室内萎凋

 日光萎凋により萎れた茶葉は、熱を含んでおり熱くなっております。これらの茶葉はまずエアコンの効いた室内で冷やしてあげなければなりません。室内は非常に心地の良い温度に保たれており、茶葉はシートの上に広げられ、2時間ほど冷却されます。この間も水分は徐々に蒸発してゆくため、引き続き茶葉は萎れ続けるのです。
室内萎凋を行う「環境」ですが、工場により随分差があります。私の訪れた工場では、専用の棚を設けており、また、茶葉を広げるシートも専用のメッシュ地の材料が用いられており、異物混入に対する気配りが感じられました。
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茶葉を広げるトレイは非常に大きなサイズなのですが、茶葉を広げ終わると、モーターで上下に上げ下げが出来るようになっており、専用の棚に収められる仕組みになっておりました。
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「茶葉を冷やすだけなのに、何故こんなに気配りが必要なんだろう?」と思われるでしょうか、烏龍茶を作る上で「萎凋」は品質を大きく左右する工程で、茶葉の厚さ、萎凋時間、環境の温度・湿度等は、最終製品の品質を決める重要なファクターなのです。
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作業者の躍動感を出そうとシャッター速度を遅らせたところ、ややボケ気味の写真になってしまいました。
工場では、季節毎に働く契約社員の労働者が働いておりました。茶葉が来るまでは皆だらだらしていたのですが、茶葉が来た瞬間に物凄い真剣な目つきになり、てきぱきと働いておりました。彼らの動きは、物凄く統一感があり、まるで製茶ロボットのようでした。
製茶工場の人の説明によると、作業をスピーディーに行うことが大切なのだそうです。ゆっくりと作業をしていると、茶葉間に品質のムラが出来てしまうのだそうです。
萎凋室は甘い香りに包まれており、入った瞬間、まるで花畑にいるようでした。各トレーのお茶は茶葉一枚一枚を手にとっても香りは感じられませんでしたが、顔を近づけると、まるで花のような香りがしておりました。直ぐにでも茶葉に湯を注いで飲んでみたい衝動に駆られました。

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