見た目だけではない白茶と緑茶の違い

[2013.03.30] Written By

white tea withering process

昨日から2日間、福建省の福鼎市の山間部にある白茶の工場をまわり、製茶の工程を視察しつつ、今年の白茶の仕入れを行いました。

見た目が白ければ白茶というわけではない

白茶は文字通り、見た目が白い色をしておりますが、白ければ白茶というわけではありません。実際、緑茶でも白茶とほとんど見分けが付かないほど白い外観をしたお茶があります。白茶は、加工方法に特徴があります。緑茶と白茶の加工法の違いは、緑茶は、釜炒りや蒸気で熱を加え、酵素を失活させます。それに対し、白茶の場合は、釜炒りなどの熱を加える工程がありません。

白茶を評価中

 

白茶の製茶工程

収穫後の生茶は、まず太陽の光で数時間の萎凋が行われます。萎凋とは太陽の光を当てることで茶葉をしなびさせる工程です。その後、茶葉は室内の棚に広げられ、扇風機の風を当てつつ10時間くらいかけてゆっくりと水分を飛ばします。水分をゆっくりと飛ばすことで、脱水ストレスがかかり、お茶の酵素がゆっくりと発酵を始めます。これにより、花のような甘い香りが生成されるのです。

 

白牡丹用の茶葉

萎凋開始前の白牡丹の原料

白牡丹

白牡丹の毛茶(荒茶)

萎凋

白毫銀針の萎凋風景

屋外萎凋

白牡丹の萎凋

萎凋
白牡丹の屋内萎凋

 

白茶の室内萎凋
白牡丹の室内萎凋

 

フローラルな香りを引き出すには非常に高度が技術が必要

白茶のプロセスを通してみてみると、ただ単にしなびさせているだけのようにも見えます。一見すると、誰にでも作れそうなお茶ですが、素人が作っても花のような香りは出ず、青臭い香りと蒸れ臭が混じったような香りになります。花のような甘い香りを引き出すには非常に高度な経験が求められます。適切な温度管理、スピード、タイミングを正確に行うことで、茶葉全体の水分が均一になるように制御します。例えば、萎凋の中盤になると、茶葉の外側から水分が失われます。このタイミングを見落とし、そのままの温度条件で萎凋を続けた場合、外側は乾燥する反面、内部に水分が閉じ込められた状態になります。これが蒸れ臭や青臭さを生じる1つの原因です。外側が半乾きになった時点で、その状態を判断し、萎凋温度をあげることで、全体の水分を均一にコントロールすることが重要です

今回は、非常に気に入ったお茶を仕入れることができました。詳細は別の記事で報告いたします。

 

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