嘘のようにお茶が美味しくなる工夫式のいれ方

[2018.10.27] Written By

工夫式のいれ方について、よく質問を戴くため、あらためて、工夫式で美味しくお茶をいれる方法を紹介したいと思います。
工夫式は中国語では功夫式と書きます。つまり、「こだわったいれ方」という意味と考えてください。
工夫式のいれ方は、潮州が発祥とされております。鳳凰単叢烏龍茶のような、非常にこだわって作られた工夫茶(功夫茶)をより美味しく味わう為に、考えられたいれ方と言えます。実際、このいれかたをマスターすると、同じお茶とは思えないほど美味しくお茶がはいります。

工夫式のポイントは徹底した余熱

工夫式のいれ方のポイントは、お茶を徹底的に予熱することで、「お茶の香りを起こす」ことです。スルメや海苔を焙ることで、香りがよくなるのと全く同じ原理で、沸騰水で熱処理することで、お茶の香りを立たせ、味に関しても雑味を無くし、透明感を引き出します。
大事な点は「茶葉の温度」を限りなく100℃に近づけることです。ただ、茶葉に沸騰水を注いでも、一瞬で温度が下がり、70℃(冬場だと60℃)位に冷えてしまいます。そこで、余熱を段階的に行うことで、茶葉の温度をあげ、香りと味を瞬時に改善してしまおうと言うのが工夫式の淹れ方になります。

具体的な工夫式の淹れ方

具体的ないれかたですが、茶葉の量は正直何グラムでも良く、好みに応じて増減してください。目安として、濃く飲みたければ5g以上、薄めが良ければ2g以下でよいでしょう。急須や蓋碗のサイズも制約はありませんが、茶器があまり大きいと余熱で使用する湯が無駄になります。一般的には50-200ml位の茶器が工夫式の淹れ方に向いております。尚、工夫式の淹れ方は、どのお茶に対しても応用できます。烏龍茶、プーアル茶、白茶、紅茶、緑茶、どのお茶も工夫式のいれかたでいれると、違いがはっきりと感じられます。

1. 茶器の余熱:沸騰した湯を茶器になみなみ注ぎ入れ、10秒置きます。

2. 茶葉投入

3. 余熱1回目:沸騰した湯を注ぎ入れ10秒間置きます。

4. 余熱2回目:沸騰した湯を注ぎ入れ10秒間、又は5秒間置きます。※注1

5. 1煎目:沸騰した湯で一定時間蒸らします。※注2

6. 2煎目以降:沸騰した湯を通すだけです。湯をいれて数秒内に注ぎだしてください。

※注1 余熱は2回とも10秒間行うことが理想です。ただし、プーアル茶の散茶、烏龍茶、紅茶などは味香りが出るのが速いため、私は勿体ないと思い、妥協して5秒としております。プーアル茶の餅茶のように塊になっているお茶は、10 x 2回で予熱してください。ただし、最高に美味しくお茶をいれる必要がある場面では、私は茶葉の形状に関係無く10秒 x 2回の余熱を行います。

※注2 蒸らし時間ですが、鳳凰単叢、プーアル茶の散茶、紅茶のようなルーズな形状の茶葉の場合、私は5秒蒸らします。味を濃いめにしたい場合は、10秒間蒸らします。また、餅茶のように、塊状になっているお茶については30秒位蒸らしたりします。蒸らし時間は、ただ単に濃淡の好みなので、自己判断で適切なタイミングを探られると良いかと思います。

具体的な淹れ方は以下の動画を参照してください。(誤操作で露出が強すぎたため、やや明るくなりすぎてしまいました。)

一旦冷えてしまった茶葉でお茶を再開する場合

お茶を飲んでいる途中で、茶葉が完全に冷めてしまった場合、どのように再開すべきか説明したいと思います。実際、最初に高い温度で余熱処理が出来ていれば、茶葉が冷えた状態で湯を注いでも、余熱処理をしてないお茶とは比にならないレベルで美味しくお茶をいれることができます。プーアル茶や紅茶、緑茶などはこの方法で十分です。ただ、特に烏龍茶や白茶などは、冷めてしまった茶葉に湯を注ぎ入れると、香りがぼけた感じになります。本場潮州の工夫式の淹れ方の場合、茶葉が冷えてしまった場合、しっかりと水分を切り、再度沸騰水を通して予熱することで、再び継続してお茶をいれます。この方法を採ることで、先ほどまでと同じような質の良い味香りを呼び戻すことが出来ます。

日本茶(緑茶)、中国紅茶、白茶、プーアル熟茶、プーアル生茶、ジャスミン茶、烏龍茶という厳選された茶葉7種のお試しセット

この記事に関連するHOJO Teaの商品


関連記事 RELATED ARTICLES

お茶に関する最新情報を確実にキャッチするには? SOCIAL NETWORK

1,Twitterをフォローする。2,FaceBookで「いいね!」を押す。3,メールマガジンに登録する。という3つの方法で、お茶に関する最新情報をキャッチすることができます。今すぐ下のツイッターフォローボタンや「いいね!」をクリック!

