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カフェインの少ないお茶の選び方
- [2015.03.01] Written By 北城 彰(Akira Hojo)
お茶にはカフェインが含まれているというのが定説ですが、お茶の作り方によって含まれるカフェインの量は変わります。カフェインの生合成の点から、カフェインの少ないお茶の選び方について説明したいと思います。
茶のポリフェノールと苦味は無関係
お茶は苦いのは当たり前と思ってませんか?実はお茶の場合、質が上がるほど苦味はなくなります。例えば、私が販売しているプーアル茶、高級な烏龍茶・紅茶などは5分くらい長めにお茶をいれても殆ど苦味が感じられません。
お茶の苦味はポリフェノールという説もありますが、私はポリフェノールは苦味とはほぼ無関係と考えております。お茶を分析すると分かることですが、肥料の量とポリフェノールの合成量は反比例関係にあります。つまり、肥料を与えれば与えるほど、ポリフェノールの量は減少します。逆に、自然栽培や窒素肥料をおさえた有機栽培で作られたお茶には、現代農業方式のお茶と比べポリフェノールが数倍以上含まれます。しかし、自然栽培で作られたお茶はどれも殆ど苦くありません。つまり、ポリフェノールの量が増えれば増えるほど、お茶は苦くなくなります。高級茶が苦くないというのも、高級茶は一貫して肥料を制限して作られているためです。
お茶の苦味の主体はカフェイン
私はお茶の苦味の主体の一つはカフェインだと考えております。以前、私が科学系の仕事をしていた際、研究室にはカフェインの標準試薬がありました。私はカフェインがどういう味がするのが非常に興味津々だったので、カフェインの標準試薬を舐めてみたことがあります。その結果は、文字通り、劇苦い味でした。カフェインは希釈しても非常に苦く、お茶の苦味の本体の一つはカフェインであると考えるのが自然だと思います。
葉の色が濃いほど苦みが強い
私の経験上、現代農業方式の茶園産のお茶は苦く、自然栽培茶は苦くありません。更に、茶葉が緑色をしているほどお茶は苦く、黄緑色をしている茶葉は苦味があまり感じられません。
茶葉が緑色をしていると言うことは、葉緑素であるクロロフィルが多く含まれている証です。なぜ、クロロフィルが多く含まれているかというと、成長を活発にしているためです。黄緑色になって弱っている観葉植物に肥料を与えると、葉が濃い緑色になり、勢いよく成長するのと同じで、肥料を与えられたお茶は、窒素を吸収することで、勢いよく成長しようとします。その結果、成長するための材料を生産するため、葉緑素を増産し、光合成を活発に行います。
ようするに、以下の様な関係が成り立ちます。
肥料を与える=窒素がお茶に多く吸収される=茶葉はより緑になる=成長が早くなる
逆に、肥料を制限したり、無肥料で育ったお茶の場合、窒素不足から成長が極端に遅くなります。成長をする必要がないことから、葉緑素は殆ど合成されず、茶葉は黄色くなります。
コクの強いお茶はカフェインが少ない
実は、カフェインは分子内に4つの窒素を含む物質です。(C8H10N4O2)当然、窒素を含む肥料が入れば、カフェインも多く合成されるし、窒素が制限されるような自然栽培茶の場合、窒素欠乏によりカフェインの合成も制限されます。
「茶園産のお茶」、「緑色をしたお茶」がより苦いというのは、過剰に吸収された窒素ゆえに、カフェインが多く合成されるためだと思われます。
つまり、カフェインを制限したい場合、自然栽培茶のようなお茶を探すべきです。お茶の場合、肥料の施肥量とコクの強さは反比例関係にあることから、カフェインが少ないお茶を求めたいばあい、自然栽培系のコクの強いお茶がそれに相当します。
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