金色と銀色のお茶

[2006.12.26] Written By

紅茶には金色をしたお茶があります。お茶の幼い芽を使用しており作られ、ゴールデンチップとか、金芽と呼ばれ、高級紅茶の代名詞的に使われます。

他方、シールバーチップと呼ばれる、銀色の芽のお茶もあります。緑茶、白茶、時に烏龍茶にも見られます。
何故、同じお茶の木から作られるのに時に銀色だったり、金色だったりするのでしょう?
紅茶の場合、毛まで発酵して、茶色くなるのでしょうか?
GoldSilver_2.jpg
広西壮族自治区産の”金芽”:甘い花の様な香り、とボディある飲み心地が特徴 
まず、ゴールデンチップに関してですが、金色に見えるのは、茶葉そのものではありません。茶葉の実際の表面は黒茶色をしております。金色に輝いているのはお茶を覆っている毛なのです。実は、元々お茶に生えている毛は金色をしておりません。お茶の毛は、人間の赤ちゃんの産毛のように、白い色をしております。その白い毛がお茶を作る工程を経ることで、金色になるのです。勿論、毛も発酵しているわけではありません。
実は、茶葉を揉む過程(揉捻)により、茶葉のエキス分が表面に染み出します。染み出したエキス分にはタンニンを初めとするポリフェノールが酸化した成分を多く含むため、それらが毛に付着し・乾燥して、固着することで毛は金色に着色されるのです。
揉捻の際、揉む力が強すぎたり、取り扱いが煩雑だった場合、毛は抜け落ちてしまいます。また、揉捻が不均一だった場合、茶葉は均一な金色にならず、斑点状の模様が見られます。
GoldSilver_3.jpg
 金色の見た目に反し、とても濃い色が出ます。
逆にシルバーチップが何故銀色をしているかというと、お茶成分が殆ど付着していないためだからです。あまり強く揉まれずに作られるお茶に特徴的に見られます。その代表格の白茶は、萎凋→乾燥という非常にシンプルな工程により作られ、全く揉まれずに作られることから美しい銀色に輝いているのです。
GoldSilver_4.jpg
福建省産の白豪銀針:まるで銀狐のしっぽのように銀色の毛に覆われております。 
金色に輝く茶葉は揉まれることで、お茶のエキス分が出やすくなっている証。お茶を入れた際には、濃厚なボディが感じられます。反面、白茶のように全く揉まれていないお茶は、細胞が無傷の状態で温存されているため、味はやわらかく、また、お茶を淹れる際には普通のお茶よりも長めに待つことが必要です。
GoldSilver_1.jpg
白茶は非常にやさしい味と、甘い飲み心地が特徴です。子供でも飲めるお茶で、食後のお茶としても最適です。
何故、お茶には毛が生えているのでしょうか?若い芽は、葉と違って表面積が小さいのですが、成長するためには出来るだけ大気中の水分を吸収する必要があります。その為、毛で芽の表面をビッシリと覆うことで、茶葉の表面積を劇的に増加し、大気中の水分を捕捉しやすくしているのです。この他に、茶葉保護の役割等も考えられます。
 
日本茶にはない金と銀のお茶、試してみると意外に美味しいものです。

日本茶(緑茶)、中国紅茶、白茶、プーアル熟茶、プーアル生茶、ジャスミン茶、烏龍茶という厳選された茶葉7種のお試しセット

関連記事 RELATED ARTICLES

お茶に関する最新情報を確実にキャッチするには? SOCIAL NETWORK

1,Twitterをフォローする。2,FaceBookで「いいね!」を押す。3,メールマガジンに登録する。という3つの方法で、お茶に関する最新情報をキャッチすることができます。今すぐ下のツイッターフォローボタンや「いいね!」をクリック!

メールマガジン登録で無料サンプルをもらおう!
メールマガジンにご登録いただくと無料のサンプル茶葉のプレゼントや希少商品の先行購入など様々な特典がございます。ソーシャルメディアの購読だけでなく、メールマガジンへのご登録もお忘れなく!

