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白牡丹と言う名称の白茶を発売しました。純粋においしい白牡丹を求めようと思った場合、3月摘みのお茶にこだわる必要があります。このため、私は3月の20日過ぎに福建省の福鼎へ行き、その時に生産された白牡丹を仕入れました。産地である、中国福建省の福鼎では一般に、春一番に出た芽は白毫銀針に使われ、芽を摘んだ残りの2葉や、2番茶以降の茶葉が白牡丹に加工される傾向があります。このことから、世の中に流通している白牡丹のほとんどが4月以降に摘まれたお茶で、なかには5月に摘まれたお茶も多く存在します。
3月摘みのお茶にこだわる理由
なぜ、3月摘みにこだわる必要があるのか説明したいと思います。
お茶と言うのは、葉や芽を摘んでも数週間後には再び新しい芽が出てきます。つまり、何度も摘もうと思えば、繰り返し摘むことが出来ます。日本では考えられませんが、中国などでは茶摘みの回数が多い茶園になると年間12回もお茶を摘むところがあります。
当然、春先の寒い時期に生えてくる芽と、暖かい時期では芽の成長する速度が異なります。山菜と同じで、春先に時間をかけてゆっくりと成長した芽のほうがおいしいわけですが、具体的な違いは以下の点です。
ボディ
遅い時期に摘まれたお茶になればなるほど、ボディは弱くなる傾向にあります。ボデイは味の重量感と香りの広がりに関係しておりますので、ボディが弱くなるとお茶がよりあっさりとした味になり、サッパリとした味になります。タラの芽のような山菜でもそうですが、春1番に摘まれた山菜は、濃厚な味とボディが感じられますが、1度摘んだ後、2番目3番目に生えてきた芽はサッパリとした味がします。
コク
コクについては、収穫時期が遅くなったからといって弱くなるとは限りません。お茶によっては、2番茶でもコクが強い場合もあります。
渋味
渋味は特定の種類のカテキンが関係しており、一般的に摘むタイミングが後になればなるほど強い渋味を呈するようになります。
つまり、遅い時期に摘まれたお茶と言うのは、味があっさりとしており、香りに広がりが無く、飲み終わったたとに渋味が感じられます。私にとって、理想とする白茶は、味わいが軟らかく、口の中でとろけるような甘みのあるお茶です。このようなお茶を仕入れるためには茶葉の収穫時期は厳密に管理する必要があります。
お茶を摘んだ時期をだいたい見分ける方法
茶葉から摘んだ時期を見分ける方法ですが、一番簡単なのは、お茶をいれた後の茶殻を指でつまんでみることです。春一番に摘まれたお茶はやわらかく、弾力があります。細胞が小さく数が多いためにそのような触感になるのです。それに対し、4月や5月に摘まれたお茶になると、ばさばさしており、ひどい物になるとゴワゴワしております。
火入れをしない毛茶の仕入れ
今回仕入れた白牡丹は、最後の火入れ工程を意図的にスキップしてもらいました。近年、福州や福鼎では白茶に強めの火を入れる事で香ばしい香りを付与しております。
ただ、100℃以上の温度でベイキングをするため、お茶に含まれる揮発性成分が酸化し、ふんわり感が失われます。また、生産者の多くは火をいれた後に茶葉を瞬間冷却しておりません。このため、多くの場合、結露により白茶が汗をかいてしまい、それが原因で更なる酸化劣化が生じます。私が仕入れたお茶に関しては火をいいれる工程を抜いて貰い、代わりに即シールをして出荷して貰いました。
熟成で化ける白茶
白牡丹は熟成させるとブドウのような香りが生じることでも知られております。熟成を希望される人は未開封の状態(脱酸素状態)で暖かい場所に保管してみてください。年間平均温度が高ければ高いほど理想的です。数年後に自分だけのオリジナル白茶に変わっていると思います。
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