当店にお越しいただき、ありがとうございます。HOJO代表の北城彰です。中国茶販売から紅茶まで、お茶のことならお任せください。
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Arya茶園はお茶の質が良く、更に、製茶時における発酵制御が非常に上手に行われている為、当社では好んで仕入れています。
Arya茶園の中で、Rubyは非常に稀少で香りと味が良いことで定評のあるAV2と呼ばれるクローナル種を主体とする品種構成となっております。同じくAryaのお茶であるDiamondはAV2のみで構成されていて透明感・統一感のある香りなののに対して、Rubyが摘まれる茶園の場合は主要な品種はAv2ですが、他の品種も混在しており、それがRubyの複雑な香りを形成する1つの要因となっていると推察されます。
お茶はフルボディで、セカンドフラッシュのような雰囲気を有しつつ、蜜のような香りや、乾燥フルーツ系の香りが感じられます。ファーストフラッシュと同じく、オータムナルティに感しても、1年くらい熟成する方が遙かに香りは更に強くなります。ただ、HOJOのラインアップには現在ダージリンオータムナルがゼロゆえ、また、現時点でもとても香りがしっかりとしたお茶ですので、長期熟成を経ずに発売することにしました。
花のような香りと、甘いフルーツの香り・・・HOJOのダージリン オータムナルはこの両方を併せ持ちます。飲み心地は、程良いボディとわずかな渋みを伴い、お茶を飲み込んだ後、口の中には甘い余韻が残ります。春摘み茶にも夏摘み茶にもない、ダージリンらしさが詰まったオータムナルです。
ダージリンティと言えば、春摘み茶であるファーストフラッシュ、マスカットの香がする夏摘み茶のセカンドフラッシュがとても有名です。
しかしヨーロッパで一番人気が高いのは他でもない、ダージリンの秋摘み茶、オータムナルなのです。「オータムナルほどダージリンの良さが凝縮されたお茶は無い」と、ダージリンでお茶作り35年のエステートマネージャーは言います。
ダージリンの場合も秋と春に茶葉は良い品質になります。ところが春摘み茶の場合、意図的に萎凋を長くすることで微発酵烏龍茶のように仕上げます。それはそれで美味しいのですが、どちらかというとサッパリとした味わいです。
ヨーロッパで圧倒的な人気を誇る秋摘み茶は、茶葉をじっくりと発酵することで、茶葉本来のフルーティな香りとこくのある甘い飲み心地を併せ持つ、とてもバランスの良いお茶です。特に寒い季節や、肉料理、油を使ったデザートに良く合うお茶です。
オータムナルは春茶のように強い香りがない分、本来の質を伴わないお茶は個性がなく、魅力のないお茶になります。
逆に春摘み茶の場合、茶葉の香りが強いために適当に茶葉を選んでも、お茶の個性が品質をカバーしてくれます。
これは日本茶における深蒸し茶や火を強く入れたお茶と同じ原理です。質が良くない茶葉でも、深蒸しや火を強く入れたお茶は個性があるためにそれなりに楽しむことが出来ます。
浅蒸しや、火を殆ど入れないお茶の場合、原料の質が高くないとつかみ所のないお茶になります。
元々香りが控えめなオータムティの場合、同様に原料茶葉の質が重要な要素となります。HOJOでは喉越しを重視し、味や香りに奥行きのある茶葉を選びました。
中国・台湾・インド、何処の国へ行っても、最高級品は常に無農薬茶園(オーガニックガーデン)で作られております。中国茶で献上茶と呼ばれるお茶の殆どが無農薬茶園産です。これらは偶然なのでしょうか?
