- ホーム >
- お茶の安心と安全
緑茶は無農薬なら良いお茶なの?おいしい緑茶のポイントを徹底解説!
無農薬や有機栽培だけが、おいしい緑茶のポイントなのでしょうか?
実は誤解の多い有機栽培について解説します。また、おいしい緑茶を作る条件についても紹介するので、緑茶選びの参考にしてください。
緑茶は無農薬が良いって本当?有機栽培の誤解
無農薬で有機栽培の緑茶には「おいしい」「体に良い」といったイメージがあります。しかし、それは本当でしょうか?農薬を使わないという点で、無農薬・有機栽培の緑茶は安心ですが、それが必ずしも味や成分に良い影響を与えるとは限らないのです。
無農薬や有機栽培について、多くの人が誤解しているポイントを解説します。
「有機栽培だからおいしい」わけではない
緑茶は有機栽培だからおいしくなる、というわけではありません。むしろ、多くの有機栽培緑茶は、通常の栽培方法で作られた緑茶と、おいしさの点でそれほど大きな違いはみられません。
その理由は、肥料にあります。有機栽培では化学肥料の窒素を与えることはありませんが、動植物由来の有機質の窒素肥料を与えることがほとんどです。
窒素は植物を大きく育てるための肥料です。お茶畑に窒素肥料を入れると、植物の細胞が大きくなり、茶葉はどんどん成長します。有機肥料か化学肥料かということは関係なく、窒素が与えられるとお茶の木の成長は促進されます。
大きく成長するのは良いことのように思うかもしれません。しかし、細胞自体が大きくなると、その細胞は脆く壊れやすい状態になります。その結果、肥大化した細胞からできた茶葉は、味が薄く、水っぽくてコクがありません。
有機栽培だからおいしいとは必ずしもいえないのは、このような理由があるからです。
「有機栽培だから体に良い」わけではない
緑茶の成分に注目が集まっています。緑茶に豊富に含まれているカテキンなどのポリフェノールが、抗酸化作用といった体に良い働きをすることが分かってきたからです。
緑茶のポリフェノールは、アミノ酸の一種であるテアニンから作られます。テアニンは茶葉が成長する過程で日光を浴びることで分解されポリフェノールへと生合成されます。しかし、有機肥料であっても窒素を与えられてしまうと、茶葉は自身の成長のため細胞壁の合成などに忙しく、テアニンのようなアミノ酸は豊富に合成できるものの、その次段階であるポリフェノールを作ることができません。
ポリフェノールが少ないお茶と言うことは、つまり、健康への影響もあまり期待ができないことになります。有機栽培の緑茶だから体に良いと、必ずしもいえない理由は、ここにあります。
無農薬の緑茶がおいしくなる条件
「有機栽培の緑茶だからおいしい」わけではないのは事実です。だからといって、無農薬の緑茶が全ておいしくないわけではありません。条件を満たせば、無農薬のおいしい緑茶ができます。
では、おいしい無農薬緑茶の条件には、どのようなものがあるのでしょうか?
おいしい緑茶には育つ時間が必要
おいしい無農薬緑茶を作るには、じっくり時間をかけて育てることが大切です。時間をかけることで茶葉内にたっぷり含まれるミネラルが、のど越しや味の厚みを増し、おいしさのもとになります。
窒素肥料を与えると、有機肥料でも化学肥料でも、お茶の木はあっという間に成長します。しかし、それでは、含む成分はそのままに、サイズが大きくなっただけです。
味わい深くコクの感じられる緑茶にするには、細胞のサイズではなく密度が重要になります。細胞がぎゅっと詰まっている茶葉は、ポリフェノールとミネラルも高密度になり、それが深い味わいにつながるのです。
そのためには、窒素肥料で大きく育てるのではなく、じっくり時間をかけて茶葉を成長させることが必要となります。
また、時間をかけて成長させることを繰り返し、何年も生きたお茶の木は、地面にしっかり根を張ります。根を張るということは、根の表面積が増えるため、若い木よりも多くのミネラルを吸収できるということです。
そのため、緑茶は時間をかけて育つほど、おいしく成長します。
おいしい緑茶が育つのは自然のままの環境
おいしい無農薬緑茶を作るには、山野草のような自然な形でお茶の木を成長させることも大切です。厳しい環境下で育ったからこその香りや奥ゆきのあるおいしさが感じられる緑茶になります。
