• ホーム >
  • お茶のコラム-雑学-歴史-文化

雲南省のプーアル茶用茶葉
雲南省の茶葉=大葉種、そして雲南大葉種はポリフェノールを多く含むため紅茶や発酵茶に向くという記述を良く目にしますが、雲南省のお茶=大葉種という点について私は少し違った視点を持っておりますので紹介します。

雲南省のお茶は大葉種だけではない

プーアル茶の仕入で実際に雲南省の茶園を歩き回ると分かることですが、雲南省にあるお茶は大葉種だけでは無いように感じられます。茶園を歩き回ると、驚くほどに様々なサイズ、様々な形状の茶葉を目にします。産地を歩くと、中国種と呼ばれるCamellia sinensis var. cinensisのような小さくて丸っこい茶葉から、烏龍種のような尖った茶葉、アッサム種のような大きく尖った茶葉まで様々です。

雲南省で見かけた樹齢500年位のお茶の木:小葉種の茶葉

プーアル茶

プーアル茶

プーアル茶の茶葉

まるで烏龍種のような細長い茶葉

プーアル茶の茶葉

実際には、雲南省には樹齢が500年以上の小葉のお茶の木が豊富に存在しています。このことから、小葉のお茶は中国の北部から持ち込まれたものではなく、雲南省内で古くから野生茶として存在していたか、交配や変異を経て発展した可能性が高いと考えられます。雲南省では伝統的にお茶の種をまいて栽培されてきました。これを「実生」と呼びますが、実生には雄しべと雌しべの交配が必要です。つまり、雲南省のお茶は数千年以上にわたり、複雑な交配が繰り返されてきた結果、現在に至っており、雲南省のお茶を単純に「大葉種」と呼ぶのは微妙です。

プーアル茶の茶葉

小型の茶葉を有する老木

プーアル茶の茶葉

樹齢数百歳以上のお茶の老木

肥料の有無によってサイズが激変するお茶の葉

因みに、お茶に限らず植物の葉のサイズは肥料の量に比例して大きくなります。肥料を与えると言うことは、お茶はより成長しようとするため、光合成をより多く行うために、より緑色になり、より多くの光を吸収するために葉はより大きな面積へと変化します。自然栽培茶等は、肥料を殆ど与えられてないため、お茶の葉のサイズは非常に小さく、そして色合いも黄色に近い色をしております。

プーアル茶の茶葉

肥料によって巨大化した茶葉

プーアル茶の自然栽培茶園

無肥料栽培により茶葉が黄色く変色し小型化したお茶の木

ポリフェノール量は栽培方法によって劇的に変化する

アッサム種はポリフェノールの含有量が多いとされ、それゆえに発酵茶に適していると言われています。ただし、同じ条件でお茶を栽培した場合、アッサム種を含む大葉種系のお茶は、小葉種よりもポリフェノールを多く含むことがあるかもしれません。しかし、ポリフェノールの含有量は肥料の使用や施肥量に大きく影響されます。日本のお茶作りにおいて、肥料を使用してアミノ酸量を増やす方法と、自然栽培方式の日本茶とを比較し、合計タンニン量換算でポリフェノールを比較するデータを見ると、自然栽培茶にはポリフェノールが約3倍多く含まれていることが示されています。要するに、ポリフェノール含有量を高めたい場合、茶の品種選択よりも肥料の使用方法や栽培方式の選択がはるかに重要であると言えます。

残念ながら、私が参照したデータは有る地域の各農家のお茶を分析したもので、非公式のものであるため掲載できません。近将来改めて自分で分析をして紹介したいと思います。

日本茶(緑茶)、中国紅茶、白茶、プーアル熟茶、プーアル生茶、ジャスミン茶、烏龍茶という厳選された茶葉7種のお試しセット

関連記事 RELATED ARTICLES

お茶に関する最新情報を確実にキャッチするには? SOCIAL NETWORK

1,Twitterをフォローする。2,FaceBookで「いいね!」を押す。3,メールマガジンに登録する。という3つの方法で、お茶に関する最新情報をキャッチすることができます。今すぐ下のツイッターフォローボタンや「いいね!」をクリック!

メールマガジン登録で無料サンプルをもらおう!
メールマガジンにご登録いただくと無料のサンプル茶葉のプレゼントや希少商品の先行購入など様々な特典がございます。ソーシャルメディアの購読だけでなく、メールマガジンへのご登録もお忘れなく!

