香りを生み出す原因となります。また、乾燥が不十分な状態、水分の分布が不均一で湿った茶葉が残っている場合、お茶は確実に劣化し、土のような香りが発生します。
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