実は、最高レベルの美味しさを実現するためには、「無農薬茶園」は必須条件なのです。良いお茶、つまり美味しいお茶を作り上げるためには、土地は肥えていては駄目なのです。限られた肥料、そして厳しい環境は、茶葉の成長速度を極端に遅くします。遅い成長速度は「美味しさ」、「香り」、「栄養分」が驚くほど濃縮された、美味しい茶葉を作り上げるのです。私たちが無農薬茶園を選んだ真の理由、それは安全性と美味しさの両立です。
紅茶は一煎しか淹れられないと考えた場合、私たちのお茶は随分高い買い物になることでしょう。
しかし私たちのお茶は最低3煎淹れられます。特に2煎目は1煎目と殆ど変わらない品質を楽しむことが出来ます。一回のお茶の量が3gと考えた場合、ティーカップ一杯あたりのコストは実に50円以下。高級カフェでも出会うことのない、ダージリン冬茶がこのコストで飲めるとしたら、意外に経済的ではありませんか?
ダージリンは喫茶店でもよく見かけますが、いつも物足りなさを感じていました。今回HOJOのダージリンを試してみて、さすがに別格だなと感じました。自分で入れたお茶がお店で飲む物より美味しいのは嬉しいものです。ケーキ、ワッフル等と一緒に味わうとお茶の良さがさらに引き出されました。
HOJOではダージリンオータムナルのラインアップを刷新しました。
これまでの香りの種類重視の選び方から、味の厚み、香りの深さを重視しに変更しました。
飲んだとき、口の中でとろけるような、奥行きのある味わいを味わっていただけるお茶を選んでおります。
このような特徴を有するお茶は、茶葉を構成する細胞が小さく密度が高いことからカテキン量が多く、それに伴いミネラルが豊富に含まれます。
逆に収穫前に窒素肥料を与えて育てられたお茶の場合、アミノ酸量が増え、また、細胞一つ一つのサイズが大きくなるために、味の薄いお茶になります。
高い標高と、鉄分豊富な土、窒素肥料無しでの生育、半自然的な方法で育てることで時間をかけて成長した茶葉を厳選しております。
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優秀なマネージャーにより管理されているエステートは技術的にも品質的にも優れております。 |
ダージリンはイギリスにより開拓されました。標高の高いダージリン地方では他のイギリス植民地国では生育不可能だった中国系の茶品種の栽培が可能でした。それ故、アッサム種にはない柔らかい味と、香りのバランスのとれたダージリン特有のお茶が開発されました。
ダージリンティーの開発を行うにあたり、イギリスは中国の製茶方法を調べ上げることで、より合理的な近代的製茶方法を開発しました。
軍隊をモデルとする統率された組織と指示系統による、エステート経営手法の導入と、手作業に頼っていた生産方法を機械化することで、良質なお茶を大量生産できるようになりました。
インドがイギリスから独立した後も、イギリス流の組織、及び当時の装置が用いられ、今ではむしろ古くすら感じられる、オーソドックスローリング装置による製茶方法が今も変わらず用いられております。
そのようなインドダージリンのお茶産業も近年になり変わろうとしております。これまで延々とイギリス時代の手法でお茶を生産し続けてきたエステートですが、オリジナルの製茶方法の開発への取り組み、バイオ管理手法を取り入れた有機茶園等、新しいダージリンティーの時代の幕開けが感じられます。
その先駆けとなったのが、有名茶園であるキャッスルトンが開発したマスカテルフレーバーでした。マスカテルフレーバーとはマスカット(ぶどう)のような香りのことです。近年では他のエステートでも同等、或いはそれ以上の品質の開発が実現されており、有機栽培+マスカテルフレーバーがダージリンの夏摘み茶(2nd Flush)の標準になりつつあります。
ダージリンはインドの西部にある、西ベンガル地方のヒマラヤの裾に位置します。ダージリンへはカルカッタ、或いはデリーを経由して飛行機又は電車でアクセスできます。
麓の街シリグリからダージリンまでは車で2-3時間を要します。ダージリンには何十ものティーエステートがありますが、標高で大別すると3種類、ローグロウン(標高が低い)、ミドルグロウン(標高が中位)、ハイグロウン(標高が高い)に分類されます。
