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紫色をしたお茶の葉の秘密

[2006.09.13] Written By

花の色は うつりにけりな いたづらに わが身よにふる ながめせしまに

と小野小町が詩に詠んだように、花の色は変わっていきます。
私の家の近所にもアジサイがありますが、色の変化は早い物です。

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花の色は何故変わるのでしょうか?

色が変化する花の色素の多くは「アントシアニン」と呼ばれる物質と関係しております。赤ワインやブルーベリーに含まれる色素と類似の種類です。この「アントシアニン」が色の変化と大きく関係しております。

葉が緑に見えるのは、葉緑素が緑色を吸収できないため

実は目に見える色は、色素そのものの色ではなく、色素が吸収できない為に見える色なのです。
植物の葉は緑色です。葉緑素が入っているのだから当然ですが、実はこの葉緑素、緑の色だけ吸収することが出来ません。他の色は全て吸収できるのですが、緑だけ吸収できないため、緑色が目に見えるのです。
つまり、物質の構造と色とは密接な関係があります。「2重結合」という部位が増えるほど、物質はより濃い色に見えます。つまり、より多くの色が吸収できません。
黒色は光を全く吸収できないからそう見えるのです。逆に、水は光を皆吸収してしまうので透明なのです。
「つまり、2重結合の数が増えると・・・黄色→オレンジ→赤→茶と色が変化していきます。」(発色には物質内に含まれる金属も関係しているのですがこれに関してはややこしくなるので言及しません。)

アントシアニンは異なるpHで色が変わる特徴を持つ

アントシアニンの場合、凄い特徴があります。
それはpH(酸性とかアルカリ性とか)でアントシアニンの分子構造が少し変化します。変化することで、吸収できる(できない)色が変わってしまいます。
アントシアニンに酸を加えると→赤
アントシアニンにアルカリを加えると→青

因みに、お茶の葉でもアントシアニンを蓄える場合があります。
お茶の葉が紫色になるのです。

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日本の緑茶の場合、こうした紫化した茶葉は基準外として除外されます。アントシアニンは渋みが強い為、紫の葉が混入すると、見た目がおかしくなるだけでなく、味も悪くなるそうです。
一般に土壌の栄養バランスが悪い畑とか、茶木の生育状況が良くないと紫の葉が出現するそうです。
その昔、紫の葉で作ったお茶を異常に好んで飲んだ皇帝がいたそうです。また、特殊なプーアル茶の製造にも紫の葉が用いられるようです。
もし、紫の葉で作った緑茶をレモンなどで飲んだ場合、茶は赤色に変化するのでしょうね。

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