金芽は乾燥フルーツのような甘く濃厚な香りがする紅茶です。このお茶は深く発酵が行われているため、濃くいれるよりも薄めにいれた方が香りがデリケートに感じられます。

ミルクティの常識が変わります

実は金芽のとてもお薦めの飲み方は「ミルクティー」です。お茶好きの方の多くはストレート好まれるかもしれませんが、騙されたと思って是非1度金芽のをミルクティーで飲んでみてください。大げさかもしれませんが、ミルクティの世界観が変わります。お茶を少量の熱い湯で濃いめにいれ、たっぷりのミルクで割ると、今まで飲んだ事もないような優しく、柔らかな口当たり、それでいて味が濃厚なミルクティーが出来ます。金芽に含まれるミネラルががミルクの味自体を引き立てるため、砂糖を使わなくとも甘味が感じられます。

 

金芽はなぜ金色をしているのでしょうか？

春の一番最初に摘まれたお茶の芽は白い産毛に覆われております。紅茶を作る際には、まず茶葉を揉み、その後、発酵が行われます。揉んだ際、お茶からポリフェノールを多く含むエキス分が染み出して産毛に付着し、それが発酵することで黄色の色素へと変化します。

 

 

雲南省の少数民族によって作られたお茶

金芽の産地はは雲南省の南西部、臨滄市におけるミャンマーとの国境付近です。臨滄は「市」ですが、面積は24000平方メートルもあり四国よりも広い面積を有します。また、臨滄の多くの土地は山によって構成されており、金芽の茶園も1900-2300mの亜高山帯に分布しております。

 

自然栽培茶から作られた紅茶

このお茶の特徴の1つは少数民族が所有する自然栽培（放置栽培）のお茶から作られている点です。無農薬はもちろん、肥料も与えず、剪定も行わず、お茶の木は自然の植物のように放置されており、お茶は生体系の一部として周りの自然と同化しておりました。
このように自然の生態系の一部と化したお茶の木は成長速度が遅く、その結果、光合成を積極的に行う必要もなくなるため、木１本当たりがつける茶葉の数が極端に少なくなります。成長が遅く、木当たりの茶葉の数が非常に少ないことから、1枚1枚の茶葉にはミネラルが豊富に含まれており、健康的な茶葉が形成されます。

自然栽培のお茶に関して何よりも強調したい点は、味がとても濃く、余韻に強い甘みが感じられる点です。例えるなら山で採れた山菜をを食べているかのような濃厚な味が感じられます。例えば、野のふき、タラの芽、天然ワサビ、天然の三つ葉は栽培物と比べ何が違うのでしょうか？天然の山菜や野菜の場合、ミネラルが豊富に含まれているため、味が濃く、食べた後の味香りに余韻が感じられ、口の中に甘味が残ります。自然栽培茶をいれると、水質そのものが全く異質に感じられます。水がきめ細かくなり、喉の奥にスーーーと入っていく感覚、また、お茶が体に染みこむような不思議な感覚を体験することが出来ます。

また、自然栽培茶はミネラルを豊富に含むことから、お茶を飲むと体がポカポカと熱くなり、お茶を飲んでいるにもかかわらず、体がふんわりと心地よい気持ちに感じられます。これはお茶酔いとも呼ばれ、血行が良くなることで感じられる現象と言われております。血行が良くなると言うことは便秘気味や冷え性の人には朗報です。

因みに、金芽と呼ばれるお茶は中国各地に存在します。春摘みの芽から作られた紅茶はどれも金色をしております。ただし、私にとって大切なのは自然栽培のお茶から作られた金芽である点です。自然栽培ならではの軟らかなコクのある味わいを楽しみたいのです。