高所で生産されるほどお茶には豊富なアミノ酸が含まれ、そのため芳醇で甘い味が楽しめます。標高が高いほど良いというわけではなく、ミドルグロウン以上に位置するエステートであれば、ダージリンを代表出来るだけの銘茶を生産する能力は十分にあるといえます。
この地には谷が多く、美しい清流が流れています。この水はとても澄んでおり、直接飲めます。 | 茶園の朝の風景。この地に日が差すのは霧が発生する前のごく短い時間です。 |
HOJOのダージリンティーは全て完全有機栽培の茶葉を使用しております。有機栽培を行うと言うことは、有機無機の問題ではなく、茶園内で肥料の製造から農薬の製造に至るまでの全てを行わねばなりません。
例えば、肥料を外部から購入した場合、たとえその肥料が有機肥料だったとしても、一切の農薬が含まれていないことを証明できない限り使用が許可されません。そのため、肥料は有機栽培ティーエステート内に生育している雑草を刈り取り、それらを堆積、散水することで、腐葉土化し、発酵させてから肥料として用います。
ハーブ類は定期的に刈り取られます。 |
防虫剤は茶園で栽培された ハーブから作られます。 写真は防虫目的で栽培されている ハーブです。 |
農薬に関しては、一貫したポリシーがとられております。有機茶園では、害虫が嫌う味のする植物抽出液を散布することで、害虫に去ってもらう努力が行われております。農薬管理された農園と異なり、有機農園では、無害な虫には滞在してもらい、害虫には去って頂くというコンセプトなのです。
害虫の嫌がる植物抽出液を作り出すため、茶園の至る所には様々なハーブ類が植えられております。ハーブ類は定期的に刈り取られ、裁断された後、貯水槽に漬け込まれます。2週間ほどで植物は分解され、エキスが水に染み出します。HOJOが購入している茶園では虫に散布するため、大量のレモングラスを道路沿いで栽培しておりました。また、日本のヨモギと同一種の植物が自然に生育しており、ヨモギも虫除けとして用いられておりました。
植物を裁断する機械です。裁断された植物は、腐葉土用、或いは、防虫用の原料として使われます。 | 道沿いに栽培されているレモングラスも防虫剤として用いられます。 | |
発酵が十分にすすんで堆肥になった物 | このように積み上げられた堆肥は村のあちこちにあり、子供達の遊び場になっています |
ダージリン一帯は長年続けられたお茶の管理栽培により、生態系が壊滅的になり、川や森に沢山いた魚や鳥、昆虫類は劇的に減少したと言われております。ところが、驚くべき事に、バイオ農園に変換することで有機栽培を開始したところ、徐々に昆虫たちが戻り始め、それらを補食する鳥や魚、更に、それらを補食する野生動物たちが沢山戻ってきているそうです。事実、有機茶園の周りには大量の野生のインコが群れており、まるで動物園のような光景でした。
樹上にはインコの姿がありました。有機農法のおかげで、失われた生態系が取り戻されています。 | 水は下からポンプアップして散水しています。 |
ダージリンティーはストレス下に置かれることで、より優れた香りと味を生み出すと言われております。このことはダージリンに限らず全てのお茶、更には人間にも言えることです。ティーエステートは至る所にありますが、それぞれの環境・気象条件は大きく異なります。
有名茶園キャッスルトンが美味しいお茶を作り出す一つの理由にはお茶の生育環境が大きく関係しております。キャッスルトン茶園は非常に岩や石が多く、土地は全然肥えておりません。そのため、茶葉は常に水不足にさらされ、その環境ストレスが引き金となり、ダージリンティー特有の甘い香りを生み出すと推察されます。
ダージリン地方では2月頃から4月頃まで春摘み茶の収穫が行われます。春摘み茶は水分を豊富に含むことから、萎凋を長め、発酵を軽度に行い、非常に発酵度の低い春摘み茶(1 st Flush)が作られます。
ダージリンでは4月以降から5月にかけ雨期に入ります。この間は良質の茶葉の収穫が出来ず、専門用語でバンジーピリオドと呼ばれております。
この後、6月から夏摘み茶のシーズンが始まります。ダージリンと言えば、夏摘み(2nd Flush)に代表されるマスカテルフレーバーです。シャンパンのようとも言われるこの香りは何故6月に摘まれた夏摘み茶だけに強力に含まれているのでしょうか?