無農薬も有機栽培もとても良い取り組みではありますが、それだけでは、おいしい緑茶作りの条件を満たしません。環境にも配慮し、できるだけ自然に育てることで、お茶本来の味わいが出てくるのです。
おいしい緑茶にする仕上げも大切
おいしく育ったお茶をおいしい緑茶にするには、仕上げも大切です。そのため、HOJOではあえて茎を取り除かずに仕上げている商品もあります。
日本茶では、緑茶は茎を取り除いて仕上げるのが一般的です。その理由は見た目を重視しているから。緑色一色の緑茶の茶葉は、確かにきれいです。しかし、茎を含まない分シャープな香りになります。
茎はミネラルが豊富でとても甘く、緑茶の味と香りにふくよかさをプラスしてくれます。優しく花のように香る緑茶に仕上げるなら、茎はあえて入れたままにするのが良いでしょう。
おすすめの無農薬&窒素肥不使用の緑茶『月ヶ瀬在来煎茶』
おいしくなる条件を満たした無農薬の緑茶があります。『月ヶ瀬在来煎茶』です。
お茶の実から数百年の時間をかけて成長した茶樹は、春日の土壌からミネラルをたっぷり吸収し、育ちます。農家の肥料への工夫も見事です。
全ての条件が整うことで、自信を持っておすすめできる無農薬の緑茶ができました。
樹齢数百年のお茶の木からできる極上茶
『春日在来煎茶』は、安土桃山時代からある樹齢数百年の茶樹から作られます。
岐阜県の春日は、当時、文化の中心地に非常に近い土地でした。お茶文化が花開く時代に合わせ、多くの茶園が開発された歴史がある場所なのでしょう。今でも、数百年前からあるお茶の木が、そこここの茶園にあるのです。
長い年月をかけて成長したお茶の木は、地中深くまで根を張っています。春日の土壌に含まれるミネラルを、若い茶樹より多く吸収し、より厚みのある味わいの緑茶になるのです。
在来種が混在する茶園は高級中国茶産地とそっくり
春日に残るお茶の老木は、在来種といいます。簡単に説明すると、中国から伝わったお茶がそのまま残っているもののことです。
今でこそ、お茶は「やぶきた」「さえみどり」「くりたわせ」など、品種ごとに分けて育てられていますが、それもお茶の歴史から考えるとごく最近のことです。春日に茶園が作られ始めた頃は、品種などなく、さまざまなお茶が複雑に交配していました。
そのため、同じ茶園内にある在来種でも、茶樹によって葉の形や大きさが全く違うのです。もちろん、緑茶にしたときの味や香りも違います。
こうした茶園の状態は、中国の高級茶産地の特徴とよく似ています。
また、在来種は烏龍茶のように花のような香りが感じられるのも特徴です。そのため『春日在来煎茶』は、かすかに花のような香りがする緑茶に仕上がっています。
茶園単位で買い取るからおいしい!
『春日在来煎茶』をおいしい緑茶に仕上げるため、HOJOでは茶園単位で買い取りしています。
春日のお茶の老木は、おいしく質の良い緑茶ができるのですが、混ぜ合わせることで個々の良さが消えてしまう難しさがあるからです。
高品質のお茶を、おいしいままに届けたいという思いから、試飲して規準に合う緑茶かどうかチェックしています。その上で、茶園にあるお茶を全て買い取り、毎年同じ品質になるよう調整しているのです。
おいしい緑茶を作るのは、環境・時間・仕上げ
「有機栽培だからおいしい」「無農薬だから体に良い」ということは必ずしもいえません。緑茶のおいしさは、お茶の木が育つ環境と、育つまでの時間と、おいしさを引き立てるための仕上げによって決まるからです。
有機栽培や無農薬も大切ですが、プラスして、こうした条件があることも知って緑茶を選びましょう。
HOJOではこれらの条件を満たすおすすめの無農薬緑茶を紹介しています。おいしい無農薬の緑茶を飲みたいなら、ぜひチェックしましょう。
この記事に関連するHOJO Teaの商品
1,Twitterをフォローする。2,FaceBookで「いいね!」を押す。3,メールマガジンに登録する。という3つの方法で、お茶に関する最新情報をキャッチすることができます。今すぐ下のツイッターフォローボタンや「いいね!」をクリック!
- メールマガジン登録で無料サンプルをもらおう!
- メールマガジンにご登録いただくと無料のサンプル茶葉のプレゼントや希少商品の先行購入など様々な特典がございます。ソーシャルメディアの購読だけでなく、メールマガジンへのご登録もお忘れなく!
