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紅茶の価値を決める要素
- [2012.12.07] Written By 北城 彰(Akira Hojo)
第51号 2012年12月07日発行
こんにちは。大変寒い季節になりましたが皆様はどうお過ごしですか?
数日前に日本に戻りました。お茶に関する質問など、気軽にお電話ください。
Facebookでも豆知識などを写真と共に更新しております。機会があれば是非覗いてみてください。
紅茶が妙に美味しく感じられる季節になりましたね。暑い時期は、体が水溶性の成分求めるためか、緑茶や発酵度の低いお茶が美味しく感じられます。
逆に寒くなると、発酵度の高いお茶が美味しく感じられるのは、やはり同じく体がそれを求めている為なんでしょうね。
今回のメルマガでは紅茶の品質評価法の1つを紹介したいと思います。
色で判別できる紅茶の品質
紅茶の主成分は、発酵によりカテキン類が重合してできたタンニンです。因みに発酵が上手に行われるかどうかによって、形成されるタンニンの種類が異なります。
紅茶は「紅」の文字の如く、本来上手に作られた紅茶の茶葉は、オレンジ〜紅色をしている事が重要です。お茶を淹れた後の茶殻を観察することで、発酵が上手に行われているかどうかを簡単に判断することができます。綺麗なオレンジ色〜紅色(銅のような色)の茶葉の場合、発酵が上手に制御され、お茶そのものの能力が引き出せていることを示しております。
逆に、焦げ茶色、くすんだ色、黒、グレーの色をした茶葉の場合、過発酵、発酵不良を示しております。
上2つの写真は広西の紅茶の写真です。左がOK、右は品質不良です。水中の方が色が判別しやすいです。
この判別法は紅茶の種類に関係無く当てはまります。中国紅茶、ラプサンスーチョン、インドの紅茶、CTCの紅茶、全てに体して同じ規準をあてはめることができます。
唯一の例外はダージリンのファーストフラッシュくらいです。沢山の量を取り扱う大手の紅茶バイヤーなどになると、色だけを品質の評価基準としていることもあります。
右の茶葉は発酵が上手にできており、左と真ん中の茶葉は発酵不良。
色が明るいオレンジ〜紅色ではない場合、基本的には過発酵(発酵の制御不良)を示しております。色と味は関係無いという意見もあるでしょうが、実はそうではありません。暗い色合いになってしまった茶葉の場合、100%蒸れ臭がします。
熱いうちは分かり難い品質の違い
お茶が熱いうちは気が付きにくいですが、以下の方法を採ることで簡単に蒸れ臭が把握できます。
- 冷やしてから飲んでみる
- 2煎目を評価する
- 冷えた茶葉の香りを評価する
茶葉が暗い色の紅茶は含まれる成分その物が違う
暗い色の茶葉の場合、独特の蒸れ臭がし、これが原因で2煎目以降が楽しめません。暗い色の茶葉には茶色をしたテアルビジン(TR)というタンニンが主に含まれており、
一方、明るい紅色をした茶葉にはテアフラビン(TF)というタンニンが含まれます。テアフラビンは発酵工程の制御不良により過度に発酵が進めてしまった事で生成する物質です。
美味しい紅茶の指標の1つに、湯飲みの縁にできるゴールデンリングという黄色の輪がありますが、これはテアフラビンが豊富な場合のみ形成されます。
上の写真は金螺を濃いめに淹れて撮影しました、縁に見える黄色がゴールデンリングです。
テアフラビンが豊富な茶葉の場合、茶殻の色が紅〜オレンジ色をしております。つまり、テアフラビン豊富=ゴールデンリング=茶葉がオレンジ〜紅色と言うことになります。
身の回りに美味しく無い、香りが良くない、ほこり臭い等々、不満足な評価の紅茶があった場合、先ずは茶殻を見てみてください。必ず、茶葉が焦げ茶色〜くすんだ暗黒色系の色をしております。
最近和紅茶が非常に流行っておりますが、発酵に問題があり、暗い色をした茶葉が目につきます。
萎凋工程、堆積工程、乾燥工程を初めとする、発酵に携わる工程を管理できてない事が主な原因と思われます。
是非問題を把握し、良い香りのするお茶を作ってもらいたいです。
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