日本ではほとんど知られていない事実ですが、実はダージリンティーのマスカテルフレーバーにも東方美人と同じく「ウンカ」が関係しております。ウンカは雨期が終わると大量発生し、茶葉の汁を吸います、これにより東方美人の茶葉と同じく、黄色に変色し、茶葉は虫の攻撃に対抗するために、人間で言う抗体のような物質を作り出します。これを専門用語ではファイトアレキシンと呼びます。ウンカが吸った茶葉から作り出されるうっとりとするようなフルーツの香りは、テルペノイドに代表されるような揮発性のフィアトアレキシンではないかと推察されます。
写真の真ん中の枝にしがみついているのがウンカです。地元 ではグリーンフライと呼ばれています。 |
ウンカはマスカテルフレーバーの原因の一つです。台湾 の茶園に生息するウンカと全く同種です。 |
更に、ダージリンではウンカに加え、もう一種、マスカテルフレーバーに関与している生き物がおります。それは、英語でThripと呼ばれる虫です。この虫は普段はお茶の芽や花をはじめとする柔らかい部分に隠れているのですが、6月のシーズンが到来すると茶園一帯に飛散し、柔らかい茶葉や芽の汁を吸います。この虫に吸われた茶葉からも、ウンカ同様にフルーティーな香りがするのです。
ちなみに、どの虫でも良いわけではなく、この2種類の虫に汁を吸われた茶葉のみが黄色く変色し、マスカット様のフレーバーを生産します。
写真中央で花びらの上にThripがいるのが見えます。 非常に小さな昆虫です。 | Thripに噛まれた茶葉。黄色く変色しています。 |
茶園のマネージャーがある話しをしてくれました。彼が若い頃、ある有名茶園を訪れたところ、茶園の一部分に大量のウンカが付いていたそうです。彼がそこを通りかかったところ、まるで果物園にいるかのような強烈なフルーツ香がしたそうです。
尚、秋摘み茶(オータムナル)の場合、ウンカはまばらとなり、マスカテルフレーバーより、ダージリンらしい甘い香りが主流となります。同じオータムナルでも、9-10月に収穫されたお茶と11-12月に収穫されたお茶では性質が異なります。11-12月になるとお茶の木は春のお茶と同じく、新芽を付けます。この性質は非常に新茶の芽と似ております。また、雨が少なく、季節的に大変寒くなるため、茶葉の水分は減少し、また環境によるストレスを受けることで、甘い良質のダージリンティーに特徴的な甘い香りを生み出します。台湾の冬茶と同じく、とても美味しいお茶が出来ます。
お茶の品種ですが、低地のエステートでは大葉のアッサム種が作られます。アッサム種は渋みが強いことから、あまり良質のダージリンティーには向いておりません。標高が1000m以上の茶園となると、アッサムの変異種、アッサムと中国種の中間種に加え、徐々に中国系の茶葉が増えてきます。2000mを超えるようなハイグロウンの茶園ではほとんどが中国種となります。中国種は非常に甘くボディのある飲み心地であることから、春・夏の時期には大変な人気となります。
中間種はクローナルと呼ばれます。クローナルとは、突然変異や品種改良により新しく開発された品種を指します。クローナルは茶葉のサイズ、味共にアッサム種と中国種の中間的な位置づけにあります。中国種と比べると、香りが強く、アッサムほどではないものの、渋みが強めなのが特徴です。
このクローナルですが、秋になると、とても良い香りになります。特に秋が終わりに近づき、寒さや乾燥度が増すことでクローナルからはマスカテルとは異なりますが、フルーティーで甘い香りの成分が蓄積されます。私たちは秋でも特に晩秋の、香りの成分が十分に蓄積されたタイミングを見計らって茶葉の買い付けを行いました。
摘採は全て手で行われます。茶摘みの女性たちは早朝に茶園に行き、午前中には収穫を終えます。
