プーアル生茶
プーアル生茶と熟茶はどちらも保存熟成が可能ですが、熟成のしかた・熟成の目的には違いがあります。プーアル茶は新茶で飲むのも美味しいですが、保存することでお茶の熟成が進み香りが変化します。プーアル茶は長く保存すればするほど品質が上がるという人がおりますが、保存と品質は関係ありません。安いワインを何年保存しても、質自体が向上しないのと同じで、お茶の本質的な品質要素である、コクやボディはミネラルが関係しており、保存期間に関係無く安定しております。

プーアル生茶の熟成期間は好み次第

プーアル生茶の場合、新茶が良いか、数年熟成、或いは10年レベルでの熟成が良いかと言う点は、極めて好みに依存します。事実、年齢の若い人、女性などは熟成度の低いお茶を好みますし、逆に、男性や年齢の高い方はしっかりと熟成されたお茶を好む傾向にあります。また、季節によっても好みは変化します。暖かい季節になると、あまり熟成が進んでないお茶が美味しく感じられ、逆に寒い季節になると、熟成が進みフルーツの香りがするお茶が美味しく感じられます。

プーアル生茶の経年変化

プーアル生茶は微発酵ゆえに熟成により年々香りが変化します。ゆえに、毎年新しいお茶を仕入れ、保存することで自分だけの香を作り上げるのはプーアル茶の醍醐味です。適切に保存したお茶の場合、以下のように香りが変化するのが一般的です。

  1. 新茶:白茶に近い花のような香り
  2. 1-3年:蜜のようなほのかな甘い香り
  3. 3-5年:フルーツやサトウキビのような甘い香り
  4. 5-12年:乾燥フルーツのような甘い香り

ただし、変化の速度は保存環境の温度に深く依存します。

プーアル熟茶の経年変化

次に熟茶についてですが、熟茶についても保存を行うことで香りの変化を楽しむことが出来ます。熟茶の場合、微生物の発酵を利用し、2ヶ月近く発酵を行うため、新茶の状態でも極めて高いレベルで酸化が進んでおります。熟成=酸化という事実を考えると、高度に酸化しているプーアル熟茶の場合、熟成しても生茶ほど劇的に変化することはありません。熟茶の場合、生茶と異なり、熟成したお茶の方が明らかに美味しいと感じる香りがします。適切な環境で熟成されたお茶の場合、乾燥フルーツの香りがより強く感じられます。ただし、生産管理が極めて上手な生産者の場合、新茶であっても乾燥フルーツの香りを作り出す場合があります。私のラインアップですと、宮廷金毫、无量山熟茶などがそれにあたります。これらのお茶のように新茶の段階で既にフルーツの香りがする場合、熟成によりどう変化するのか将来が楽しみです。私のラインアップにある茶頭や古樹春尖は、現時点ではやや荒削りな香りがしますが、3-5年熟成することでどんどん美味しさが増すお茶だと思います。
プーアル熟茶

お茶を保存する上で理想的な環境

  1. 出来るだけ無酸素
  2. 低湿度
  3. 出来るだけ高温

私は同じ銘柄のお茶を日本とマレーシアで保存しておりますが、通年の平均温度が高いマレーシアの場合、熟成速度が明らかに速く、日本で保存しているお茶の2-3倍の速度で熟成が進みます。

日本茶(緑茶)、中国紅茶、白茶、プーアル熟茶、プーアル生茶、ジャスミン茶、烏龍茶という厳選された茶葉7種のお試しセット

この記事に関連するHOJO Teaの商品


関連記事 RELATED ARTICLES

お茶に関する最新情報を確実にキャッチするには? SOCIAL NETWORK

1,Twitterをフォローする。2,FaceBookで「いいね!」を押す。3,メールマガジンに登録する。という3つの方法で、お茶に関する最新情報をキャッチすることができます。今すぐ下のツイッターフォローボタンや「いいね!」をクリック!

メールマガジン登録で無料サンプルをもらおう!
メールマガジンにご登録いただくと無料のサンプル茶葉のプレゼントや希少商品の先行購入など様々な特典がございます。ソーシャルメディアの購読だけでなく、メールマガジンへのご登録もお忘れなく!

