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第52号2012年12月17日発行

年の暮れも近くなりましたが、皆様如何お過ごしでしょうか?

私は仕事も忙しいですが、週末はワカサギ釣りに燃えております。ワカサギ釣りは簡単そうに見えますが、実は非常に奥が深い釣りです。
年末と言うこともあり、お茶をお歳暮に使ってくださるお客様がおります。どうも有り難うございます。是非、新年のご挨拶などにもお茶をご検討ください。注文ページより、2缶、3缶のギフトラッピング指定、のしの指定等が出来ることをご存じでしょうか?意外に烏龍茶や紅茶、ジャスミン茶が年輩の方へのギフトとして人気があります。

以下、本題です。

お茶の総合的な価値を評価する

「どうやってお茶の値段は決まりますか?」と質問を受けることがあります。
値段を決める上で重要なのは、ただ単に品質ではなく、「お茶の総合的な価値」です。

私の場合、「品質は=原料茶葉の質」と定義しております。

消費者が「いくらまでならお金を払ってでも買いたいと思うか」という点がお茶の価値に相当します。価値とはお茶の「総合的な魅力」に対する対価であり、原料茶葉の品質や鮮度のような客観的な要素と、香りの種類のような主観的な要素を総合的に考慮することで決まります。では、お茶の価値がどのように決まるのか説明したいと思います。
簡単に言うと、お茶の価値は以下の公式で決まります。

お茶の価値 = 1. 原料茶葉の質 + 2. 個性 ー 3. 欠点

実はお料理に例えるのが一番分かりやすいと思います。「沢山のお金を払ってでも食べたいと思う料理」は何が優れておりますか?それを客観的に分析し評価するのが、お茶に詳しくなるための第一歩だと思います。

今回は、鯛を使った料理で考えてみましょう。

1.まず、大事なのは素材の質

素材の質を考えるときは、鮮度とは切り分けて考えまます。素材の質とは何を意味するかというと

  1. どこの海でとれたか?
  2. 大きさ?
  3. どの季節にとれたか?
  4. 養殖か天然か?
  5. 食べている餌の種類?
  6. どの部位の切り身か?

素材の質が異なれば。魚その物の味が異なります。素材に最も近い状態である、刺身で食べた場合、質が変われば味は全然異なります。美味しい鯛には、口の中に広がるようなふくよかさと余韻を伴う甘みがあります。

「腐っても鯛」という言葉がある通り、質の高い素材は、古くなってもそれなりの特徴があります。お茶の場合、茶摘みの時期、標高、肥料の有無、樹齢、茶摘みの回数などが茶葉その物の素材の質に影響します。質の良いお茶はやはりコクがあり、香りが深く、喉に残る心地よい甘みが特徴的です。この様な質の高い茶葉から作られたお茶は、どのように加工されても素材の良さは感じる事が出来ます。例え、加工に失敗しても、素材の良さは、コク(喉越し)に反映されており、加工の優劣はコクに影響しません。

伝統型凍頂烏龍

2.調理法

調理の方法、メニューにより、同じ鯛でも随分異なる形へと調理されます。人によって、刺身が好き、塩焼きが好き、鯛飯が好き、煮付けが好き等々好みが異なります。当然、より多くの人に受ける料理の方が、人気も高くなるし、それに伴い値段が高くても売れます。また、より手の込んだ料理をすれば、その労力や手間が価格に反映されます。この様な調理法による香り、味付けの違いは、「個性」であり、「好み」を左右する要素です。

お茶の場合も同じで、どのようなお茶に加工するかによってお茶の個性が決まります。発酵茶にする、緑茶にする、熟成させてフルーツの香りを引き出す、焙煎してみる等、異なるプロセスが異なる香りを生み出します。お茶の場合、特に、「香りの種類」と「香りの強さ」を個性として評価します。当然、花のような香りやフルーツのような魅力的な香りのお茶は、より人気があり、香りの強さに関しては弱いより強い方がより人気があります。

伝統型凍頂烏龍

3.鮮度の評価

本来「鮮度が良いのが当たり前」と考え、鮮度に問題のある場合は「品質劣化」、つまり減点要素として評価します。何も減点がないのがベストですが、多少減点要素が見つかったからと言って即アウトではありません。通常、販売価格と総合的な価値を照らし合わせて購入の有無を判断します。ネットなどで見かける、「訳あり商品」ってのが良い例だと思います。商品に多少の問題があったとしても、それが自分にとって重要でない問題で、且つ、値段が劇的に安ければ当然考慮します。

鯛の刺身だったら、多少見た目が悪くても、新鮮で、猛烈に安ければ、用途によっては購入を考慮すると思います。鮮度を評価するには3つの段階があります。魚に例えると、以下の通りです。

  1. 食材の保存状態:例えば、水揚げ後日数が経過。魚の保存温度が不適切。血抜きがされていない。魚を一旦冷凍にし等。
  2. 調理中のミス:例えば、内臓をつぶしてしまった。焦げた。塩が多すぎた。火加減が弱すぎた。味付けが薄かった等々です。
  3. 調理後の品質劣化:例えば、調理後時間が経過した。電子レンジで再加熱した。

お茶も同様に3つの段階に基づいて評価を行います。

  1. 生茶葉の取り扱い(茶園から製茶工場)
  2. 加工時の管理(製茶工場)
  3. 製茶後の保存状態(輸送・保管)

