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これまで様々な条件でプーアル生茶(四双版納や无量山系)を数年保存し、熟成の仕方について評価をしてきました。

検証した保存方法

  1. 紙に来るんだ状態で日本の室内
  2. 紙に来るんだ状態でマレーシアの室内
  3. アルミバックに入れてシールをした上で日本の室内
  4. アルミバックに入れてシールをした上でマレーシアの室内
  5. アルミバックに入れ、酸素を除去した上で日本の室内
  6. アルミバックに入れ、酸素を除去した上でマレーシアの室内

マレーシアと日本の違いと言えば、マレーシアの場合、1年中30℃くらいに保たれている点です。
日本の場合、四季があるため、どうしても冬期には温度が低く熟成が進みません。
結果ですが、1と2については経年劣化したプーアル茶独特の、やや埃っぽい、藁のような香りと甘酸っぱいような香りがしました。仄かに土のような香りも生じておりました。3と4は、相対湿度が50%以下の時にアルミ袋に入れて、ヒートシーラーでシールしているため、内部は低湿度のままに維持されております。これはちょうど、雲南省の高地で保管されているのと同じような条件だと思います。
結果は1と2よりは遙かに良い香りでした。少し蜜のような香りが生じており、甘い香りがしました。ただし、はやり藁のような独特の香りがしました。

 

5と6については、茶葉は蜜のような甘い香りと、フルーツのような香りを発し、干し草のような、藁のような香りが殆どしません。一瞬紅茶か烏龍茶かと思うような香りです。特にマレーシアで保管した茶葉は、熟成が遙かに進んでおりました。
多くのプーアル茶マニアはプーアル茶は呼吸をしなければならないので、袋に入れたら駄目と言います。ただ、「呼吸ってなに?」と私は何時も不満に思っております。基本的に乾燥している状態の茶葉では、酵素も微生物も不活性であり、その様な概念はありません。熟成反応とは酸化反応の1つです。酸化と聞くと酸素が必要と思われるかも知れませんが、化学では酸化には幾つかの定義があります。

  1. 酸素を受け取る
  2. 水素を渡す
  3. 電子を渡す

つまり、酸素が無くても酸化反応は進むわけです。無酸素の状況ではポリフェノールが順序よく決まったルールに基づいて酸化されるため、理想とする香りを引き出すことができます。酸素が豊富にあると無秩序に酸化が進み、それは熟成ではなく、ただの劣化になります。
今回特に結果が良かったのは、マレーシアにて無酸素状態で保存したお茶でした。無酸素状態で高い温度の所に保管すると、熟成が早く進む事が分かりました。

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