お茶が美味しくなる急須(茶器)を販売するためには土探しから

[2013.02.04] Written By

お茶の仕入れが忙しくない冬場は急須の土探しを精力的に行っております。本日は三重県の伊賀で採集された土のテストピースが到着したため、さっそく評価をおこないました。この地域は粘土質で鉄分の多い土が豊富にあることから、前々から並々ならぬ興味を感じておりました。

原土を入手したのはは昨年12月だったのですが、作家さんに焼成をお願いしておりました。作家さんは原土をクッキー状に成形し複数の温度帯で焼成してくれます。できあがった陶器のクッキーをお茶や水に漬けることで、実際の急須を使うのと同じように素材とお茶(水)の味との関係を評価することができます。

 

私は特に以下の点を評価します。

 

まろやかさ

わざわざ土を探してくるのだから、当然、急須産地で一般的に使われている土レベルでは満足ができません。既にある野坂土などをベンチマークとして、高い性能の土を探すべく評価を行っております。

 

渋味

土の急須を扱う最大の難しさは、渋味だと思います。特定のミネラルを含む土は、舌に残る渋味を呈します。この渋味は使用する水によっても強弱があるし、人の感じ方の強弱によっても気になる人とならない人がおります。天然土の場合、渋味が無い土を探すことの方が難しく、土を評価する上でもっとも苦労する点です。焼成温度が高いほど、渋味は低減します。但し、渋味と同時にまろやか差も低減するため、そのバランスが重要です。

 

吸水性

味がまろやかになり、渋味が無くても、水を吸ってしまうような土では茶器として問題があります。水を吸うとはつまり、急須にした場合、水漏れがする事を意味しております。また壊れ脆い可能性もあります。温度を高くし、より多くのミネラルが融点に達する(ガラス化する)ようにすれば漏れの問題は解決する場合もありますが、温度をあげると言うことは、より多くのミネラルが溶けることをいみしており、多孔性が失われ、それに伴いまろやか差も低減します。

 

今回の評価の結果

今回評価したうちの1つの土はとてもまろやかになり、渋味も殆ど有りませんでした。今後さらに色んな種類の水で評価した後、作家さんにプロトタイプの急須を製作して貰い、最終評価を行いたいと考えております。順調にいけば、夏までには第一弾の商品が発売できるかもしれません。

実は最近陶芸用の「窯」を購入しました。現在納品待ちです。今後テストピースを自分で製作し、評価をよりスムーズにとりおこなう事が目的です。

今後は作家さんには土作りと作陶、私は土の選択と評価という具合で仕事の棲み分けをしたいと考えております。

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