が重要であり、これらが不適切な場合、酸化臭、ひね臭、煙臭などがします。

伝統型凍頂烏龍

以上がお茶の価値を決め込む手順であり、私がお茶を買うときの判断手順です。これはお茶ばかりに限って事ではなく、ありとあらゆる加工品に通じる話です。どんなに素材が優れていても、それが不適切に加工されたり、保存状態が良くなかったりした場合、お茶の価値は下がります。
お茶の価値と原料茶葉の品質は別問題と言う点を良く理解することが重要です。

 

商品ハイライト

 

凍頂烏龍茶

凍頂烏龍は弊店の商品の中でも大変人気のある商品です。

伝統型凍頂烏龍

凍頂烏龍茶(中発酵)は緑茶のように緑色の茶葉をしております。特に人気があるのが凍頂烏龍茶の中発酵タイプです。このお茶はHOJOのラインアップの中でジャスミン茶に次ぐ人気商品です。万が一未だ飲まれてない人は、是非、ご検討ください。凍頂烏龍はHOJOの売れ筋のお茶ゆえ、仕入れには特に力を入れております。一般的な凍頂烏龍は微発酵ゆえに花のような香りが特徴ですが、中発酵タイプは蜜のような香りがします。(HOJOでは微発酵と中発酵の両方を取り扱っており、初心者には微発酵タイプをお勧めしております。)

 

伝統式凍頂烏龍

そして、既に台湾烏龍茶は幾つか試された方に是非ともお薦めなのが、傳統式台湾烏龍茶です。この烏龍茶は、お茶に強いこだわりを持たれているお客さんに特に喜ばれます。また、高い発酵度のお茶は、寒い季節に飲むと特に美味しく感じられるため、このお茶は私にとっても、今の季節に欠く事の出来ないお茶です。

伝統型凍頂烏龍

伝統式凍頂烏龍の茶葉

一般的な台湾烏龍茶と異なり、香りが非常に濃厚で、何層もの香りが感じられます。生産者が自家用に作った物を毎年定量だけ分けて貰っており、数量に限りがある為、興味のある方はお早めにどうぞ。

 

2012年産の月ヶ瀬在来煎茶と春日在来煎茶

2012年産の春日在来煎茶月ヶ瀬在来煎茶を飲まれましたか?まず、月ヶ瀬在来煎茶ですが、このお茶は宇治煎茶 鷲峰山とならび、飲まれたお客さんの反応が両極端です。

プーアル茶

1. 物凄く喜んでくれてお礼のメールまでくださるお客さん

2. 味も香りも薄く美味しく無いと言うお客さん

以上の反応は日本茶に限らず素材の質の高いお茶を飲んだときに見られる特有の反応です。

良い素材から作られたお茶はコク(喉越し)が強くなる分、香りに広がりが生じるため、味が立体的に感じられます。実際、味は非常に濃いのですが、円やかすぎるために、人によっては味が薄く感じることがあるのです。月ヶ瀬在来煎茶・宇治煎茶 鷲峰山は無肥料で作られているため、一般的な日本茶の特有のアミノ酸に熱を加えたような香りがしません。代わりに、透き通った香りと、強い喉越し(コク)、強い余韻が感じられます。普通の日本茶を飲んだ時とは全く異なる「感覚」ゆえに、一瞬、烏龍茶と間違えるお客さんもいるほどです。お茶は質が上がるほど、コクが深まりますが、反面、鼻に抜ける直角的なな香りは弱まります。香りに奥行きが生じるために、味へのこだわりがある人、お茶本来の味を求めている人は大変な満足感を感じます。但し、一般的なアミノ酸臭のする日本茶を想像して飲むと、「あら?」となってしまうのです。アミノ酸臭のする一般的なタイプの日本茶は敢えて私が販売しなくても、容易に他店から入手することが出来ます。私は一般的に入手が困難な自然栽培の日本茶にこだわっております。自然栽培のお茶には深いコクと甘みがあり、その素晴らしさを知ったら後戻りできません。

春日在来煎茶は花のような華やかな香りです。春日在来煎茶は月ヶ瀬在来煎茶や宇治煎茶 鷲峰山ほど味が深くないため、逆に香りが強く、素直に楽しめるお茶です。マニアにも、普通に日本茶を好む人にも好まれ、とてもバランスの良いお茶です。

私の場合、普段飲みする日本茶は、春日在来煎茶、夜に体の芯からリラックスしたい時は、月ヶ瀬在来煎茶や宇治煎茶 鷲峰山を飲みます。

岐阜県にある旧春日村。春日在来煎茶の産地は無農薬茶園。

佐渡の急須作家、清水謙氏の作品が入荷

清水謙氏より野坂の宝瓶(還元酸化共に)が届きました。

長らくお待ちのお客様、どうも有り難うございました。今週20日までには全アイテム販売を開始予定です。写真撮影の都合上、18日以降徐々に公開致しますので、まめにサイトのチェックをお願い致します。

■発行責任者:北城 彰(株式会社HOJO代表者)

■発行元:お茶の専門店HOJO https://hojotea.com/

〒399-3101長野県下伊那郡高森町山吹2262

TEL/FAX : 0265-358384

■海外店舗:The Gardens 3rd Floor, Midvallye City

Lot No. T-215, 3rd Floor, Mid Valley City, Lingkaran Syed Putra

59200 Kuala Lumpur, Malaysia

■お問い合わせ:info@hojotea.com

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