
- ホーム >
- お茶の成分と効能
色で見分ける紅茶の優劣
- [2013.06.21] Written By 北城 彰(Akira Hojo)
上手に発酵された紅茶と、発酵に失敗した紅茶とでは香りの違いには雲泥の差があります。発酵がうまく制御できている紅茶は甘い香りがするのに対し、発酵がうまく制御できなかった紅茶は酸っぱいような、蒸れたような香りがします。
発酵の状態は茶葉の色に表れる
発酵の優劣は、お茶の水色にも表れます。発酵がうまくいったお茶は黄色、逆に、発酵がうまくいかなかったお茶は茶色をしております。色が違うのは水色だけでなく、お茶をいれた後の茶葉の色も発酵の制御の優劣が反映されます。じつは、発酵が上手に制御できているお茶と、そうでないお茶とでは、含まれる成分にも雲泥の差があります。
ゴールデンリングの正体はテアフラビン
紅茶の成分はタンニンと言われますが、タンニンという言葉は余り意味がないため無視した方が賢明です。と言うのも、タンニンとは植物成分が酸化して複雑に結合してできた物質の総称であり、タンニンという物質があるわけではないため混乱の元です。
上手に作られた紅茶にはテアフラビンという物質が豊富に含まれます。テアフラビンには複数の種類があります。テアフラビンは茶葉に含まれる酸化酵素の働きでフラボノイド(ポリフェノール)が2つ、または3つ合体(重合)して形成されます。この物質は明るい黄色をしております。質の良い紅茶をいれると、カップの縁にはゴールデンリングができますが、このゴールデンリングこそがテアフラビンの正体です。
テアルビジンは紅茶における失敗の象徴
テアフラビンはカテキンなどのフラボノイドが2−3重合(結合)してできた物質ですが、酸化が進みすぎたばあい、テアフラビン同士が結合し、その結果、特定の分子構造を持たない巨大な物質が形成されます。これは業界ではテアルビジンと呼ばれております。分かりやすく言うと、酸化発酵により生じるテアフラビン以外の褐色の物質はなにもかも、全てテアルビジンと呼ばれます。つまり、テアルビジンとは特定の物質を指す名称ではありません。このテアルビジンは茶色を呈する物質で、不特定の物質からなる混合体の「総称」です。テアルビジンが生成されると、香りは酸臭を伴い、蒸れたような不快な香りがします。
良い紅茶とは、発酵が途中で止まっている状態
質の良い紅茶に含まれるテアフラビンは、ポリフェノール(カテキン)→ テアフラビン → テアルビジン(タンニン)と生成していく過程の中間的な物質ゆえ、ちょっと制御を間違えると「行き過ぎ」てしまいます。じつは紅茶作りというのは非常に難しく、テアフラビンのみを優先的に作るためには、発酵に関係する萎凋、揉捻、発酵、乾燥を芸術的なレベルで制御する必要があります。
上記の理論はお茶の茶殻の色に反映されます。紅茶の茶殻の色を観察することで、そのお茶が上手に発酵しているかどうかは一瞬で見極める事が出来ます。酸臭を伴ったり、蒸れ臭を伴う紅茶の場合、茶殻を見るとたいてい黒褐色をしております。
1,Twitterをフォローする。2,FaceBookで「いいね!」を押す。3,メールマガジンに登録する。という3つの方法で、お茶に関する最新情報をキャッチすることができます。今すぐ下のツイッターフォローボタンや「いいね!」をクリック!
メールマガジン登録で無料サンプルをもらおう!
- メールマガジンにご登録いただくと無料のサンプル茶葉のプレゼントや希少商品の先行購入など様々な特典がございます。ソーシャルメディアの購読だけでなく、メールマガジンへのご登録もお忘れなく!
