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- お茶の成分と効能
鉄の摂りすぎが引き起こす味覚障害
- [2011.12.12] Written By 北城 彰(Akira Hojo)
ここ数ヶ月間、私はこれまでのような正確なテイスティングが出来なくなってしまいました。高品質のお茶を飲んでもあまり美味しいと感じないのです。いぜんは乾燥茶葉の香りを嗅いだだけで簡単にお茶の品質が判断できたのですが、しっかりと色んな角度から評価を行わないと品質判断が出来ない状況になり、非常に焦りを感じておりました。
因みに、私のような高級茶買い付けのプロだからといってテイスティング能力が人並み以上だとか、犬並に良いわけではありません。私は職業柄多くのお客さんと一緒に試飲をすることがありますが、明らかに私よりもテイスティング能力に優れているお客さんはたくさんおります。ただ、職業として良いお茶を仕入れると言うことになると、テイスティングの「能力」ではなく、「方法」が重要になります。勿論人は体調によって、味をより鮮明に感じるときとそうでないときがあります。風邪をひいていたり、食中毒などの体調不良時でも品質の評価は正確にやらねばなりません。この為に重要なのは、複数の異なる品質の評価方法です。私の場合、様々な五感を使った10通り位の評価方法があり、状況により特定の評価方法を組み合わせることで、客観的な評価が出来るように努めております。そんなわけで、取りあえずお茶の評価は出来るのですが、自分のテイスティング能力が落ちているのが明白ゆえ、ストレスを感じ、また、数ヶ月間、悩み続けておりました。
私の知り合いに、鉄過剰症の人がおり、この人は定期的に献血を行っておりますが、彼は定期的に味覚が鋭くなったり鈍くなったりしておりました。
この点に気がついたことで、ある仮説が頭をよぎりました。「過去6ヶ月位、あまりに高品質のお茶を、高品質な茶器で飲み続けたために、鉄分を取りすぎてしまったのではないだろうか?」つまり、鉄分の過剰摂取により、体が「もういらん」と暗にアピールしているような気がしました。私の友人でウイスキーの専門家がおりますが、彼も同じような事を言っておりました。高級なウイスキーを連続して飲み続けた結果、良いウイスキーも安いウイスキーも混同するほどに味覚がおかしくなったそうです。
この点に気がついたことで、ある仮説が頭をよぎりました。「過去6ヶ月位、あまりに高品質のお茶を、高品質な茶器で飲み続けたために、鉄分を取りすぎてしまったのではないだろうか?」つまり、鉄分の過剰摂取により、体が「もういらん」と暗にアピールしているような気がしました。私の友人でウイスキーの専門家がおりますが、彼も同じような事を言っておりました。高級なウイスキーを連続して飲み続けた結果、良いウイスキーも安いウイスキーも混同するほどに味覚がおかしくなったそうです。
殆どの人は慢性的に鉄が不足しております。この為、体が鉄を求めており、鉄分を含む食品を口にしたときに「美味しい」と感じることで、美味しい食品、つまり、鉄分の多い食品を摂取するようにプログラムされていると思います。
体が疲れると甘い物が欲しくなったり、ビールを飲むと塩辛い食品が欲しくなるのと同じで、体は必要なものを求め続けております。
高級茶・高級ワイン・高級ウイスキーを飲んで美味しいと感じるのは、含まれている鉄分が体に必要がゆえだと思います。
テイスティング能力は全体に女性の方が安定して男性よりも優れております。これは、女性が定期的に血液を失うことと関係しているのかも知れません。
体が疲れると甘い物が欲しくなったり、ビールを飲むと塩辛い食品が欲しくなるのと同じで、体は必要なものを求め続けております。
高級茶・高級ワイン・高級ウイスキーを飲んで美味しいと感じるのは、含まれている鉄分が体に必要がゆえだと思います。
テイスティング能力は全体に女性の方が安定して男性よりも優れております。これは、女性が定期的に血液を失うことと関係しているのかも知れません。
そこで、クアラルンプールの掛かり付けの医者へ行きました。
上記の仮説を説明し、必要な分析をしたいとお願いしたところ、血液を様々な角度から調べてくれることになりました。
(掛かり付けの医者を持っておくと便利ですね。KLの医者も私の仮説に大変興味を感じ、色んな事に進んで協力してくれました。)
こうして私の血液は分析センターに送られ、晴れて成分分析が行われました。以下、鉄の項目部分の抜粋です。
![iron test](https://hojotea.com/contents/wp-content/uploads/201112120953000d6.jpg)
その結果、案の定、鉄分が多すぎることが判明しました。
TIBC(Total Iron Binding Capacity)と言って、鉄の総結合能力が下がり、鉄飽和度が上がっており、更に、フェリチンという鉄の貯蔵蛋白の量が増えておりました。つまり、鉄分がかなり飽和状態になっていることが判明しました。良い物ばかり飲んだり食べたりしていると、鉄人になってしまうんですね。上記の状況は肝機能の低下や、感染症などでも発生しますが、肝機能、腎機能共に正常で、肝炎をはじめとする感染症も全く見られませんでしたので、やはり良いお茶の飲み過ぎが原因のようです。
上記の仮説を説明し、必要な分析をしたいとお願いしたところ、血液を様々な角度から調べてくれることになりました。
(掛かり付けの医者を持っておくと便利ですね。KLの医者も私の仮説に大変興味を感じ、色んな事に進んで協力してくれました。)
こうして私の血液は分析センターに送られ、晴れて成分分析が行われました。以下、鉄の項目部分の抜粋です。
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その結果、案の定、鉄分が多すぎることが判明しました。
TIBC(Total Iron Binding Capacity)と言って、鉄の総結合能力が下がり、鉄飽和度が上がっており、更に、フェリチンという鉄の貯蔵蛋白の量が増えておりました。つまり、鉄分がかなり飽和状態になっていることが判明しました。良い物ばかり飲んだり食べたりしていると、鉄人になってしまうんですね。上記の状況は肝機能の低下や、感染症などでも発生しますが、肝機能、腎機能共に正常で、肝炎をはじめとする感染症も全く見られませんでしたので、やはり良いお茶の飲み過ぎが原因のようです。
今の私に出来ることは定期的な献血をすることで鉄を消費することだと思います。
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