天然朱泥の能力!

[2008.09.07] Written By

マレーシアの店に無名異焼が入荷しました。
今回は合計8個入れたのですが、入荷を心待ちにしていたお客さんが即購入して下さり、1週間もしない内に残り数が少なくなりました。
私は国産の天然朱泥急須では無名異がダントツだと思います。
無名異の場合、その全てが金鉱から産出した天然の朱泥から作られております。
その反面、常滑の場合、今となってはその殆どが酸化鉄等のミネラルを添加することで赤く発色させており、私の言うところの朱泥ではありません。
中には、超希に本物の朱泥を使っている作家もおりますが、余りに合成系の赤急須が多いため、ある特定の急須が天然の朱泥なのかどうか判断する基準がありません。
もう一点、佐渡無名異の急須の場合、急須自体に厚みがあり、手に取るとずっしりと感じられます。
それに対し、常滑では作家の殆どが薄く作ることに美意識を感じており、努めて薄く作られております。確かに、横に持ち手を付けた場合、急須の厚みが増し、重くなりすぎた場合、重心の位置がずれるため、薄い急須のほうが「扱いやすい」かもしれません。
ただ、従来発酵茶に適している朱泥の場合、高温でお茶をいれる事を前提としているため、厚さ=断熱(保熱)効果であり、厚い方が圧倒的にお茶が美味しくはいります。
今回入荷した無名異焼を見ている内に、どうしても自分でも試したい衝動に駆られ、商品の一つを店で使う事にしました。
早速、烏龍茶をいれ、汎用品の合成赤急須と比較してみましたが、その結果は顕著でした。
まず、お茶を飲んだときに、温度が全く異なっておりました。
無名異でいれたお茶はとても熱く、瞬時にその差が分かりました。
次に、無名異でいれたお茶の場合、香りがスッキリしており、それに対し、汎用急須で淹れたお茶は、お茶の酸化臭が仄かに感じられ、また、苦味も感じられました。これは烏龍茶を低めの温度で淹れたときに感じられる特徴的な香りでした。
更に、茶葉が冷えた後に、急須内に残った茶葉の香りをかいでみたところ、無名異焼と汎用急須とでは全く異なる香りがしておりました。無名異からはスッキリした香りがするのに対し、汎用急須からはやや茶葉が痛んだような香りが感じられました。天然朱泥の場合、温度が圧倒的に高いため、1煎目で茶葉の不快臭が完全に除かれ、2煎目以降温度を意図的に落としても、同じように美味しくはいることが分かりました。

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