プロが用いる「美味しい紅茶」を選ぶ3つの重要なポイントを説明します。

美味しい紅茶と言っても人それぞれなのでは?と言う意見が聞こえてきそうですが、科学的なアプローチをすることである程度客観的に美味しい紅茶を選ぶことが出来ます。

 

茶葉の香り

先ずは茶葉の香りを嗅ぎましょう。粉っぽい香り、ゴムのような香り、プラスチックのような香りがするお茶は「酸化」したお茶です。

これらのお茶は生産過程で生じた水分が結露し、それが原因で酸化した物。意外に多いのは輸送途中の温度変化による結露と、それによる酸化があります。

私が見る限り、世の中に流通してる紅茶の8割は販売されている時点で酸化しております。ただ紅茶の場合発酵度が高いために消費者が酸化に気が付かないことが殆どです。

本当に鮮度の高いお茶と比較することで、酸化臭を記憶することが大切です。

 

茶葉の色

茶殻の色が明るい茶色、オレンジ系の色をしている場合、発酵が正しく行われたことを指します。紅茶の茶葉は全て茶色だと思っている人がおりますが、実際はそうではありません。

発酵を失敗したお茶は、焦げ茶色か、更にひどい物になると黒やグレーの色をしております。紅茶の場合、発酵が上手に制御されるとテアフラビンという黄色の物質が生成されます。

この色素は紅茶の品質の指標でもあり、黄色の物質が豊富に含まれるがゆえに茶葉がオレンジ〜明るい茶色に見えます。

逆に茶葉の色が濃くなってしまったお茶は、過度に酸化が進んだために、テアフラビンがテアルビジンという不定形の巨大なタンニン様物質へと変化します。

この様な色になった紅茶は種類に関係無く、また、例外なく、蒸れ臭がします。お茶が冷めてから飲んだり、2煎目以降になるとこの香りが非常に気になります。

生産者はこの蒸れ臭を取り除くために、火を強く入れる事で対処しようとします。但し、いくら火を入れても、覆水盆に返らずで蒸れ臭は誤魔化せても消す事は出来ません。

火の香りが強すぎるお茶、焦げ臭いお茶、妙にカラメル臭いお茶は、発酵が過度に進んでしまた茶葉であることを仄めかしております。

 

左が上手に発酵されたお茶。右は過発酵。このようなお茶は必ず蒸れ臭がする。

茶葉が明るい茶色さえしていれば、あるレベルの基準を満たしていると言えます。大手の紅茶バイヤーなどは茶葉の色に重点を置いて茶葉選びを行う場合が多いようです。

 

渋味・苦み

 

多くの人が紅茶は渋いと思っております。

これはとんでもない大間違いです。紅茶だから渋いのではありません。その証拠に私が扱っている紅茶はどの銘柄も渋くも苦くもありません。空きっ腹でゴクゴク飲んでもお腹が痛くなることは全くありません。

紅茶だから渋いのではなく、多くの紅茶が夏場の茶葉から作られているために渋いのです。

 

山菜を想像してみてください。春先は甘みがあり美味しかった山菜も、夏場に摘んだらどうでしょう?

セリ、ウド、蕗等は真夏でも摘めますが、渋味やえぐみ、時としては苦みがあります。

 

これはお茶でも同じ事で、夏場に摘まれたお茶はどの種類のお茶に加工しようと渋くなります。(唯一渋くないのがプーアル熟茶です。)

 

緑茶の場合、夏のお茶は使用されません。渋すぎて利用できない為です。

紅茶の場合、低級のお茶になるとミルクを入れることを前提としているため渋くても加工され、流通します。

本来、美味しいお茶は春の一番茶で作られるため、渋味は全くあってはなりません。

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