よりクリーンな茶葉を入手するため、HOJOでは衛生管理が良く行き届いた工場とお付き合いしております。しかし、よく観察すると、日本やヨーロッパの衛生管理基準よりやや管理が甘いように感じられます。但し、ここまでのレベル衛生管理をしているダージリン製茶工場は他ではほとんど見つけることが不可能ではないかと思います。
ダージリンティーは普通の紅茶と異なり、茶もしくは黒色をしておりません。むしろ、黄色、緑、赤が入り交じっているのが見た目の印象です。味に関しても普通の紅茶とは大きくかけ離れております。味香り共にどちらかというと、烏龍茶に近い性格をしております。
何故、これ程までに特徴的なお茶が出来上がるのか、その理由はダージリン特有の環境及び気象条件が関係していると言われてきました。しかしながら、プロセスをより深く理解することで、それらの諸説は俗説であることが分かります。
ダージリンの特徴的な気候は良質のお茶を作り上げる上で重要な役割を果たしております。しかし、実際にはダージリン地方と台湾の高山茶の生産地域は非常に似ております。では、何がダージリンティーのとても特徴的な性質を作り上げているのでしょうか。
それは萎凋工程です。ダージリンティーの加工で最も重要な工程は萎凋です。萎凋工程を極めれば、加工の70%を理解したと言われるほどです。
ダージリンでは春・夏・秋・晩秋と茶葉の加工法が異なります。この理由として、季節ごとに茶葉の性格、特に水分含量・ポリフェノール含量が変わるため、それぞれの性質に適した加工法が用いられます。
収穫された茶葉は、大きな萎凋槽に薄く並べられ、下から空気を送ります。層の床部分は多孔板となっているためファンにより送り込まれた空気は均一に茶葉に吹き付けられます。
このプロセスを萎凋と呼び、茶葉を萎れさせます。他の種類の茶と大きく異なる点として、ダージリンでは非常に長時間の萎凋が行われます。萎凋は24時間前後行われ、最終的に水分を30%まで落とします。当然、原料茶葉に元々含まれる水分量の多少により萎凋時間は調整されます。
他の一般的な紅茶の場合、萎凋でここまで水分を落としません。そのため、茶葉には十分な水分が含まれ、その後の発酵工程の際、酵素発酵に寄与します。それに対し、ダージリンティーの場合、長時間の萎凋中に茶葉内で成分の分解や酸化反応が開始されます。ダージリン特有の甘い香りは長時間の萎凋によるものです。萎凋後の茶葉の水分は非常に低くなっているため、他のお茶と比べあまり発酵が行われず、その結果、赤・黄色・緑の茶葉になるのです。つまり、ダージリンティーは紅茶の製法で作られた半発酵茶、つまり烏龍茶と言えます。
萎凋が完了した茶葉は揉捻装置にかけられます。この装置はオーソドックスローリング装置と呼ばれ、その昔イギリスが開発した画期的な装置です。
工場では一回あたり70kg-100kg程度の茶葉が揉捻装置に投入されます。揉捻装置は2機で1組になっており、最終的に両装置が生産した茶葉はまとめられます。70kgの茶葉はその後の仕上げ加工により水分が減少し、50kg~60kg程度になります。そのため、50+50=100kgと言うことで、茶園における1ロットは100kgが基本単位となり、この数量がその後の売買の基準となります。
良質のお茶を作りには加工中の熱は大敵です。そのため、揉捻は加圧、無加圧、加圧、無加圧を交互に繰り返します。無加圧状態にすることで熱を発散します。また、一度に投入する量を増やしたり、揉捻装置の回転速度を上げたりした場合、より熱が発生します。従って、良質のお茶を作り上げるには、出来るだけ少量のお茶を投入し、出来るだけおそい回転速度で加工することが必要条件となります。従って、1ロットの数量を確認することは、各茶園の生産するお茶の質を判断する一つの基準となります。
