銘茶は灰になっても水を円やかにする

[2012.04.22] Written By

お茶価値を評価する上で重要なのは、喉越しに現れる原料の品質と香りの個性です。
香りは有機化合物、そして、コクはミネラル(つまり無機化合物)によって形成されるというのが私の持論です。
この考えを検証するためにある実験を行いました。
準備したのは、品質が高く喉越しの強い茶葉。今回は太平猴魁を使いました。
これを火で完全に燃やし、炭化させました。
この時点で有機化合物は全てが酸化し、全く残存しておりません。ミネラルは無機化合物なので、燃やしても残ります。
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使用した太平猴魁の茶葉。
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完全に燃え切るまで火で燃やしました。辺り一面は焼き茄子の香りで一杯になりました。
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燃やした後の茶葉は、炭化し、半分灰のようになっておりました。手で触ると、ボロボロと崩れ落ちました。
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この炭化した茶葉でお茶を淹れ、味の変化を調べました。

  1. 湯のみ
  2. 湯+茶葉の炭
  3. 湯+普通の茶葉

当初の予想通り、2と3は同じ深さのコクを示ししました。このことにより、お茶のコクにはミネラルが関係している事が確認できました。炭化した茶葉を湯に入れた物については、ボロボロの炭にもかかわらず、湯の味が軟らかに変化し、感動的でした。炭化しても水をやわらかくする効果に変化がないという点が非常に興味深いですね。
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