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台湾の紅茶と聞くと、多くのお客さんが、興味なさそうに「ふーん、台湾にも紅茶があるんですねえ」と言われます。
私自身、台湾茶=烏龍茶という先入観があり、最初に紅茶を紹介されたときには、あまりピンと来ませんでした。
ただ、よく考えてみると、台湾にはかの有名な「東方美人」があります。
東方美人は分類的には烏龍茶ですが、発酵度は非常に高く、現実的には烏龍茶と言うよりも紅茶です。要は台湾でも、東方美人のような発酵度の高いお茶を得意としており、それらの技術が紅玉紅茶の生産にもしっかりと反映されております。
紅玉紅茶は見た目は地味な感じですが、飲まれた方はその強烈な個性に驚かれます。このお茶の特徴はなんと言っても、独特のフレーバーです。コニャックのような香り、強いミントの香りの2通りが飲まれた人の一般的な意見です。良く、セイロンティーのウバ Quality Season Teaがミントの香りがするという表現をしますが、紅玉紅茶のミント香はその比ではありません。非常に強いために、ミントと言うよりブランデーの香りと言った方が適切かもしれません。
強い香りのお茶ゆえに、ミルクを入れても楽しむことが出来ます。
但し、このお茶の個性を楽しみたい方には是非ストレートで飲んで頂きたいお茶です。
台湾では、日本の統治下にあった頃、外貨獲得のために紅茶が生産され、海外に多く輸出されておりました。当時、日本の専門家による紅茶生産の為の育種・品種改良が積極的に行われ、紅茶生産のための技術も確立されました。
これまで台湾の紅茶はあまり有名ではありませんでした。その理由として、生産量が極めて限られており、海外への輸出をするどころか、国内の需要にすら対応できない状況でした。そのような理由により、海外ではほとんど知られていなかった台湾紅茶ですが、品質はどの程度のレベルなのでしょう。
台湾紅茶の中でも特に品質的に際だっているのが紅玉紅茶です。このお茶は、昔から栽培されているアッサム系(大葉種系)の品種を更に改良することで生まれました。
生産地域は低地、年間を通じて温度は23℃前後です。収穫は春に開始され、品質的に最も良いシーズンは夏とされております。摘採は1本の芽と2~3枚の葉を摘み取ります。プロセス自体は他の紅茶と大きくは変わりません。(摘採→室内萎凋→揉捻→発酵→乾燥)
私たちは最高品質の紅玉紅茶を求め台湾で調査を行いました。現地入りしての探索を行うことで、まるでミントが入っているかのような爽やかで甘い香りと、芳醇で甘い味を両立した紅玉紅茶(生産会社)を見つけ出しました。もちろん茶葉は無農薬茶園産です。
身近な水と言うことで、水道水をお薦めいたします。水道水を使用される場合は、消毒用の塩素を取り除くため3~5分沸騰させてください。但し、例え沸騰しても塩素を完全に除去することは出来ません。可能な限り、活性炭フィルター付きの浄水器を用い、水中の塩素を除去してください。そうしないと、お茶の香り成分と塩素が共に反応し合い、本来の香りが楽しめません。また、塩素は微生物を殺菌するためにいれられております。殺すのは健康に害のある微生物だけでなく、私達の長にすむ善玉菌も同様に殺菌してしまいます。また、細胞レベルでも様々な害が報告されており、アレルギーの原因にも成り得ます。
蒸留水や逆浸透膜水の場合、ミネラルを全く含まないために、お茶の味がフラットになりがちです。出来るだけ水道水等、ミネラル水をご使用ください。
尚、ヤカンに付着した水垢(スケール)は決して除去しないでください。クエン酸洗浄などを行うことで、従来のお茶の味が得られなくなってしまいます。
一端使用される水の種類を決められたら、今後、水の種類を変えないように同じ種類の水を使用し続けてください。水の種類が変わった場合、スケールからミネラルが大量に溶出し、暫く使っていると、お茶の味が劇的にまずくなります。同じ水を使用し続けることが、お茶を美味しくいれるための秘訣です。
通常、50mlの湯に対し1gの茶葉を用います。つまり、200mlの湯が入る急須の場合、200÷50=4gとなります。同様に
烏龍茶をいれる場合、最も大切なのが湯の温度管理です。
ただ熱いお湯を使えば良いと言うわけではありません。
例え熱い湯を使用しても、いれている過程で冷めてしまったのでは、ぬるま湯を使ってお茶をいれるのと大差がありません。
何煎もお茶を楽しんで頂くためには、2煎目以降の淹れ方が非常に重要なポイントとなります。
特に2煎目をどのように淹れるかという点はは非常に重要です。
通常、2煎目は「蒸らす必要がありません」
どういう意味かと言うと、沸騰したお湯を急須にさっと通すだけでOKです。つまり、蒸らし時間は1秒以下です。
このような淹れ方をすると、目の前で見ているお客様の殆どが、「え?そんなに短いんですか?」と驚かれます。
意外かもしれませんが、この方法でもお茶は十分に美味しくはいります。
3煎目以降も同様の方法を繰り返してください。
