プーアル熟茶の加工詳細
現在も雲南省に滞在しておりますが、今回の出張の重要な目的の1つはプーアル熟茶を探すことです。特に、ボディが強く、飲んだときに満足感が得られる熟茶を探しております。これまで熟茶の生産会社を数多くまわり、様々な観点から品質の絞り込みを行いました。熟茶の作り方は意外に知らない人が多いと思いますので、写真を交えて紹介したいと思います。

 

プーアル熟茶の原料事情

一般的にほとんどのプーアル熟茶は、茶園産の原料から作られます。理由はコストが安いためです。茶園産のお茶は、大量の肥料と共に栽培されるため、コクは期待できません。また、一般的な取り組みとして、春、夏、秋摘み茶がブレンドされます。そうすることで、値段を抑えることができるためです。しかしながら、夏、秋に摘まれたお茶には、ボディ(ふくよかさ)が欠けているため、ブレンドすることで、ボディは弱まります。春摘み茶のみを仕入れることもできますが、非常に貴重で、値段もブレンド茶の倍以上します。にもかかわらず、春摘み茶の人気は高く、予約しないと売り切れてしまうのが実情です。私が興味があるのも春茶です。

 

プーアル熟茶の一次発酵

生茶に加工されたプーアル茶は、積み上げられ、散水されます。湿った茶葉は、パームの一種の木の皮から作られたシートで覆われます。高湿度ゆえに茶葉は細菌発酵し、その結果、温度が最高60-70℃と非常に高温になります。茶葉は45-50日静置されますが、5-7日おきに再度混合され、水分分布が均一になるように調節されます。

ripe pu-erh process

一次発酵

プーアル熟茶の発酵

プーアル熟茶の一次発酵

 

プーアル熟茶の2次発酵

1次発酵が完了した時点で、茶葉は発酵室の床に広げられ、自然乾燥が行われます。5−10日に一度茶葉は攪拌され、水分の分布状態が均一に整えられます。気候にもよりますが、自然乾燥は2-4週間要します。この工程中、カビや酵母が自然に増殖し、香りや、味に寄与します。

土のような劣化臭が発生する原因

大規模な生産を行っている工場などの場合、床面積の不足から、茶葉を厚く積み上げることがあります。厚く積まれた茶葉の場合、水分が内部にトラップされる為に、土のような不快な香りを生み出す原因となります。また、乾燥が不十分な状態、水分の分布が不均一で湿った茶葉が残っている場合、お茶は確実に劣化し、土のような香りが発生します。
プーアル熟茶の2次発酵

プーアル熟茶の発酵

 

日本茶(緑茶)、中国紅茶、白茶、プーアル熟茶、プーアル生茶、ジャスミン茶、烏龍茶という厳選された茶葉7種のお試しセット

関連記事 RELATED ARTICLES

お茶に関する最新情報を確実にキャッチするには? SOCIAL NETWORK

1,Twitterをフォローする。2,FaceBookで「いいね!」を押す。3,メールマガジンに登録する。という3つの方法で、お茶に関する最新情報をキャッチすることができます。今すぐ下のツイッターフォローボタンや「いいね!」をクリック!

メールマガジン登録で無料サンプルをもらおう!
メールマガジンにご登録いただくと無料のサンプル茶葉のプレゼントや希少商品の先行購入など様々な特典がございます。ソーシャルメディアの購読だけでなく、メールマガジンへのご登録もお忘れなく!

