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私の家には数本のお茶の木があります。土手に生えているため、ある意味自然栽培方式で管理しており、割と味の良いお茶です。私はこのお茶を年数回摘み、自分で色んなお茶に加工します。私の仕事はお茶を仕入れることですが、近年多くのお茶を特注で生産するため、基本的に自分でも生産を深く理解しておく必要があります。このため、お茶を実際に作ることは、生産方法への理解度を再確認できると共に、注意すべき点を浮き彫りにすることが出来ます。ある意味、お茶の作り方を自分が理解してなかったら、良いお茶を仕入れることは困難です。今年の1番茶は白茶に加工してみました。今回は白牡丹風のお茶を作りましたが、非常に満足の行く仕上がりになったので、作り方を紹介いたします。
お茶の専門書には肝心の部分が抜けている白茶の作り方
白茶は揉捻や殺青を伴わないため誰にでも手軽に出来るお茶ですが、商品のような良い香りに仕上げようと思うと、それなりのテクニックが必要です。
教科書に書かれている白茶の加工の流れは以下の通りです。
- 萎凋
- 乾燥
上記の工程は非常にシンプルゆえ、誰にでも白茶は加工できるように感じられますが、実は、上記の加工手順は見せかけの手順です。白茶の場合、乾燥機は3つの工程を担っております。3つの工程が乾燥機の中で行われるため、知らないと、乾燥の一言で括ってしまいがちです。実際に行われている工程は以下のようになります。
- 萎凋
- 乾燥機-殺青
- 乾燥機-乾燥
- 乾燥機-火入れ熟成
白茶の萎凋
白茶の萎凋は竹製のざる、穴の空いた平コンテナなどに茶葉を薄く敷き詰め、室内の風通しの良いところに静置します。この状態で、私は48時間萎凋をします。
萎凋によって、茶色っぽくなる茶葉もありますが、これは脱水ストレスによる発酵の一種なので気にすることはありません。萎凋の際、茶葉が重なりすぎていると茶葉間での水分交換が行われてしまい、萎凋が上手く行かないため、出来るだけ薄く広げることがポイントです。
萎凋中はお茶から花のような香りが立ち上り、室内は花屋さんのような甘い香りに包まれます。
白茶の殺青
白茶は殺青が無いと思われておりますが、実際には殺青をします。殺青とは熱を加えることで酵素を不活性化する工程です。白茶の場合、殺青をせずにただ乾燥をした場合、乾燥時に温度が上昇すると茶葉に含まれる酵素が活性化され、萎凋を完了した時点よりも更に発酵が進んでしまいます。
殺青は乾燥機を120℃にセットし、昇温し易くするために排気ダクトを閉めます。温度が120℃になったところで、茶葉をいれ、10分間だけ加熱します。この作業は自宅にあるオーブンでも出来ますが、茶葉はステンレスのメッシュにのせるのが理想です。
白茶の乾燥
この工程は水分量を5%以下まで落とすことを目的とします。温度は50-70℃が良いと感じております。乾燥が目的ゆえに、乾燥機のダクトは全開にし、水分の蒸発を促します。
白茶の火入れ熟成
乾燥しただけの白茶はどうしても青臭い香りが気になります。「これこそが白茶の特徴なんだ」という意見もあるでしょうが、私は白茶には甘い香りを求めます。この香りを引き出すためには、100℃以下の温度で数時間の火入れ熟成をする必要があります。この方法は福鼎でも用いられる方法です。
具体的には私は70℃位に温度をセットし、排気ダクトは閉じます。3-4時間この温度を維持することで、青臭さが抜け、甘い香りが形成されます。同時に、味わいについても渋味が軽減され、よりスッキリとした飲み心地に変化します。
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