HOJO TEAオンラインショップNEWS一覧を見る

長期熟成をした緬境野生茶2014年産を再発売
緬境野生茶 2014(生茶)マレーシア熟成 緬境野生茶 2014は、マレーシアと日本で長期保存をしており、しっかりと熟成が進んだお茶です。 このお茶は数ヶ月間、有酸素で雲南省で保存し、その後無酸素にて追加熟成をしておりま …
自社開発した新製法にて自分たちで仕上げた野生紅を発売
野生紅のロットが2024年産に切り替わりました。 通常であれば特にお知らせすることはありませんが、今回の切り替えには大きな意味があります。 2024年産の野生紅から、私たちが開発した新しい製法を用い、私たち自身の手で作っ …

最新の記事 NEW ARTICLES

長期熟成をした緬境野生茶2014年産を再発売
緬境野生茶 2014(生茶)マレーシア熟成 緬境野生茶 2014は、マレーシアと日本で長期保存をしており、しっかりと熟成が進んだお茶です。 このお茶は数ヶ月間、有酸素で雲南省で保存し、その後無酸素にて追加熟成をしておりま …
自社開発した新製法にて自分たちで仕上げた野生紅を発売
野生紅のロットが2024年産に切り替わりました。 通常であれば特にお知らせすることはありませんが、今回の切り替えには大きな意味があります。 2024年産の野生紅から、私たちが開発した新しい製法を用い、私たち自身の手で作っ …
ミャンマー国境隣接地域産 鎮康古樹熟茶2022 発売
鎮康古樹熟茶2023を発売しました。 普段飲みに適した価格帯のお茶を目指し、非常に僻地の産地から茶葉を仕入れています。 https://hojotea.com/item/d154.htm ミャンマーとの国境を接する鎮康県 …
祁門紅茶の再入荷
暫く品切れになっていた祁門紅茶が入荷しました。 https://hojotea.com/item/b01.htm 祁門紅茶工場産の祁門紅茶 祁門紅茶は安徽省祁門県産の紅茶で、世界的にも知られる銘茶のひとつです。祁門県には …
フルボディの高級熟茶、忙肺古樹熟茶2023 200g餅茶を発売
忙肺古樹熟茶2023を発売しました。当店の熟茶の中でもトップレベルの非常に高品質な熟茶です。 臨滄市永徳県を代表するプアール茶の名産地 忙肺(Mang Fei)は、漢字の意味だけを見ると奇妙な地名ですが、もともと当地の少 …
火地古樹生茶 2022を発売
火地古樹生茶 2022を発売しました。 数年間の熟成を経て、爽やかで透明感のある甘い香りが際立つお茶です。 高山の自然栽培茶園産 火地は私達がお付き合いしている農家が保有する、臨滄市南西部に位置する永德県の標高2100m …
東山生茶 2024の散茶を発売
東山生茶 2024の散茶を発売しました。実は、東山の散茶を販売するのは今回が初めてです。 https://hojotea.com/item/d63.htm 雲南省臨滄市鎮康県の高山地帯で収穫された老樹茶 東山生茶2024 …
なぜお茶は渋いのか?渋味の原因と仕組みを紐解く
お茶には渋味を全く感じないものもあれば、非常に強い渋味を持つものもあります。では、この渋味の原因は何なのでしょうか?ここでは、渋味の原因とそのメカニズムについて解説します。 渋味の原因 渋味は、お茶の成分が口腔内のタンパ …
鳳凰単叢老欉蜜蘭香 2023を発売
鳳凰単叢老欉蜜蘭香2023を発売しました。 https://hojotea.com/item/houou.htm 鳳凰単叢は広東省潮州市を代表する烏龍茶で、老欉は樹齢の高い茶樹から収穫された茶葉を使ったお茶を指します。 …
湯を沸かす熱源によって変わるお茶の味香り
お茶を淹れる際に使うお湯ですが、やかんの材質によってお湯の味が変わることはよく知られておりますが、実は、やかんの材質以外に、湯を沸かす熱源の種類によっても味が大きく変化することをご存じでしょうか? 同じヤカンでも、熱源に …

PAGETOP