HOJO TEAオンラインショップNEWS一覧を見る

東洞庭山産、無農薬無肥料の碧螺春を発売
碧螺春(Biluochun)は中国を代表する緑茶の一つで、その優れた品質と独特の風味で有名です。HOJOでは、無肥料無農薬栽培による、余韻の長い碧螺春をお届けします。 https://hojotea.com/item/g …
マレーシアで8年熟成の白鶯山古樹白茶2017を発売:トロピカルフルーツの香り
白鶯山古樹白茶2017を再度発売しました。同じ名称の商品をこれまでも販売しておりましたが、以前販売していたロットの商品は日本で熟成したお茶でした。今回発売する商品は8年間マレーシアで熟成をしたお茶になります。マレーシアの …

最新の記事 NEW ARTICLES

単株茶を含む2022年産の鳳凰単叢老欉を3種類発売
単株を含む、鳳凰単叢の老欉を3種発売しました。今回発売したお茶は以下の三種類です。何れも標高1200mの茶園産の茶葉原料から作られており、濃厚な香りと深い後味がする素晴らしいお茶です。 鳳凰単叢老欉夜来香 2022 鳳凰 …
東洞庭山産、無農薬無肥料の碧螺春を発売
碧螺春(Biluochun)は中国を代表する緑茶の一つで、その優れた品質と独特の風味で有名です。HOJOでは、無肥料無農薬栽培による、余韻の長い碧螺春をお届けします。 https://hojotea.com/item/g …
マレーシアで8年熟成の白鶯山古樹白茶2017を発売:トロピカルフルーツの香り
白鶯山古樹白茶2017を再度発売しました。同じ名称の商品をこれまでも販売しておりましたが、以前販売していたロットの商品は日本で熟成したお茶でした。今回発売する商品は8年間マレーシアで熟成をしたお茶になります。マレーシアの …
雲南省の稀少茶、大雪山野生白茶2024を発売
大雪山野生白茶2024の散茶を発売しました。 このお茶は、私達が実際に現地雲南省の産地に滞在し、現地で生産管理しながら作り上げたお茶です。 雲南省における野生茶の定義 これまで何度も説明しておりますが、雲南省 の人々は例 …
HOJO独自の新製法で実現した香り高い紅茶:雲南での挑戦
雲南省に1.5ヶ月滞在した期間中、良質な白茶やプーアル茶の生産はもちろん重要な課題でしたが、今回の大きな目標は、小ロット生産にも対応した新しい紅茶の生産方法を開発することでした。 一般的に雲南紅茶といえば、当店のラインア …
2024年の雲南省お茶シーズン:予想外の気温と収穫の混乱
長い雲南省の仕入れを終え、現在マレーシアのクアラルンプールに滞在しております。輸入したお茶の評価や海外用のお茶の発送など細かな手配が必要なため、クアラルンプールの会社に来月まで滞在予定です。 今年はシーズンの最初である3 …
2024年の白茶:理想的な天気と現地滞在で品質は上々
私たちが雲南省で力を入れているお茶の一つは白茶です。白茶は昔から、福建省と雲南省で作られてきました。 福建省の白茶は製茶はよく管理されている反面、慣行農園方式で肥料を用いた農業をしているため、原料の質に関して、私は満足で …
雲南のおもてなし文化:食事に込められた思い
中国では、挨拶代わりに「你吃饭了吗?」、つまり、「ご飯食べた?」と言うのが一般的ですが、雲南省にいると、色んな局面で、「吃饭」「吃饭」、ご飯食べていきなさいと言われます。ただ、長く雲南省に携わると、これらのご飯への誘いは …
野生茶を求め雲南省臨滄市南西部の山村へ
現在、雲南省臨滄市の南西部にてお茶の仕入を行っております。 当店にとって重要な商品の1つに野生茶があります。野生茶は製茶はもちろんですが、原料確保が一番大きな課題です。 今回、新たに野生茶が有る場所があるらしいと言う情報 …
雲南省のお茶産地にてプーアル茶、白茶、紅茶の生産
3月24日から中国の雲南省臨滄市の南西部、永德、鎮康県にてお茶の仕入れ、生産を行っております。 雲南省は世界一と言っても過言で無い極上の原料がある反面、生産に対する管理が甘いため、出来合のお茶を仕入れたのでは、理想とする …

PAGETOP