HOJO TEAオンラインショップNEWS一覧を見る

大雪山野生茶(普洱生茶)2024の散茶を限定発売
大雪山野生茶は、雲南省臨滄市永徳県の大雪山に自生する野生のカメリアタリエンシスから作られたプーアル生茶です。 野生茶とは 野生茶とは、樹齢が高いお茶や野生化したお茶ではなく、山に自生している天然のお茶を指します。 過去に …
前川淳蔵作の伊賀天然朱泥急須、宝瓶各種入荷
前川淳蔵作の伊賀天然朱泥の茶器が入荷しました。 今回入荷したのは、丸型宝瓶、急須、絞り出し、茶海です。 https://hojotea.com/item/maekawa_iga.htm 数百年前に古琵琶湖の湖底に沈殿した …

最新の記事 NEW ARTICLES

大雪山野生茶(普洱生茶)2024の散茶を限定発売
大雪山野生茶は、雲南省臨滄市永徳県の大雪山に自生する野生のカメリアタリエンシスから作られたプーアル生茶です。 野生茶とは 野生茶とは、樹齢が高いお茶や野生化したお茶ではなく、山に自生している天然のお茶を指します。 過去に …
鳳凰単叢烏龍茶の産地、潮州市鳳凰鎮を訪問(2024)
先月、鳳凰単叢烏龍茶の産地である潮州市鳳凰鎮へ、仕入れと生産者との打ち合わせを兼ねて出張しました。ちょうど台風の時期と重なり、山から潮州に戻れなくなるなどのハプニングもありましたが、無事に仕入れを終えました。鳳凰鎮にはこ …
前川淳蔵作の伊賀天然朱泥急須、宝瓶各種入荷
前川淳蔵作の伊賀天然朱泥の茶器が入荷しました。 今回入荷したのは、丸型宝瓶、急須、絞り出し、茶海です。 https://hojotea.com/item/maekawa_iga.htm 数百年前に古琵琶湖の湖底に沈殿した …
佐渡島:渡辺陶三作、無名異上赤茶壺と宝瓶が入荷
渡辺陶三氏作の無名異常赤急須および宝瓶が入荷しました。今回の入荷品は、後手タイプが中心です。 https://hojotea.com/item/tozo_joaka.htm 非常に稀少な上赤 「上赤」は、佐渡島の相川金山 …
非常に稀少な野生茶、永徳野生白茶2024を発売
永徳野生白茶を発売しました。このお茶は2021年に一度発売されましたが、瞬く間に売り切れ、その後の入荷はありませんでした。質が高く、個性的な香りで当店でも非常に人気の高いお茶です。 永徳野生茶は、雲南省臨滄市永徳県で、牛 …
2024年産の古樹白茶を発売: 雲南省にて生産監修することで品質向上
2024年産の古樹白茶を発売しました。 今年は、私たちが自ら現地に滞在し、茶葉の選定から生産に至るまで現場で監修したことで、自信のある仕上がりになっております。 https://hojotea.com/item/w25. …
単株茶を含む2022年産の鳳凰単叢老欉を3種類発売
単株を含む、鳳凰単叢の老欉を3種発売しました。今回発売したお茶は以下の三種類です。何れも標高1200mの茶園産の茶葉原料から作られており、濃厚な香りと深い後味がする素晴らしいお茶です。 鳳凰単叢老欉夜来香 2022 鳳凰 …
東洞庭山産、無農薬無肥料の碧螺春を発売
碧螺春(Biluochun)は中国を代表する緑茶の一つで、その優れた品質と独特の風味で有名です。HOJOでは、無肥料無農薬栽培による、余韻の長い碧螺春をお届けします。 https://hojotea.com/item/g …
マレーシアで8年熟成の白鶯山古樹白茶2017を発売:トロピカルフルーツの香り
白鶯山古樹白茶2017を再度発売しました。同じ名称の商品をこれまでも販売しておりましたが、以前販売していたロットの商品は日本で熟成したお茶でした。今回発売する商品は8年間マレーシアで熟成をしたお茶になります。マレーシアの …
雲南省の稀少茶、大雪山野生白茶2024を発売
大雪山野生白茶2024の散茶を発売しました。 このお茶は、私達が実際に現地雲南省の産地に滞在し、現地で生産管理しながら作り上げたお茶です。 雲南省における野生茶の定義 これまで何度も説明しておりますが、雲南省 の人々は例 …

PAGETOP