- 長期熟成をした緬境野生茶2014年産を再発売
- 緬境野生茶 2014(生茶)マレーシア熟成 緬境野生茶 2014は、マレーシアと日本で長期保存をしており、しっかりと熟成が進んだお茶です。 このお茶は数ヶ月間、有酸素で雲南省で保存し、その後無酸素にて追加熟成をしておりま …
- 自社開発した新製法にて自分たちで仕上げた野生紅を発売
- 野生紅のロットが2024年産に切り替わりました。 通常であれば特にお知らせすることはありませんが、今回の切り替えには大きな意味があります。 2024年産の野生紅から、私たちが開発した新しい製法を用い、私たち自身の手で作っ …
最新の記事 NEW ARTICLES
長期熟成をした緬境野生茶2014年産を再発売
- 緬境野生茶 2014(生茶)マレーシア熟成 緬境野生茶 2014は、マレーシアと日本で長期保存をしており、しっかりと熟成が進んだお茶です。 このお茶は数ヶ月間、有酸素で雲南省で保存し、その後無酸素にて追加熟成をしておりま …
自社開発した新製法にて自分たちで仕上げた野生紅を発売
- 野生紅のロットが2024年産に切り替わりました。 通常であれば特にお知らせすることはありませんが、今回の切り替えには大きな意味があります。 2024年産の野生紅から、私たちが開発した新しい製法を用い、私たち自身の手で作っ …
ミャンマー国境隣接地域産 鎮康古樹熟茶2022 発売
- 鎮康古樹熟茶2023を発売しました。 普段飲みに適した価格帯のお茶を目指し、非常に僻地の産地から茶葉を仕入れています。 https://hojotea.com/item/d154.htm ミャンマーとの国境を接する鎮康県 …
祁門紅茶の再入荷
- 暫く品切れになっていた祁門紅茶が入荷しました。 https://hojotea.com/item/b01.htm 祁門紅茶工場産の祁門紅茶 祁門紅茶は安徽省祁門県産の紅茶で、世界的にも知られる銘茶のひとつです。祁門県には …
フルボディの高級熟茶、忙肺古樹熟茶2023 200g餅茶を発売
- 忙肺古樹熟茶2023を発売しました。当店の熟茶の中でもトップレベルの非常に高品質な熟茶です。 臨滄市永徳県を代表するプアール茶の名産地 忙肺(Mang Fei)は、漢字の意味だけを見ると奇妙な地名ですが、もともと当地の少 …
火地古樹生茶 2022を発売
- 火地古樹生茶 2022を発売しました。 数年間の熟成を経て、爽やかで透明感のある甘い香りが際立つお茶です。 高山の自然栽培茶園産 火地は私達がお付き合いしている農家が保有する、臨滄市南西部に位置する永德県の標高2100m …
東山生茶 2024の散茶を発売
- 東山生茶 2024の散茶を発売しました。実は、東山の散茶を販売するのは今回が初めてです。 https://hojotea.com/item/d63.htm 雲南省臨滄市鎮康県の高山地帯で収穫された老樹茶 東山生茶2024 …
なぜお茶は渋いのか?渋味の原因と仕組みを紐解く
- お茶には渋味を全く感じないものもあれば、非常に強い渋味を持つものもあります。では、この渋味の原因は何なのでしょうか?ここでは、渋味の原因とそのメカニズムについて解説します。 渋味の原因 渋味は、お茶の成分が口腔内のタンパ …
鳳凰単叢老欉蜜蘭香 2023を発売
- 鳳凰単叢老欉蜜蘭香2023を発売しました。 https://hojotea.com/item/houou.htm 鳳凰単叢は広東省潮州市を代表する烏龍茶で、老欉は樹齢の高い茶樹から収穫された茶葉を使ったお茶を指します。 …
湯を沸かす熱源によって変わるお茶の味香り
- お茶を淹れる際に使うお湯ですが、やかんの材質によってお湯の味が変わることはよく知られておりますが、実は、やかんの材質以外に、湯を沸かす熱源の種類によっても味が大きく変化することをご存じでしょうか? 同じヤカンでも、熱源に …
- HOJO通販新着
- 特集
- メールマガジンバックナンバー
- お茶の種類
- お茶の産地
- 茶器・急須
- お茶のコラム-雑学-歴史-文化
- お茶を楽しむ
- お茶の作り方-製法
- お茶の品質を決める各種要素
- お茶の成分と効能
- お茶の安心と安全
- 食品
- お茶ビジネスの運営・記録
- 趣味活動
- お茶のランキング-おすすめ
- お茶に関する動画
- お茶に関するQ&A
- メディア掲載

- an anにてジャスミンパールが紹介されました。
- an an 「マガジンハウス出版」 No.1865、2013年7月24日号「夏のお取り寄せ」特集で弊社のジャスミンパールが紹介されました。
- マレーシアの全国紙 “Star Newspaper”に掲載して貰いました。
- 先日、マレーシアの全国紙「Star Newspaper」でHOJOの特集をしてくれました。 Starはマレーシアで最も購読数の多い新聞で、マレーシアのメディアでは最も影響力の大きな新聞です。 新聞の内容は、茶器によりお茶 …

住所:Lot No. T-215, 3rd Floor, Mid Valley City, Lingkaran Syed Putra 59200 Kuala Lumpur