揉捻が完了した茶葉は篩にかけられます。篩は茶葉をサイズ毎に分類する役割を担っております。サイズが一番大きい茶葉、2番目に大きい茶葉は、再度揉捻装置へとかけられます。尚、サイズの細かい茶葉は、そのまま発酵へと進められ、最終的にティーバック用の原料となります。発酵に関しこれまで多くの工場では床に静地することで行っておりました。私たちのお付き合いしている工場では、発酵用のステンレス製棚を用いることで衛生管理に細心の注意が払われております。
発酵は数時間行われます。求める香りが得られた時点で、発酵を止めるため次工程の乾燥工程へと進められます。
乾燥工程には2つの目的があります。1つ目は茶葉に含まれる酵素を熱で失活し、発酵を止めることです。乾燥機の温度は高め(110-130℃)に設定されます。経験とデータに基づき、最適のタイミングで乾燥層へ茶葉を投入することで半発酵の状態のダージリンらしい品質が得られます。 2つ目の目的は水分を低下することです。水分を約5%以下に落とすことで保存に耐えられるようにします。 |
色が明るく、茎を多く含まない。白い芽が多く含まれていることも重要な要素です。中国種は全体に色が暗く、また、クローナルは明るい傾向があります。
全ての茶葉および芽は均一な形状をしております。
茶葉以外の異物、例えば繊維、竹、木片、砂や石を含みません。
明るく、透明で濁っておらずオレンジ色の水色をしております。
味は爽やかで、スムーズ、芳醇で後味にわずかな渋みと甘味が感じられます。
茶殻は新鮮で、明るく、暗黒色の茶葉を含みません。指で触ると、茶葉は厚みがある物の柔らかく弾力性があります。
最も重要な品質の評価方法として、茶殻から溢れるような香りが感じられるかどうかチェックしてください。良いお茶は、一度淹れた後でも茶殻に強い香りが残っております。一方、低品質の茶葉の場合、一度入れると、茶葉にはほとんど香りが残りません。香りをチェックする際には、湯を完全に切り、茶殻を皿にのせた状態で鼻を茶葉に触れるくらいまで近づけて下さい。淹れた後の茶葉の香りを正確に判断できれば、テースティングの80%は完了したと言えます。茶葉は正直にその品質を表しているのです。
身近な水と言うことで、水道水をお薦めいたします。水道水を使用される場合は、消毒用の塩素を取り除くため3~5分沸騰させてください。但し、例え沸騰しても塩素を完全に除去することは出来ません。可能な限り、活性炭フィルター付きの浄水器を用い、水中の塩素を除去してください。そうしないと、お茶の香り成分と塩素が共に反応し合い、本来の香りが楽しめません。また、塩素は微生物を殺菌するためにいれられております。殺すのは健康に害のある微生物だけでなく、私達の腸にすむ善玉菌も同様に殺菌してしまいます。また、細胞レベルでも様々な害が報告されており、アレルギーの原因にも成り得ます。
蒸留水や逆浸透膜水の場合、ミネラルを全く含まないために、お茶の味がフラットになりがちです。出来るだけ水道水等、ミネラル水をご使用ください。
尚、ヤカンに付着した水垢(スケール)は決して除去しないでください。クエン酸洗浄などを行うことで、従来のお茶の味が得られなくなってしまいます。
一端使用される水の種類を決められたら、今後、水の種類を変えないように同じ種類の水を使用し続けてください。水の種類が変わった場合、スケールからミネラルが大量に溶出し、暫く使っていると、お茶の味が劇的にまずくなります。同じ水を使用し続けることが、お茶を美味しくいれるための秘訣です。
テイスティング後の茶葉。写真のポットは鑑定用の標準カップです。 |
ティースプーンで2杯(3g) |
あまり知られておりませんが、紅茶や緑茶の場合、6煎は淹れられます。