- 2022年産の鳳凰単叢老欉柿花香単株と桂花香単株を発売
- 2022年産の鳳凰単叢老欉単株茶を2種類発売しました。 何れも極めて樹齢の高い木ゆえに、非常に奥行きのある、長い余韻のお茶です。濃い後味に加え、1年以上の熟成による、濃厚な香りをお楽しみ戴けます。 鳳凰単叢老欉柿花香 単 …
- ダージリンファーストフラッシュとオータムナル紅茶を発売
- ダージリンを2種類発売しました。今回の新商品は、Arya茶園の春摘みファーストフラッシュのルビーと秋摘みオータムナルのルビーです。春摘みのルビーは4月に仕入れ、その後無酸素状態で熟成させることで、香りをさらに高めました。 …
最新の記事 NEW ARTICLES
- 野生茶を求め雲南省臨滄市南西部の山村へ
- 現在、雲南省臨滄市の南西部にてお茶の仕入を行っております。 当店にとって重要な商品の1つに野生茶があります。野生茶は製茶はもちろんですが、原料確保が一番大きな課題です。 今回、新たに野生茶が有る場所があるらしいと言う情報 …
- 雲南省のお茶産地にてプーアル茶、白茶、紅茶の生産
- 3月24日から中国の雲南省臨滄市の南西部、永德、鎮康県にてお茶の仕入れ、生産を行っております。 雲南省は世界一と言っても過言で無い極上の原料がある反面、生産に対する管理が甘いため、出来合のお茶を仕入れたのでは、理想とする …
- 2022年産の鳳凰単叢老欉柿花香単株と桂花香単株を発売
- 2022年産の鳳凰単叢老欉単株茶を2種類発売しました。 何れも極めて樹齢の高い木ゆえに、非常に奥行きのある、長い余韻のお茶です。濃い後味に加え、1年以上の熟成による、濃厚な香りをお楽しみ戴けます。 鳳凰単叢老欉柿花香 単 …
- ダージリンファーストフラッシュとオータムナル紅茶を発売
- ダージリンを2種類発売しました。今回の新商品は、Arya茶園の春摘みファーストフラッシュのルビーと秋摘みオータムナルのルビーです。春摘みのルビーは4月に仕入れ、その後無酸素状態で熟成させることで、香りをさらに高めました。 …
- 標高2100mのシングルガーデン産プーアル生茶、 火地古樹生茶2021を発売
- 火地古樹生茶2021を発売しました。 このお茶は、小さな単一茶園(シングルガーデン)のお茶のみから加工されたプーアル生茶です。 https://hojotea.com/item/d147.htm シングルガーデン産のお茶 …
- ペットボトル入りのお茶の味に大きく影響するビタミンCの存在
- 近年、多くの人々にとって、お茶を飲むということはペットボトル入りのお茶を飲むことが普通な今日この頃ですが、本コラムでは、ペットボトル入りお茶の特徴的な味に焦点を当ててみたいと思います。 酸化防止目的のビタミンCの添加 コ …
- 鳳凰単叢蜜蘭香2023と老欉姜花香2022を発売
- 鳳凰単叢烏龍茶を2種類発売しました。今回販売したのは、蜜蘭香濃香2023 No.1と老欉姜花香2022です。 https://hojotea.com/item/houou.htm 質の良い鳳凰単叢の特徴 良質な鳳凰単叢は …
- ちょっと変わった白茶の楽しみ方!驚きの応用アイデアをご紹介
- 水出しで抽出した白茶と、お湯で淹れた白茶はまったく異なる香りになることをご存じでしょうか?本コラムでは、水出しを更に応用した白茶の楽しみ方を紹介したいと思います。 殺青工程の無い白茶には酵素が残存 白茶の特徴は、製茶工程 …
- 大雪山野生茶ベースの特注ジャスミン茶:野生普洱茉莉龍珠
- 半ば好奇心から、大雪山野生生茶をベースとしたジャスミン茶を作ってみました。 日本はもちろん、中国でも極めて珍しいお茶ができました。 https://hojotea.com/item/s08.htm ジャスミン茶を特注生産 …
- ミルクの香りがする烏龍茶とは?
- お客様から偶に「ミルクの香りがする烏龍茶」を紹介してほしいとお電話頂く事があります。また、台湾を訪れた際に飲んだミルク烏龍茶が忘れられないというエピソードも耳にします。このコラムでは、そんなミルクの香りがする烏龍茶に焦点 …
- HOJO通販新着
- 特集
- メールマガジンバックナンバー
- お茶の種類
- お茶の産地
- 茶器・急須
- お茶のコラム-雑学-歴史-文化
- お茶を楽しむ
- お茶の作り方-製法
- お茶の品質を決める各種要素
- お茶の成分と効能
- お茶の安心と安全
- 食品
- お茶ビジネスの運営・記録
- 趣味活動
- お茶のランキング-おすすめ
- お茶に関する動画
- お茶に関するQ&A
- メディア掲載
- an anにてジャスミンパールが紹介されました。
- an an 「マガジンハウス出版」 No.1865、2013年7月24日号「夏のお取り寄せ」特集で弊社のジャスミンパールが紹介されました。
- マレーシアの全国紙 “Star Newspaper”に掲載して貰いました。
- 先日、マレーシアの全国紙「Star Newspaper」でHOJOの特集をしてくれました。 Starはマレーシアで最も購読数の多い新聞で、マレーシアのメディアでは最も影響力の大きな新聞です。 新聞の内容は、茶器によりお茶 …
住所:Lot No. T-215, 3rd Floor, Mid Valley City, Lingkaran Syed Putra 59200 Kuala Lumpur