HOJO TEAオンラインショップNEWS一覧を見る

東洞庭山産、無農薬無肥料の碧螺春を発売
碧螺春(Biluochun)は中国を代表する緑茶の一つで、その優れた品質と独特の風味で有名です。HOJOでは、無肥料無農薬栽培による、余韻の長い碧螺春をお届けします。 https://hojotea.com/item/g …
マレーシアで8年熟成の白鶯山古樹白茶2017を発売:トロピカルフルーツの香り
白鶯山古樹白茶2017を再度発売しました。同じ名称の商品をこれまでも販売しておりましたが、以前販売していたロットの商品は日本で熟成したお茶でした。今回発売する商品は8年間マレーシアで熟成をしたお茶になります。マレーシアの …

最新の記事 NEW ARTICLES

単株茶を含む2022年産の鳳凰単叢老欉を3種類発売
単株を含む、鳳凰単叢の老欉を3種発売しました。今回発売したお茶は以下の三種類です。何れも標高1200mの茶園産の茶葉原料から作られており、濃厚な香りと深い後味がする素晴らしいお茶です。 鳳凰単叢老欉夜来香 2022 鳳凰 …
東洞庭山産、無農薬無肥料の碧螺春を発売
碧螺春(Biluochun)は中国を代表する緑茶の一つで、その優れた品質と独特の風味で有名です。HOJOでは、無肥料無農薬栽培による、余韻の長い碧螺春をお届けします。 https://hojotea.com/item/g …
マレーシアで8年熟成の白鶯山古樹白茶2017を発売:トロピカルフルーツの香り
白鶯山古樹白茶2017を再度発売しました。同じ名称の商品をこれまでも販売しておりましたが、以前販売していたロットの商品は日本で熟成したお茶でした。今回発売する商品は8年間マレーシアで熟成をしたお茶になります。マレーシアの …
雲南省の稀少茶、大雪山野生白茶2024を発売
大雪山野生白茶2024の散茶を発売しました。 このお茶は、私達が実際に現地雲南省の産地に滞在し、現地で生産管理しながら作り上げたお茶です。 雲南省における野生茶の定義 これまで何度も説明しておりますが、雲南省 の人々は例 …
HOJO独自の新製法で実現した香り高い紅茶:雲南での挑戦
雲南省に1.5ヶ月滞在した期間中、良質な白茶やプーアル茶の生産はもちろん重要な課題でしたが、今回の大きな目標は、小ロット生産にも対応した新しい紅茶の生産方法を開発することでした。 一般的に雲南紅茶といえば、当店のラインア …
2024年の雲南省お茶シーズン:予想外の気温と収穫の混乱
長い雲南省の仕入れを終え、現在マレーシアのクアラルンプールに滞在しております。輸入したお茶の評価や海外用のお茶の発送など細かな手配が必要なため、クアラルンプールの会社に来月まで滞在予定です。 今年はシーズンの最初である3 …
2024年の白茶:理想的な天気と現地滞在で品質は上々
私たちが雲南省で力を入れているお茶の一つは白茶です。白茶は昔から、福建省と雲南省で作られてきました。 福建省の白茶は製茶はよく管理されている反面、慣行農園方式で肥料を用いた農業をしているため、原料の質に関して、私は満足で …
雲南のおもてなし文化:食事に込められた思い
中国では、挨拶代わりに「你吃饭了吗?」、つまり、「ご飯食べた?」と言うのが一般的ですが、雲南省にいると、色んな局面で、「吃饭」「吃饭」、ご飯食べていきなさいと言われます。ただ、長く雲南省に携わると、これらのご飯への誘いは …
野生茶を求め雲南省臨滄市南西部の山村へ
現在、雲南省臨滄市の南西部にてお茶の仕入を行っております。 当店にとって重要な商品の1つに野生茶があります。野生茶は製茶はもちろんですが、原料確保が一番大きな課題です。 今回、新たに野生茶が有る場所があるらしいと言う情報 …
雲南省のお茶産地にてプーアル茶、白茶、紅茶の生産
3月24日から中国の雲南省臨滄市の南西部、永德、鎮康県にてお茶の仕入れ、生産を行っております。 雲南省は世界一と言っても過言で無い極上の原料がある反面、生産に対する管理が甘いため、出来合のお茶を仕入れたのでは、理想とする …

PAGETOP