ジャスミンパールの新茶

[2012.01.09] Written By

ジャスミンパールが2011産のお茶に変わりました。
ジャスミン茶の場合、ベースとなる緑茶は春に摘まれるのですが、ジャスミンの花の香りがもっとも良いのが夏になるため、夏以降に着香が行われ、実際に新茶が入荷してくるのは秋になります。
これまでの品質も割と良かったのですが、今回は原料が特に良く、満足の行く品質に仕上げることが出来ました。
昨年はお茶の当たり年だった事もあり、全体に緑茶の品質が良かったのですが、味の深さの点で、より深く、香りに厚みが出ました。余韻が続くため、しっかりとした味を楽しんで頂けます。
また、香り付に関し、昨年よりも花と混ぜる回数を増やし方法も色々と工夫した為、香りがより強くなり、その結果、淹れられる回数が格段に増えました。
更に、2011年産のジャスミン茶から大きな改善が行われました。
それは、ジャスミンの生産会社に高性能のシーラーを導入した点です。
通常、中国の殆どの会社では輸出時に袋に詰めて縛るのが普通です。
使用する袋も薄手のアルミ蒸着袋ゆえに、100%どこかにピンホール又は、キズがあり、密閉性がありません。
このような包装形態で輸出を行った場合、飛行機の荷物室は季節に関係無くマイナス50℃の温度であり、お茶は猛烈に冷えた状態で日本に到着します。
どれだけ空港が冷えていたとしても、-50℃と言うことはなく、その結果お茶には水分が凝縮し、結露します。
いったん結露が生じた場合、数日で茶葉は完全に酸化し、香りと味が生じます。
中国から帰国する際に、同じお茶を「手荷物」と「チェックインラゲッジ」の2種類で持ち込むと、その差は顕著です。
チェックインした方のお茶は、荷物室(-50℃)にて保管されるため、明らかに品質が劣化します。
袋が縛られていても意味がありません。
冷えた茶葉の周りの空気は陰圧になります。このため、ちょっとでも隙間があると、外気を吸い込みます。
安い、中国で一般に市販されているようなシーラーでは、シール面にシワが入るために、そこから空気が通うことが私達の実験で分かっております。
このような理由から、日本で飲まれるお茶の多くが、中国で飲まれている従来の品質ではありません。
勿論、店頭で量り売りをしているお茶は、論外です。
この方法では、お茶の品質は決して管理できません。見た目は格好良いですが、確実に品質劣化が見られます。
この問題を解消して、中国で製茶されたままの品質を日本に届けるために、今年から大きな改善を行いました。
まず、私が指定する種類のシーラーを導入して貰い、シール面が確実に密閉されるように改善しました。
次に、使用する袋の材質ですが、これまでのような薄い素材のアルミ蒸着袋から、厚手の袋に変更しました。
また、包装を2重にすることで、万が一の空気漏れに備えました。
これらの改善により、輸送中の結露を完全に無くすことに成功しました。
そんなわけで、新しいジャスミン茶は非常に香りが良いです。
今年は昨年に引き続きジャスミン茶の値段が猛烈に高騰したため、これまでの値段を据え置くかどうか非常に悩みました。
しかし、ジャスミン茶は非常に人気のある商品ゆえに、今年は値段を変更しないことに決定しました。
来年も高騰が続いた場合には値段を調整しないと厳しそうです。

日本茶(緑茶)、中国紅茶、白茶、プーアル熟茶、プーアル生茶、ジャスミン茶、烏龍茶という厳選された茶葉7種のお試しセット

関連記事 RELATED ARTICLES

お茶に関する最新情報を確実にキャッチするには? SOCIAL NETWORK

1,Twitterをフォローする。2,FaceBookで「いいね!」を押す。3,メールマガジンに登録する。という3つの方法で、お茶に関する最新情報をキャッチすることができます。今すぐ下のツイッターフォローボタンや「いいね!」をクリック!

メールマガジン登録で無料サンプルをもらおう!
メールマガジンにご登録いただくと無料のサンプル茶葉のプレゼントや希少商品の先行購入など様々な特典がございます。ソーシャルメディアの購読だけでなく、メールマガジンへのご登録もお忘れなく!

