飛行機で品質が劣化する？海外で購入したお茶の正しい運び方 | お茶の専門店HOJO

中国や台湾、スリランカへ旅行した際、お茶を買われると思いますが、飛行機に乗るときにどうされてますか？輸送方法を誤ると、せっかく購入したお茶が一瞬で劣化します。

チェックインした荷物で運んだお茶だけが劣化

昔の話ですが、中国で鳳凰単叢烏龍を仕入れた際、自分で飲む分と、お土産にに数キロのお茶を買いました。その際、半分はチェックインラゲッジとして預け、残りの半分は手荷物として持ち帰りました。
数日後、両方をテイスティングしたのですが、預けた荷物の方に入っていたお茶の香りが劇的に変化しておりました。同じお茶だったとは思えないほどの変化に驚きました。簡単に言うと、手荷物で運んだほうのお茶は鮮度を保っており、現地でテイスティングしたサイト全く同じ状態だったのに対し、チェックインした方は酸化臭がしておりました。

チェックインしたお茶だけが劣化した理由

飛行機内の気圧はと温度は上空で下がる

航空機の荷物室ですが、高度が上がると0.8気圧くらいになります。客室でもポテトチップスの袋が膨らみますが、気圧が下がっているためです。
また、荷物室は温度が客室のように調節されておりません。この為、チェックインした荷物は最低で０度位まで温度が下がります。荷物を受け取るとスーツケースがヒンヤリしているのはこの為です。
 

中国では袋が完全に密封されていることはまれ

袋が最新型のシーラーで100%シールされており、袋の素材も良いものが使用されていれば、全く問題ないのですが、中国でお茶を購入した場合、まずその様な事はまずありません。その殆どが、ピンホールだらけの袋だったり、紐で縛ってあるだけだったり、シールされていても漏れがあります。また、中国で使用されている袋の殆どが薄手の素材を使用しているために、輸送中のスレや打撃により簡単にピンホールが生じます。
 

減圧され、冷却されたお茶はいとも簡単に結露、そして、劣化する

お茶の袋のシールが不完全な場合、空港到着後の暖かい外気にお茶が触れるためにそく結露を起こします。
ピンホールなどの目に見えないほどの微少な穴でも、上空で減圧されて袋内部が陰圧になっている為、外部の空気を吸い込みます。

冬場なら良いですが、春〜秋にかけて、外の空気はお茶よりも暖かいため、お茶の表面には瞬時に結露が生じ、そして、お茶は数日もしないうちに劣化してしまいます。

私の場合、年間何度となくお茶を輸入するため、専門の対策を施しており、輸送時にお茶が劣化しないようにしております。
一般の人は海外でお茶を購入した場合、「必ず手荷物」で持参することが重要です。

著者・文責：北城 彰（Author：Akira Hojo）株式会社HOJO代表（CEO）

お茶の専門家として、中国、台湾、インド、日本のお茶を仕入れ、自社ブランドにて日本国内及び世界に販売。年間3ヶ月は中国台湾の現地に滞在し、生産管理、仕入れに従事。マレーシアの首都クアラルンプールThe Gardens Mallにて直営店HOJO Tea SDN BHDを運営中。

静岡県立大学大学院　食品栄養科学 修士（Master of Food and Nutritional Sciences）

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