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──第50号── 2012年11月22日発行 ───

お茶を美味しく淹れようと思った場合、水が重要です。使う水の種類により、お茶は美味しくもなり、また、その反対にもなります。今回は美味しい水の定義について説明したいと思います。

純水の味を理解する

まず、水を語る上で最も基本となるのが純水です。純水とは有機物は勿論、全くミネラルを含まない水を指します。市販水で最も純水に近いのは、蒸留水とRO水(逆浸透膜処理水)です。
(但し、蒸留水とRO水の場合、実際には僅かな量のミネラルが残留しております。)

純水はお茶に合うのか合わないのか?

お茶関係の本やサイトを見ると、純水(蒸留水・RO水)についてお茶に合うとか合わないとか様々な記述がありどれが正しいのか混乱します。水の味を評価する際ですが、私は2つの要素を重要視します。

  1. 円やかさ
  2. ふくよかさ

おいしい水に求められる2つの要素

円やかさとは、コク、喉越し、濃さ、柔らかさ等の言葉で表現され、中国語では「回甘」、「喉韻」などの言葉で表されます。
つまり、喉にじんわりと染み入るような味で、余韻と共に甘みを伴います。円やかさとは喉で感じる感覚で、奥行きを伴います。

ふくよかさですが、これは口の中での感覚であり喉は関係有りません。口の中でフンワリとしたとろみを伴う味を指します。
中国語では「口甘」という言葉で表現されます。

美味しい水には以上の2つの要素が求められます。
円やかでも、ふくよかではない水でお茶を淹れた場合、まるでアルコールのようなシャープな味わいになり、フワッとした感が足らないお茶になります。

純水はコクは強いがふくよかさが欠如

純水の場合ふくよかさが全く感じられません。つまり、角のあるシャープな味になります。逆に円やかさは一般的なミネラルフォーターより強めです。
ただ、ふんわりとした水の美味しさが感じられず、まるで突き刺さるような(というのは大げさですが)とした味わいです。
純水でお茶を淹れた場合、苦み、香り、渋味全てにおいて角のある感じがします。コクは強いのですが、お茶のふわっとした甘い感覚が感じられません。
例えば、ダージリンティを飲んだときにフワッとする花のような感覚がありますがこれが全くしないのです。

カルシウムにより増すふくよかさ

では、純水には何が足らないのでしょうか?
実験を重ねた結果、ある事実を発見しました。
炭酸カルシウムのサプリメントを少量添加すると、劇的にふくよかさが増すのです。
純水に炭酸カルシウムを入れた水でお茶を淹れると、まるで台湾や中国の水で飲んだお茶のような美味しい味へと変化します。
なによりも香りがフワッと口の中に広がり、まるで花が開いているかのような華やかさを楽しめます。
炭酸カルシウムを添加した水を、更に、野坂などの茶器に通すと、ふくよかさと円やかさを両方味わう事が出来ます。
その美味しさは凄まじく、とても人工的に作った水とは思えません。
流石に炭酸カルシウムを添加するのは余りいい気がしないので、石灰岩、大理石などを水に入れるだけで同じような効果が得られます。

以上をまとめますと、「美味しい水とは鉄分とカルシウムと適度に含んだ水」と言うことです。

では、他の微量元素はどう影響するのでしょうか?

私がテストした限りでは、亜鉛は舌のざらつきを伴う渋味に寄与します。
従って、亜鉛は出来るだけ少ないほどよく、決して好ましくありません。
マグネシウムなども苦みに寄与したりするため、好ましいミネラルではありません。

その他のミネラル、金、銀、プラチナ、錫などは、これまた面白い変化をします。
それについては後日のメルマガで説明したいと思います。

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