HOJO TEAオンラインショップNEWS一覧を見る

東洞庭山産、無農薬無肥料の碧螺春を発売
碧螺春(Biluochun)は中国を代表する緑茶の一つで、その優れた品質と独特の風味で有名です。HOJOでは、無肥料無農薬栽培による、余韻の長い碧螺春をお届けします。 https://hojotea.com/item/g …
マレーシアで8年熟成の白鶯山古樹白茶2017を発売:トロピカルフルーツの香り
白鶯山古樹白茶2017を再度発売しました。同じ名称の商品をこれまでも販売しておりましたが、以前販売していたロットの商品は日本で熟成したお茶でした。今回発売する商品は8年間マレーシアで熟成をしたお茶になります。マレーシアの …

最新の記事 NEW ARTICLES

単株茶を含む2022年産の鳳凰単叢老欉を3種類発売
単株を含む、鳳凰単叢の老欉を3種発売しました。今回発売したお茶は以下の三種類です。何れも標高1200mの茶園産の茶葉原料から作られており、濃厚な香りと深い後味がする素晴らしいお茶です。 鳳凰単叢老欉夜来香 2022 鳳凰 …
東洞庭山産、無農薬無肥料の碧螺春を発売
碧螺春(Biluochun)は中国を代表する緑茶の一つで、その優れた品質と独特の風味で有名です。HOJOでは、無肥料無農薬栽培による、余韻の長い碧螺春をお届けします。 https://hojotea.com/item/g …
マレーシアで8年熟成の白鶯山古樹白茶2017を発売:トロピカルフルーツの香り
白鶯山古樹白茶2017を再度発売しました。同じ名称の商品をこれまでも販売しておりましたが、以前販売していたロットの商品は日本で熟成したお茶でした。今回発売する商品は8年間マレーシアで熟成をしたお茶になります。マレーシアの …
雲南省の稀少茶、大雪山野生白茶2024を発売
大雪山野生白茶2024の散茶を発売しました。 このお茶は、私達が実際に現地雲南省の産地に滞在し、現地で生産管理しながら作り上げたお茶です。 雲南省における野生茶の定義 これまで何度も説明しておりますが、雲南省 の人々は例 …
HOJO独自の新製法で実現した香り高い紅茶:雲南での挑戦
雲南省に1.5ヶ月滞在した期間中、良質な白茶やプーアル茶の生産はもちろん重要な課題でしたが、今回の大きな目標は、小ロット生産にも対応した新しい紅茶の生産方法を開発することでした。 一般的に雲南紅茶といえば、当店のラインア …
2024年の雲南省お茶シーズン:予想外の気温と収穫の混乱
長い雲南省の仕入れを終え、現在マレーシアのクアラルンプールに滞在しております。輸入したお茶の評価や海外用のお茶の発送など細かな手配が必要なため、クアラルンプールの会社に来月まで滞在予定です。 今年はシーズンの最初である3 …
2024年の白茶:理想的な天気と現地滞在で品質は上々
私たちが雲南省で力を入れているお茶の一つは白茶です。白茶は昔から、福建省と雲南省で作られてきました。 福建省の白茶は製茶はよく管理されている反面、慣行農園方式で肥料を用いた農業をしているため、原料の質に関して、私は満足で …
雲南のおもてなし文化:食事に込められた思い
中国では、挨拶代わりに「你吃饭了吗?」、つまり、「ご飯食べた?」と言うのが一般的ですが、雲南省にいると、色んな局面で、「吃饭」「吃饭」、ご飯食べていきなさいと言われます。ただ、長く雲南省に携わると、これらのご飯への誘いは …
野生茶を求め雲南省臨滄市南西部の山村へ
現在、雲南省臨滄市の南西部にてお茶の仕入を行っております。 当店にとって重要な商品の1つに野生茶があります。野生茶は製茶はもちろんですが、原料確保が一番大きな課題です。 今回、新たに野生茶が有る場所があるらしいと言う情報 …
雲南省のお茶産地にてプーアル茶、白茶、紅茶の生産
3月24日から中国の雲南省臨滄市の南西部、永德、鎮康県にてお茶の仕入れ、生産を行っております。 雲南省は世界一と言っても過言で無い極上の原料がある反面、生産に対する管理が甘いため、出来合のお茶を仕入れたのでは、理想とする …

PAGETOP