多くの場合、プーアル茶原理主義者(他のお茶には目もくれずプーアル茶ばかりを飲む人)はプーアル茶を特別扱いしたがります。彼らが良く主張するのは「保存できるお茶はプーアル茶のみ」という点です。

保存法次第では劣化するプーアル茶

プーアル茶だって放置すれば劣化します。私からすると、明らかに酸化臭がしていても、プーアル茶原理主義者はそれを「熟成」と呼びます。
熟成も酸化の一部なので、紙一重かもしれませんが、いわゆる酸化臭を伴う劣化と、心地よいフルーティな香りを伴う熟成とはやはり異なります。
プーアル茶は新鮮な茶葉であっても烏龍茶のように華やかな香りがしないため、新鮮な状態から劣化が起こっても、判断しにくいのが実情です。
熟成が上手に行われたプーアル茶は、フルーティで甘い香りが凝縮されております。防御もせず、ただ、放置したお茶は、100%劣化します。

1.保管中における湿度で劣化

製茶直後のプーアル茶の水分は5-7%位に保たれております。このお茶を常温で保管した場合、お茶の葉は周りの水分を吸います。水分を吸った茶葉は、即劣化へと突き進みます。従来の心地よい香りが消滅し、蒸れ臭が生じます。

但し、恐ろしいことに蒸れ臭が生じ鮮度を失ったプーアル茶でも、プーアル茶原理主義者に見せると「熟成」と言い張り、彼らは決して劣化と認めようとしません。
実際、同じバッチのお茶でもきちんと密封して多湿を避けて保管されたお茶は、1年が経過しても心地よい香りを維持しております。

 

2.緊圧工程後の乾燥が不十分なとき

緊圧工程とは、既に製茶が完了した茶葉に水蒸気を加えて柔らかくし、圧力を加えて固めます。
お茶が収穫されるのは春ですが、作られた茶葉は散茶の状態で倉庫に保管され、注文を受けた際に順次緊圧→自然乾燥が行われます。
緊圧を行う時期は、雨期の時もあれば、真夏の時もあり、乾燥条件は安定しません。乾燥が適切に行われずに、プーアル茶の香りが損なわれることは良くある話です。

業者には緊圧後の乾燥に気をつけるよう繰り返しお願いしております。それでも、乾燥に失敗し、販売できなくなるケースもあります。
但し、熟成と劣化はどちらも酸化により起こるため、混同されがちですが、実際は酸化のメカニズムが異なります。
「良いお茶は良い香りがする」・・・熟成の有無に関係なく、これが基本だと思います。

緊圧
水蒸気で柔らかくされた茶葉はこうして緊圧されます。この後は「自然乾燥」にて乾燥が行われるため、その日の天気や湿度が仕上がりに大きく影響をします。

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