メールマガジン登録で無料サンプルをもらおう!
メールマガジンにご登録いただくと無料のサンプル茶葉のプレゼントや希少商品の先行購入など様々な特典がございます。ソーシャルメディアの購読だけでなく、メールマガジンへのご登録もお忘れなく!

HOJO TEAオンラインショップNEWS一覧を見る

大雪山野生茶(生茶)2023年・2024年産 同時発売
大雪山野生生茶の2023年産と2024年産を発売しました。 2023年産については、マレーシアの倉庫で1年間熟成しております。 https://hojotea.com/item/d27.htm   雲南省でも入 …
佐渡無名異焼作家の渡辺陶三作:野坂粗土還元急須が入荷
野坂粗土還元焼成の茶器を発売しました。 今回入荷したモデルは、茶壺(後手急須)、フリーカップ、マグカップの3点です。 https://hojotea.com/item/tozo_nosaka_reduction.htm …

最新の記事 NEW ARTICLES

大雪山野生茶(生茶)2023年・2024年産 同時発売
大雪山野生生茶の2023年産と2024年産を発売しました。 2023年産については、マレーシアの倉庫で1年間熟成しております。 https://hojotea.com/item/d27.htm   雲南省でも入 …
佐渡無名異焼作家の渡辺陶三作:野坂粗土還元急須が入荷
野坂粗土還元焼成の茶器を発売しました。 今回入荷したモデルは、茶壺(後手急須)、フリーカップ、マグカップの3点です。 https://hojotea.com/item/tozo_nosaka_reduction.htm …
佐渡島の渡辺陶三製作:野坂粗土酸化焼成の茶器が入荷
佐渡島の陶芸家、渡辺陶三氏による「野坂粗土酸化焼成」の茶器を発売いたしました。 https://hojotea.com/item/tozo_nosaka.htm   野坂は佐渡島の沢根にある地区名で、相川金山に …
2300mの野放茶園産、高山白茶を発売
高山白茶を発売しました。 このお茶の茶園には、次の2つの特徴があります。 1. 標高2200-2300mに位置する茶園 2. 完全に野生化したお茶の木で構成される野放茶園 非常に理想的な環境ゆえに、お茶の品質も素晴らしく …
標高2100mの無農薬・無肥料茶園産の高山紫茶2024
2024年産の高山紫茶を2種類発売しました。 https://hojotea.com/item/d53.htm 2種類とも、同じ生産者が同じ地域内に保有する茶園の茶葉ですが、茶園の位置が異なり、また、生産日も異なります。 …
大雪山野生茶(普洱生茶)2024の散茶を限定発売
大雪山野生茶は、雲南省臨滄市永徳県の大雪山に自生する野生のカメリアタリエンシスから作られたプーアル生茶です。 野生茶とは 野生茶とは、樹齢が高いお茶や野生化したお茶ではなく、山に自生している天然のお茶を指します。 過去に …
鳳凰単叢烏龍茶の産地、潮州市鳳凰鎮を訪問(2024)
先月、鳳凰単叢烏龍茶の産地である潮州市鳳凰鎮へ、仕入れと生産者との打ち合わせを兼ねて出張しました。ちょうど台風の時期と重なり、山から潮州に戻れなくなるなどのハプニングもありましたが、無事に仕入れを終えました。鳳凰鎮にはこ …
前川淳蔵作の伊賀天然朱泥急須、宝瓶各種入荷
前川淳蔵作の伊賀天然朱泥の茶器が入荷しました。 今回入荷したのは、丸型宝瓶、急須、絞り出し、茶海です。 https://hojotea.com/item/maekawa_iga.htm 数百年前に古琵琶湖の湖底に沈殿した …
佐渡島:渡辺陶三作、無名異上赤茶壺と宝瓶が入荷
渡辺陶三氏作の無名異常赤急須および宝瓶が入荷しました。今回の入荷品は、後手タイプが中心です。 https://hojotea.com/item/tozo_joaka.htm 非常に稀少な上赤 「上赤」は、佐渡島の相川金山 …
非常に稀少な野生茶、永徳野生白茶2024を発売
永徳野生白茶を発売しました。このお茶は2021年に一度発売されましたが、瞬く間に売り切れ、その後の入荷はありませんでした。質が高く、個性的な香りで当店でも非常に人気の高いお茶です。 永徳野生茶は、雲南省臨滄市永徳県で、牛 …

PAGETOP