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私が台湾へ毎年行く大切な理由の1つが、深く発酵された傳統式の重発酵凍頂烏龍を仕入れるためです。

発酵とは

台湾の烏龍茶ですが、最近は非常に発酵度が低くなっております。発酵とは単純に=酸化と言うことではなく、「制御された酵素的な酸化」を指します。
お茶は揉んで放置しておいても、揉まずに放置しておいても自然と酸化は進みますが、これは発酵とは異なります。発酵というのは、人にとって有益な反応を指す言葉で、お茶の場合は、水分、湿度や攪拌による反応速度を制御することで、理想とする香りを引き出す作業の事です。お茶を放置しても酵素反応は進みますが、それによって生じる香りや個性は必ずしも人間にとって有益ではないため、この場合は劣化と呼びます。

 

烏龍茶の発酵

烏龍茶の場合、原料として収穫された茶葉に、萎凋と言って徐々に水分を落としつつ適度な攪拌を加えることで、細胞に脱水ストレスと、外圧が加わり発酵が徐々に進行します。最初の内は水分が高い為、酵素が反応しやすく、攪拌しすぎると反応は取り返しが付かないほどに進行します。酵素反応が急速に進んだ場合、タンニンのような重合体が形成され、花やフルーツのような香りは生じません。
この為、烏龍茶作りにおける初期段階は、非常に穏やかな攪拌をしつつ、水分が少なくなるように制御します。水分がある程度少なくなれば、酵素反応はゆっくりとしか進行するため、時間をかけて穏やかに攪拌し酸素と茶葉に含まれる液を混ぜます。台湾の烏龍茶はこの発酵工程が比較的短く、反応を初期段階で止めます。この為、成分的にはポリフェノールが僅かに酸化した状態で反応が止まっており、その際に生じる低分子の副産物ゆえに花のような清涼感ある香りがします。
伝統式凍頂烏龍

非常に珍しい重発酵の台湾烏龍茶

今回、台湾で最も仕入れたかった烏龍茶の1つが発酵を深く行った重発酵タイプのお茶です。これは、発酵時間や攪拌する回数が通常のお茶よりも極端に長く、それゆえにより発酵が深いお茶です。
このお茶は伝統式凍頂烏龍という名前で販売しておりますが、重発酵のタイプは火が全く入っておりません。発酵をひたすら長く行うことで、香りがより複雑で、花のようでフルーツのような何とも形容しがたい香りがします。

2年ぶりの入荷

最近では労力とコストの関係から、重発酵の台湾茶は非常に珍しく、入手が難しく、昨年は販売することが出来ませんでした。今年は非常に出来が良く、1年販売できるだけの量を仕入れることが出来たためホッとしております。

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