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雲南省で作られるプーアル生茶は茶葉が緑色をしており、緑茶と非常に似ていることから、緑茶と混同されることがあります。因みに、プーアル生茶と緑茶は製茶プロセスの上では全く同じです。唯一の違いは、緑茶は乾燥機で乾燥されるのに対し、プーアル生茶は天日乾燥により乾燥されます。プーアル茶は天日乾燥ゆえに天気によってお茶の品質が非常に影響されるお茶です。

プーアル生茶と緑茶の製茶工程

以下にプーアル生茶と緑茶の製茶工程を示します。

  1. 緑茶:萎凋(萎凋は種類によってする場合しない場合がある)→殺青(釜炒り)→揉捻(茶揉み)→乾燥(熱風)
  2. プーアル生茶:萎凋(萎凋は人によってする場合しない場合がある)→殺青(釜炒り)→揉捻(茶揉み)→乾燥(天日乾し)

因みに、茶色をしたプーアル茶(熟茶)は、プーアル生茶を原料として微生物発酵によって作られます。

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品質に大きく影響するプーアル茶の天日乾燥

天日乾しによる乾燥を基本とするプーアル茶の場合、天気によってお茶の出来が左右されます。
例えば、洗濯物をイメージして頂けると分かりやすいと思います。天気の良い日に干した洗濯物と、曇り、雨の日に干した洗濯物では香りが違います。
天気がよい日に乾されたプーアル茶は雑味・渋味が殆ど無く、非常にクリアーな味わいになります。逆に天気が優れない日に乾されたプーアル茶の場合、キノコのような独特の臭いを発し、渋味が感じられます。
この臭いは長期熟成を行った場合も消えることなく仄かに残ります。プーアル生茶の天日乾燥は水分の問題だけでなく、お茶の品質そのもの、更には、経年熟成時の品質にも影響する非常に重要な問題なのです。
製茶管理が行き届いている生産者の多くは、温室のような天日乾燥室を所有しております。ただし、天気が悪いと湿度自体が高くなるため、例え、天日乾燥室で乾燥したとしても、お茶は完璧な状態に仕上がりません。

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お茶産地における晴れの日の湿度は30%程度と非常に低いのに対し、雨が降ると、60%以上まで上がります。

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以下の写真は天日乾燥をしているところです。茶葉は定期的に真ん中にまとめられ、水分を再分布させたのち再び、広げられて乾燥されます。この作業を繰り返すことで、茶葉全体を満遍なく乾燥します。

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特注&バッチ管理をすることで乾燥状態を管理

雨はお茶の成長を早め、味を薄くする上に、乾燥不良による品質欠陥を招きやすいため、私にとって毎日の天気、また、山の上の茶園の天気は切実な問題です。
私の場合、全てのプーアル茶が特注生産ゆえ、生産者には、生産日毎にバッチ分けするようにお願いしており、品質不良のあるバッチは選ばないという方法を採ることで、乾燥不良のお茶を避ける対策を採っております。

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