但し、1煎目と2煎目の間が長く空いてしまった場合、或いは、連続的に淹れる場合とでは、結果は異なります。
間が空くと、茶葉は湿った状態が長く続くため、実際にはじわじわと味が抽出されております。
このため、長時間放置した後にお茶を淹れる場合、淹れたお茶は濃くなっていることが多く、湯を足すことで濃さを調整してください。
お茶は倍の濃さに淹れてもあまりそれが感じられない物です。薄めたときに初めて、「あら、この方が美味しい」と感じられるものです。
因みに、2煎目以降、湯を通すだけの淹れ方をしたものの、もし薄すぎると感じた場合、茶海やピッチャーに入っているお茶を再び急須へ戻し、もう一度通してください。
この方法を理解することで、お茶を淹れる時間に悩む必要はありません。
更に、湯を注ぎだしたら、必ず、蓋を外し、茶葉を冷却しましょう。この動作は非常に重要なのですが、意外に知られておりません。冷却することで、酸化を防止し、茶葉を新鮮な状態に保つのです。
200mlの湯に対し、4gの茶葉(テーブルスプーン大盛り)を用いて下さい。ポットのサイズが大きい場合、5gの茶葉を用いて下さい。尚、茶葉の量は個人の好みに応じて調節して下さい。
このような容器があると、茶葉をこぼさずに取り扱うことが出来便利です。
お茶を淹れる前に、急須を湯煎することで温度を高めてください。茶を淹れた際に温度を一定に保つことが出来ます。
ピッチャーを湯煎し、温めてください。
温まった急須に茶葉を入れてください。茶葉を入れる際、指で触ると、香りが移ることがありますのでご注意ください。
急須の中に茶葉が入っている様子です。目安としては、底が茶葉で隠れる程度です。
湯は出来るだけ低い位置から素早く、でも、茶葉を攪拌しないように注いで下さい。写真のように高いところから注ぐと、湯の温度が下がってしまいます。
1分蒸らしてください。
茶葉を蒸らしている間に、先ほどピッチャーに入れたお湯を湯飲みに移すことで湯飲みを温めてください。出来るだけ、低いところから注ぐことで、湯が周りに飛び散らないように注意してください。
10~20秒ほど温めたら、カップの水を捨ててください。
茶を低いところからピッチャーに注いでください。直接、グラスに注がれる場合、何回かに分け、交互に注ぐことで各グラスの濃度を均一にしてください。初心者の場合、ピッチャーを使われることをお奨めします。
最後の一滴まで注いでください。最後に残ったお茶には美味しさが凝縮されております。また、茶葉から完全に湯を除くことで2煎目以降を美味しく淹れて頂くことが出来ます。お茶を全部注ぎ終わったら、蓋を取り、茶葉の温度を下げてください。
既に濃度が一定になっているので、交互に注ぐ必要はありません。注ぐときの基本は右側から左へ注いでください。一番、右側がお客様、或いは、目上の人用、一番左側が自分用です。
紅玉紅茶の場合、ゴールデンリングは形成されません。本紅茶は特徴的な琥珀色をした水色をしており、とても甘いミントのような香りがします。
グラスで飲むとお茶の美しさ、透明度を観察して頂くことが出来、飲む楽しさが増します。
お茶鑑定用の容器で、茶葉をのせた写真です。良質の茶葉はお茶を淹れた後も、強い香りを放っております。茶葉はお茶以上にお茶の品質を語ってくれます。
常温にて保管されることをお薦めいたします。
お茶は湿度に弱く、水分を少しでも吸収した場合、即劣化が開始されます。
水分は以下のような状況で意図せず吸収されますのでご注意ください。
実際、茶葉が劣化する最大の原因は4と5のようです。
冷蔵庫に保管した場合、袋の内部は冷えており、テープなどでしっかりとシールしていても、かなりの率で外気が中に進入し、結露を起こします。茶葉を結露してしまった場合、2-3日で香りが劇的に変化します。
出来る限り、常温で保管し、しっかりと乾燥した部屋でシールをすることで湿度を避けて保管してください。開封したら数ヶ月内に消費してしまうのが理想です。
未開封で真空包装されている商品につきましては、1年以上の保管が可能です。更に熟成を進めたい場合、常温にて、未開封のまま(真空包装のまま)保管してください。尚、購入直後のままの品質を維持されたい方は冷蔵庫にて保管してください。冷蔵庫に保管された場合は、必ず、24時間かけ常温に戻してから開封するようにしてください。半日もおけば大丈夫と思われがちですが、茶葉は大変表面積が大きく、天然の断熱材と言っても過言ではありません。手で触ってみると、既に常温に戻っているように感じられますが、内部は冷えており、十分に温度を常温に戻すには24時間必要です。尚、一端冷蔵庫からだし、開封された後は、常温にて保管してください。秋~春は外気の温度が低いため、常温保存をしても数ヶ月以上美味しい状態を維持することが出来ます。
市販の商品で、真空状態を作り出すことの出来るタッパーがございます。普及品ではありませんが、お茶の保存には最適ですので、それらの特殊容器を求められるのも良いかと思います。
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