多くの書籍やWEBサイトには様々な手法が書かれておりますが、以下は私が独自の経験に基づき採用している方法です。
何煎もお茶を楽しんで頂くためには、2煎目以降の淹れ方が非常に重要なポイントとなります。
特に2煎目をどのように淹れるかという点はは非常に重要です。
通常、2煎目は「蒸らす必要がありません」
どういう意味かと言うと、沸騰したお湯を急須にさっと通すだけでOKです。つまり、蒸らし時間は1秒以下です。
このような淹れ方をすると、目の前で見ているお客様の殆どが、「え?そんなに短いんですか?」と驚かれます。
意外かもしれませんが、この方法でもお茶は十分に美味しくはいります。
3煎目以降も同様の方法を繰り返してください。
但し、1煎目と2煎目の間が長く空いてしまった場合、或いは、連続的に淹れる場合とでは、結果は異なります。
間が空くと、茶葉は湿った状態が長く続くため、実際にはじわじわと味が抽出されております。
このため、長時間放置した後にお茶を淹れる場合、淹れたお茶は濃くなっていることが多く、湯を足すことで濃さを調整してください。
お茶は倍の濃さに淹れてもあまりそれが感じられない物です。薄めたときに初めて、「あら、この方が美味しい」と感じられるものです。
因みに、2煎目以降、湯を通すだけの淹れ方をしたものの、もし薄すぎると感じた場合、茶海やピッチャーに入っているお茶を再び急須へ戻し、もう一度通してください。
この方法を理解することで、お茶を淹れる時間に悩む必要はありません。
常温にて保管されることをお薦めいたします。
お茶は湿度に弱く、水分を少しでも吸収した場合、即劣化が開始されます。
水分は以下のような状況で意図せず吸収されますのでご注意ください。
実際、茶葉が劣化する最大の原因は4と5のようです。
冷蔵庫に保管した場合、袋の内部は冷えており、テープなどでしっかりとシールしていても、かなりの率で外気が中に進入し、結露を起こします。茶葉を結露してしまった場合、2-3日で香りが劇的に変化します。
出来る限り、常温で保管し、しっかりと乾燥した部屋でシールをすることで湿度を避けて保管してください。開封したら数ヶ月内に消費してしまうのが理想です。
未開封で真空包装されている商品につきましては、1年以上の保管が可能です。更に熟成を進めたい場合、常温にて、未開封のまま(真空包装のまま)保管してください。尚、購入直後のままの品質を維持されたい方は冷蔵庫にて保管してください。冷蔵庫に保管された場合は、必ず、24時間かけ常温に戻してから開封するようにしてください。半日もおけば大丈夫と思われがちですが、茶葉は大変表面積が大きく、天然の断熱材と言っても過言ではありません。手で触ってみると、既に常温に戻っているように感じられますが、内部は冷えており、十分に温度を常温に戻すには24時間必要です。尚、一端冷蔵庫からだし、開封された後は、常温にて保管してください。秋~春は外気の温度が低いため、常温保存をしても数ヶ月以上美味しい状態を維持することが出来ます。
HOJOではお茶の種類特性により保存方法を変えております。緑茶のように製茶直後の鮮度を維持したい場合は、無酸素状態にて低温倉庫で保管します。逆に発酵度の高い烏龍茶やダージリンティの場合、無酸素状態にて常温保存します。無酸素状態ゆえに鮮度は完全に保持されておりますが、熟成が すすみ、フルーツのような甘い香りが形成されます。 ご自宅にて更に継続的にお茶を熟成させたい場合、未開封の状態で出来るだけ暖かい場所に保管してください。
市販の商品で、真空状態を作り出すことの出来るタッパーがございます。普及品ではありませんが、お茶の保存には最適ですので、それらの特殊容器を求められるのも良いかと思います。
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